徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

「俚奏楽 島めぐり」のはなし。

2024-08-12 23:10:10 | 音楽芸能
 三味線音楽の大御所・本條秀太郎さんが創始された俚奏楽のなかで、僕が一番好きな曲、それが「島めぐり」である。大まかに言うと伊豆諸島や小笠原諸島に古くから残る唄つづりとでも言ってよかろう。しかし、何度も聞いていると実に巧みに構成されていることに気付く。随分前に本條秀美さんにいただいた歌詞(下記)を見てみると、赤い角括弧でくくられた部分が、ト書きでもあり曲のメインストリームにもなっていて、そこに各島唄を入れ子とした構造になっている。実はこの赤い角括弧部分もどこかの島の古謡を使ってあるのかと思っていたが、どうやらそうではないことが段々わかって来て、先般、東京での稽古に行かれた本條秀美さんに確認してきていただいた。やはり本條秀太郎さん自ら作られた歌詞なのだそうだ。こうした工夫が俚奏楽の本旨である、失われそうな鄙唄の再生につながるのだろう。