徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

漱石も眺めた棚田の風景

2020-07-30 19:25:26 | 熊本
 長かった梅雨がやっと明けると猛暑が襲ってきた。花園町の図書室を覗いた後、金峰山東麓の大将陣の棚田まで足を延ばしてみた。青々とした稲が育ちつつあった。ここのロケーションが大好きで四季折々の風景を見に来るのが楽しみだ。鳥越の峠の茶屋から金峰山に向かう山道からこの棚田を見おろすことができる。実はこの道は夏目漱石の「草枕」の題材となった小天旅行の時、漱石も通った道。漱石の目にはどう映っていたのだろう。

 夏目漱石の小説「草枕」は明治30年(1897)の暮れから31年の正月にかけての小天温泉への旅をもとに描かれているといわれるが、実は漱石は31年の夏にも小天温泉を訪れている。この時は早朝から日帰りで、いつも一緒の山川信次郎を含む5人連れ。小天湯の浦で昼食をとり、前田案山子の本宅を訪れた後、前田卓(那美さんのモデル)の案内で岩戸観音の霊厳洞や鼓ヶ滝を見物し、鎌研坂を通って熊本に帰ったという。この小天旅行の体験も小説に織り交ぜてあるのかもしれない。


青田風が吹き渡る大将陣の棚田


棚田を見おろす道は漱石が小天温泉へ向かって通ったであろう「草枕の道」



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4 コメント

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Unknown (小父さん)
2020-07-31 13:11:47
これぞ日本の風景ですよね。
私の育った家は少し高台で筑肥線(博多~唐津間の国鉄)鳥飼駅を望む、一面が水田でしたのでその懐かしさも感じます。

なるほど、このような風景からこそ小説が生まれるんですね。

「山路 を登りながら、こう考えた。・・・」
いいですね~。

昔はニューヨークは摩天楼だなんて習いましたが、今日の東京のSkyscraperからは
「東京に空が無い」しか生まれませんね!(笑)

>小天温泉へ向かって通ったであろう「草枕の道」

こんな所を歩いてみたいものです。
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Re:小父さん様 (FUSA)
2020-07-31 17:26:00
鳥飼というのは大濠公園に近かったんでしたっけ?
お住まいの当時とだいぶ様変わりしたんでしょうね。
筑肥線というのは前から旅心をくすぐられていて一度は乗ってみたいなと思っていますが、いまだ実現しません(>_<)

「草枕」の背景も随分様子が変わりました。漱石が歩いた道をそのままなぞることは出来なくなっています。
「山路を登りながら・・・」という山路も具体的にどこの山路を指すのか、今ではよくわからなくなり、いろんな漱石研究家が適当な解説をしていますが、いずれも現在の視点でしかなく、多分間違っていると思います。(^_^.)
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Unknown (小父さん)
2020-08-01 16:27:55
>鳥飼というのは大濠公園に近かったんでしたっけ?

いろいろご存知なんで、嬉しくなって(笑)リンク先の一番下に見取り図を追記しました。
       ↓
https://blog.goo.ne.jp/goo221947/e/5a6acd1e379d230df9a056eba27a8344

筑肥線は1983年くらいに徐々に廃止され姪浜駅までが地下鉄になりました。

リンク先の最初の写真の下に書いている「地下鉄」は天神町~福岡大学の方に通じる別路線です。

筑肥線の(今)昔 写真集
    ↓
http://ramonyan.ec-site.jp/chikuhisen/f_chikuhisen.html

はネット上で見つけて投稿者とやりとりしていたら中学時代の同級生の弟さんでした(笑)
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Re:小父さん様 (FUSA)
2020-08-01 23:23:41
お返事遅くなりました。
見取り図を拝見して位置関係がよくわかりました!ありがとうございます。

筑肥線は私がイメージしているようなローカル線の旅は姪浜から唐津の間ということになりますか。

タモリ倶楽部などを見ていて感じるのですが、鉄道ファンの熱量ってスゴイですね!(^_^.)
同級生の弟さんはさしずめ「歴テツ」とでもお呼びしたらいいんでしょうか)^o^(
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