徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

魚屋町三丁目十三番地 上村元三商店 再び

2022-03-28 22:42:19 | 熊本
 熊本市の中で古町(五福、慶徳校区)は、考古学の富田紘一先生が書かれた「城下町みてある記」にはこう紹介されている。

町割がまるで奈良や京都の町のように南北と東西の道路が碁盤の目のように整然としている。もともと城下町では、敵の侵入に対して見通しが利かないような道筋になっているが、この一帯は加藤清正公の隈本城時代から一貫して町人町だったところで、流通を優先した都市設計になっている。そして、ほぼ正方形の区画の中央には寺院が配置されている。町の名前には呉服町・米屋町・魚屋町などの商品に由来するところ、鍛冶屋町・大工町・細工町など職種に起源を持つのが多いのも特徴。同様な町名は、むかし町人町であった新町や坪井にもあったが、今ではそのまま残っているのは古町だけになっている。

 そんな古町地区の魚屋町3丁目の一角に、永年お世話になっている「上村元三商店」がある。先代の金物卸問屋から、時代の変化とともに変遷を重ね、現在の店主元三さんになってからは出張バーベキューの企画運営や予約制居酒屋、キャンドルショップなどの他、町案内や人力車と実に多彩な事業を展開している。
 6年前の熊本地震で被災した町屋が次々と消えていく中、熊本市と地域が協働で町屋等を保存活用し、城下町の風情を感じられる町並みづくりを行う事業の補助制度を利用してこのほどリノベーション。町屋の雰囲気を残しつつ大胆にリデザイン。和モダンな空間が創出された。
 コロナ騒動もあって2年以上もお伺いしていなかったが、やっと今日、大分からやって来られた栗田さんとともに改装後初めてお伺いすることができた。元三さんにとって生涯最後の創業になるのかもしれない。


写真はやはり提灯に灯が入っていないと絵にならないので元三さんのFBからお借りした。


かつての上村元三商店(2013.5.26の改装時)


   元三さんが大好きな「熊本さわぎ唄」(古町の町名が唄い込まれている)