徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

涸れた泰勝寺の池

2022-03-31 13:37:42 | 熊本
 先々週、泰勝寺跡(立田自然公園)を訪れた時、泰勝寺の池が涸れているのを見てビックリした。さっそく係員の方に尋ねると、この池は雨水池なので雨が長い間降らないと水位が落ちるのだが、これほど落ちてしまったのは珍しい、とのこと。可哀そうなことに鯉が十数匹死んだそうだ。訪問した数日後に雨が降ったのだが前の水位に戻るのは梅雨の時季まで難しそうだという。
 この池は中村青史先生(元熊大教授)の論文によれば夏目漱石の「草枕」に登場する「鏡が池」のモデルだという。「志保田の嬢様が身を投げた」という話のあの池だ。ここを訪れる度に池のほとりのバンコに座り、「草枕」の一節を思い浮かべていた満々と水を湛える池に一日も早く戻ってもらいたいものだ。 


干上がって池中央のごく一部にわずかな水面が見える泰勝寺の池


満々と水を湛えていた頃の泰勝寺の池(西側から)


泰勝寺の池(北側から)


山本丘人「草枕絵巻」より「水の上のオフェリア(美しき屍)」