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徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

思い出の風景 ~ 防府市向島 ~

2015-08-04 19:56:29 | 
 約40年前に2年半を過ごした山口県防府市。数ある思い出の中で最も印象深い一つが向島(むこうしま)の風景だ。その名のとおり、もともと離島だったのだが戦後、橋で結ばれた。開閉式のこの橋を錦橋という。向島の名の由来は、「周防国府の向こうにある島」という説や大分県国東半島の沖合いに浮かぶ「姫島」に対して「婿島(むこしま)」と呼ばれていたという伝説「姫島婿島物語」に由来するという説などがある。
 この島が特に印象深いのは、社員研修として、この島の中央にそびえる錦山(標高354㍍)へ新人たち20名ほどを連れて徒歩で登っていたからである。島の対岸の浜方にある工場から二列縦隊となり連続呼称をかけながらの行軍だった。当時、社内では生産体育と称して、自衛隊式の団体規律行動を取り入れていた。僕はその数年前に指導員としての訓練を受けていた。もう季節は夏に入っていて、頂上へ到達した時の喉の渇きは極限に達し、持参していたレモンを1個ずつ与えたが、みんな皮ごとむさぼり食っていた光景を思い出す。新人と言っても新入社員だけではなく、久留米などからの転勤者も多かったので、この行軍を何回繰り返したろうか。僕も30歳になったばかりの元気のいい頃だったからこそできたのだろう。懐かしい思い出だ。


向島側から対岸の中関(なかのせき)を望む。※上関・中関・下関