徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

「漱石記念年」 行事で演能は?

2015-08-02 16:16:47 | イベント
 夏目漱石は、処女作「我輩は猫である」に後架先生の謡のエピソードがあったり、「草枕」には「この旅を能に見立ててみたらどうだろう」と思う場面があったりするなど、能、謡曲好きは有名で、そのきっかけとなったのは熊本の五高教授時代に同僚の影響を受け、宝生流の謡を始めたことだといわれている。
 そんなことから、来年・再来年に行なわれる「漱石記念年」の行事には当然、演能も含まれると期待していた。ところが、そんな話は一向に聞こえてこない。個人的には2002年に野上記念法政大学能楽研究所が制作、試演して好評を博した「新作能 草枕」が上演されるのではないかと密かに期待していた。そこで、ぜひ「新作能 草枕」の上演を検討してもらいたい旨のメールを夏目漱石記念年実行委員会宛てに出してみた。すると実行委員会のメンバーの方から丁寧なお返事をいただいた。それによると、やはり当初から行事の一つとして演能も検討していたらしい。ところが委員会の中で何をやるかについて意見がまとまっていないようだ。ぜひ「新作能 草枕」も俎上に上げてもらえればありがたいのだが。

▼新作能 草枕
 漱石の新体詩「鬼哭寺の一夜」の物語を、小説「草枕」の世界の中で展開する。旅の詩人と美しき長良乙女の霊とが出会う夢幻能の形をとっている。

▼鬼哭寺の一夜


※備 考
伽藍(がらん)大きな寺の建物
法幢(ほうどう)禅宗の説法があることを知らせる幟
冥府(よみ)死後の世界
軽羅(うすもの)紗や絽などの薄い絹織物
蘭麝(らんじゃ)よい香り