徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

三拍子・四拍子(しびょうし)のはなし。

2015-08-16 17:28:25 | 音楽芸能
 夏の高校野球もたけなわ。熱戦が続いているが、よく野球中継などで「攻走守、三拍子そろった好選手」という表現を耳にする。これは要するに「打てて守れて走れるオールラウンドプレーヤー」のこと。また美女を表現する時にも「顔よしスタイルよし性格よしの三拍子そろった美人」などと、世の中の実にいろんな場面で「三拍子」という言葉を使う。
 この「三拍子」とは実は能楽からきた言葉で、能楽の囃子である小鼓(こつづみ)・大鼓(おおつづみ)・太鼓(たいこ)もしくは笛(能管)のことを三拍子と言い、太鼓も笛もそろえば四拍子となる。つまり三拍子がそろえば囃子の演奏ができるという意味が転じて、必要条件が整った状態のことを「三拍子がそろった」という表現をするようになったのだそうだ。
 下の映像は、昨年4月、水前寺成趣園能楽殿で行われた「水前寺まつり」のプログラムの一つで、邦楽の演奏家たちによる「五人囃子」と題した演奏。「五人囃子」といえば四拍子の他に「(うたい)」が加わるのだが、ここでは四拍子の笛が「謡」に代わってリード役も兼ねており、あえて「五人囃子」というタイトルにされたのだろう。
※写真をクリックすると動画を再生します

左から 太鼓:今村孝明 大鼓:中村弌誠 小鼓:中村花誠・今井冽・鬼塚美由紀 笛:藤舎元生