
来年3月の第82回アカデミー賞の外国語映画部門日本代表に「誰も守ってくれない」が選ばれたそうだ。昨年のアカデミー賞外国語映画賞は、「おくりびと」が受賞しただけに、「え!これ出すの?」と、ちょっと意外な気がした。日本映画製作者連盟という偉い方々が選出されたのだから自信がおありなのだろう。たしかにいい作品ではある。先日のモントリオール世界映画祭では脚本賞を受賞した。ただ、僕の印象としては「殺人事件の加害者家族の保護」という問題提起はいいのだが、消化不良のまま終ってしまった感が否めない。また、主人公の刑事の人物像もありきたりだ。君塚良一監督が「踊る大捜査線」の脚本家だという僕の先入観が邪魔しているのかもしれない。同じく先日のモントリオール世界映画祭で監督賞を受賞した「ヴィヨンの妻」はまだ観ていないので比較のしようがないが、アカデミー会員受けということを考えた時、どうなんだろう。そんな不安を吹き飛ばしてくれる結果が出れば良いが。