今夜はベンチャーズ結成50周年を記念したスペシャル番組(NHK-BS2)で久しぶりにベンチャーズ・サウンドを堪能した。彼らが4人のメンバーで初来日した1965年から日本での公演は2400回を超えるという。なぜこれほどまでに日本で愛されたのか。本国アメリカでは昨年、ロックの殿堂入りしたが、多くのアーティストに影響を与えたにしては、いかにも遅い。当初はアメリカでは、日本ほどには人気が出ず、レコードを出すのもままならなかったらしい。やはり、インストゥルメンタル・グループだったからなのだろうか。逆に日本ではインストゥルメンタル・グループだったからこそ、これほど愛されたのかもしれない。もともとロックは、黒人系のブルースやゴスペル、白人系のカントリーミュージックなどが融合して生まれてきたものであり、唄と演奏が一体となったものだ。しかし、日本人は言葉の壁があって、彼らと同じレベルにはなかなか入れない。その点、ベンチャーズはインストゥルメンタルだから、純粋に音楽として入り込めたのではないだろうか。もちろん要因はそれだけではなく、もともと手先の器用な日本人が持つ、職人好み気質なども影響しているのではないかと思う。僕自身はそれほどのめり込んだわけではないが、それでも最初の4人のメンバーの名前を今でも言えるというのは、あらためて彼らの存在の大きさを認識した。