徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

子どもと方言

2009-09-08 08:26:01 | その他
 最近の子どもは方言と標準語を使い分ける。それは見事なものだ。自分が子どもだった頃をふりかえると、とてもできなかったろう。高校生になってからでさえ、上京した時に親戚と会話をするのにひと苦労した。やはり今の子どもは、テレビで日常的に標準語に接しているからだろう。 厳密には標準語と言えるかどうかわからないが、要するにテレビの中で使われている言葉だ。一方では、各地方で古くから使われてきた方言がだんだん消えているのも事実で、ちょっと寂しい気もするが、これも時代の流れで仕方ないのかもしれない。僕が小学校に入った昭和20年代、つまり戦後民主主義教育が盛んに行なわれ始めた時代だが、学校で方言を矯正されることなどはもちろんなかった。しかし、その10数年前まで、方言は卑しい身分の言葉として学校で矯正する教育が行なわれていたのだ。
 熊本県立高等女学校(現第一高校)の校史によれば、下記の様な熊本の方言は矯正の対象になっていたようだ。今日見てみるとちょっと笑える。
(方言)・・・(矯正語)
 ヘン・・・はい
 オモサン・・・たくさん
 オドン・・・わたくし
 アッチャン、コッチャン・・・あちらに、こちらに
 サルク・・・あるく
 カタル・・・はいる
 ノサン・・・たまらん、いや
 オコナエン・・・同上、できない
 キツカ、キチイ・・・くるしい、つらい
 バッテン・・・なれど、なれども、けれど、けれども
 ケン・・・から
 イッチョ 、イッチョン、イッチョデン・・・すこしも、ちっとも
 キャー・・・省く
 ハッテク、ハッテータ・・・いく、いってしまった
 ジャー・・・だい、たいへん
 シコ・・・だけ
 ブンガ・・・省く
 クサイ・・・省く
 バイ・・・省く
 ゴタル・・・やう、やうな、やうに
 マッセン・・・ませぬ、ません
 ドギャン、アギャン、コギャン・・・どのやうな、どんな、どう、あのやうな、あんな、このやうな、こんな
※画はいわさきちひろ