この番組に甲斐さんがゲスト出演なさったことがきっかけとなって
「えー、まあ(甲斐さんと)ツアー回りましたけど…」と押尾さん
南さんに「改めて…」と促されて…「ハイ!あの…甲斐バンドはですね
1974年に、えー、シングル『バス通り』でデビューしましたけどね
この『バス通り』って曲は、ホントにフォークでした
たぶん、甲斐さんは…その『バス通り』もヒットしてますけど
この路線じゃなくて、もう一皮むけたかったんですよね
だから『俺たちはロックで行きたい』っていうのが…思いがあったんで…
でも、でも、フォークがキライってことじゃないんですけど…
けど、でも『「バス通り」ではなくて、次のシングルで…』っていうことを言っておられましたけどね
まっ、甲斐バンドって、ホントに、あの…甲斐さんだけじゃなくて
ギタリストの、あの…大森さんが歌ったりとかですね、えー、松藤さんが歌ったりとかですね
『あっ、ホントにバンドなんだ!』って…
ナンかね、あの…フツー、バンドっていうのは
ボーカルは1人だけっていう感じでですね…(『そうですよね』と南さん)
そういうトコもあって、メンバー思いって言いますか
メンバーにも、ちゃんとこう…出番を与えるみたいな…そういうところもありまして…
まあ、その中で、まあ1曲聴いて頂きましょうかね…(『えー!なに?なに?なに?』と南さん)
えー、その中でも、ちょっと、僕が異色と思った甲斐バンドの曲…
これ…これも大ヒットしたんですよ、大ヒットしたんですけど
甲斐バンドなのに、すごくジャズな…えー、その…ナンて言うか
その…ヨーロッパのジャズって言うか、その…ジプシージャズのような…その雰囲気のある曲で…
それ、しかも、アコースティックギターっていうか、まあ、ガットギターですね
ガットギターで、イントロで使ってるのがジャズで、4ビートが効いて
その中で歌ってる、ちょっと大人の甲斐バンドの曲を聴いて頂きましょう
これも大ヒットした曲ですね、えー、1975年にリリース、3枚目のシングルでございます
えー、甲斐バンドで『かりそめのスウィング』」をピックアップされてたんだけど
甲斐さんご自身も、この曲をベストアルバムに収録なさる際に
ジャズテイストをより強く押し出すために、ドラムを入れてリマスタリングされ
ライブでは、中盤にスペシャルセットで披露なさってましたよね?
奥さんが、このオリジナル音源の甲斐さんの声に萌えていたら(笑)
1コーラス終わったトコで、南さんが「『かりそめのスウィング』…ええ曲ですね」とカットイン(笑)
まあ、押尾さんは「セクシーな甲斐さんの声が響いてますけども…」と返されてましたが…(笑)
南さんの「これもう、ホント、1枚目、2枚目、3枚目って、すごい雰囲気違う…よね?」
…との言葉に「そうですね、2枚目が、あのー『裏切りの街角』ですね
甲斐さんは、やっぱ、その…『裏切りの街角』のアノ感じで行きたいと…
『俺たちは、やっぱロックで行きたいぞ!』ということで
2枚目は『裏切りの街角』だったんですけども…
その(あとの)3枚目で、また違う路線で
『このバンドは、どのジャンルなんだよ!?』って思わせる…
でも、でも、やっぱ甲斐バンドのサウンドなんですよね、やっぱ…
ジャズなんだけど、上手く採り入れた、この感じが、たまらなく好きですね、僕ね、ハイ」
…とおっしゃってましたが、ホントにこの曲は、セールス云々はともかく(失礼!)
業界の方々に好評というか、玄人受けする曲みたいで
「『裏切りの街角』がヒットしてからさ、時代の掴み方っていうのか
ニオイの嗅ぎ分け方っていうのか、ナンかそういう直感がね
俺は間違ってないんだっていう自負が出てもいたんだよね
『ああでもない、こうでもない』っていうんで
二十数年間、研究して来た『甲斐よしひろ操縦法』の研究の成果がですな
『「裏切りの街角」のヒットで実証できた!』と、こう…単純に俺は思ったんだな
しかし…この山師っぽい思い込みが、今思うと残念だねぇ(笑)
この気負いが、次のシングル『かりそめのスウィング』になだれ込んでコケさせたという…(笑)
この頃の俺は、俗に言う『若気の至り』というもんに取りつかれていたんでしょうなあ(笑)」
…と振り返っていらした甲斐さんは、当時、事務所やレコード会社の皆さんの
いわゆる「2匹目のドジョウ」狙いの意向を退けられ
この曲を「裏切りの街角」に続くシングルになさったことが
ある意味「報われたような」気持ちになられたんですよね?
それはさておき…南さんが「甲斐さん…でも、ギターって
押尾さんにとって、どんな感じなんですか?」とお訊ねになり
押尾さんは「あのね、甲斐さんってね、何がスゴイって
レフティって言うんですかね?左利きなんですね
だから、僕とギターで並んでも、ぶつからないんですね
(『あっ!そうか!そういうことですよね』と南さん)
上手い具合に、あの…ギターのボディのお尻とお尻がぶつかるくらいなんで(笑)
えー、見た目的には、スゴくイイんです…(『シンメトリー』ですよね)」
…とお答えになっていたけど、お二人でプロモーション番組に出演なさって
その番組で出された料理を召し上がる際に、押尾さんが甲斐さんの左側に座っていらしたので
お箸を持つ手の肘と肘が、時々ぶつかっておられました(笑)
ともあれ…「それがスゴイ!…そこやなくて(笑)…何がスゴイって言うと
甲斐さんは、僕が今持ってるギターをそのまんま、ひっくり返します
だから、ひっくり返すとどうなるかって言うと
フツー、太い弦が一番手前にあるんですね、この…(『上に来ますね』と南さん)
で、細い弦が下にあるんですけど、甲斐さんは、そのまま(笑)…(『ひっくり返すと…』)
上に高い弦がある訳ですよね、あの…細い弦が…で、下に低い弦がある訳ですよね
(『例えば、コードを覚えたとて、指が全然違う指になるってことでしょ?』)
あのー、もちろん(甲斐さんは)右手で…押さえ方が…
(『一生懸命、押尾さんが右手で(押さえようとしてる)』)
もう、全く素人なんですけど、爪も伸びてるし…(笑)
(『そうですよね、押尾さんの場合、爪あるから…』)
しかも、ストロークは、フツーはこう…ねぇ?
重力に従うと、上からジャランと弾けるじゃないですか?
そうすると、こう…高い音から出るでしょう?
だから、そう…スカスカになっちゃうの!
ジャン!チャリンチャリン、ズーンズズンっていうね、フツーに弾くと…
だから、甲斐さんの弾き方、見てみると、結構ね、アップストロークが多いんです
(『あっ!そうなんだ!』)…だから、フツーに、こう…『♪ジャンジャジャン!♪』って
こう…『♪ジャンジャジャン!♪』って、こうね…(…と実際にギターをお弾きになりながら)
ダウンしてるイメージ強いんですけど…(『上から下へね』)
甲斐さん見てると、アップが『♪ジャンジャジャン!♪』ってなるから
それがカッコいいんですよ!…(『へえー!』)
アップで行ってる感じが『これ何!?』って…『えっ!?何?ナンか、ナンか違う感じ』…
ナンか、スゴくこう…アクションが大きく見えるんですよ
(『そうですね、下から上の方がナンかね』)
いつも『♪ジャンジャジャン!♪』って、やってるのが…(『肩が動いてね』)
それが、ナンか『うわっ!カッコええ!』…あの弾き方、それが甲斐さんのアレ…
でも、なかなかマネは出来ないですね」…と、皆さまのご想像通り(笑)
我が家の「ギターを弾く甲斐さん好き」が「うん!うん!」頷き、ニマニマする話をなさってました(笑)