旋風巻き起こる

↑夢半ば。
にわかに、けたたましくキュン鳴く犬の声がする。
一匹の鳴き声ではない。
複数頭が、合わせてキュン鳴いている。
そのキュン鳴きが、近づいてくる。
遠慮会釈なく、ダカダカと階段を複数頭が駆けあがってくる音がする。
バターン！
「ママ焼きショバちゅくってぇぇぇ！」
そして筆者は奇襲に見舞われる。
「………………！」
言葉にならない。
動けない。
なんだろう？
このDéjà Vuな感じ？
なんだろう？
以前にも経験したことがあるような？
休日の朝に、眠い母さんを叩き起こしてはならないと。
あれほど繰り返し、こんこんと説いたあの日々。
その説教。
聞き入れてもらえることは皆無だった。
回想にひたる間もなく、寝ぼけているそばから、あっというまに犬まみれ。
この現象を、犬雪崩と呼べばいいですか？
それとも、犬津波と呼べばいいですか？
そうですね。
「疾風、怒涛の犬旋風」
こちらのほうが、より的を得ている気がします。
揉みくちゃにされます。
避けようがありません。
わらわらと犬たちに突っつかれ、起きねば口の中目がけて
ダックスフンドが突入してきそうな勢いです。
悪夢のような。
なんらかの罰ゲームのような。
犬神家に、休日の朝になると発生していたこの現象。
再来。
ああ。
再来。
筆者は、この日が再来することを、心のどこかで知っていました。
知っていましたが。
この世の誰しもが、ゆっくりしたい日曜日の朝のことです。
ええ。
朝のことです。

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↑つくりました。
焼きショバ。
ソース味です。
母さんだけ特別に、朝のイッポン大御所特典付きでございます。