日本で暮らしていた頃。
猫を飼うという機会には、一度も恵まれませんでした。
それは、もともとが犬飼いの一族だったため。
この色褪せたピンボケのお写真は、とってもとても古いもの。
血迷って…いや縁あって、相方ダディちゃんと一緒になってから、「飼い猫」として初めて飼った仔猫ちゃん。
ある日。
庭のつぶ蜜柑の樹の下で、ミィミィ泣いてた赤ちゃん仔猫。
毛色が
「トム&ジェリーの、ジェリーさんの弟分の、オムツしてた仔と似てる」
と、いう理由から
「タフィちゃん」と名づけられた、小さい小さい女の仔。
小食で、つつましく、目だった悪戯もしなかった、可愛くておとなしいお嬢さん。
怒涛の、第一子&第二子、製造懐胎出産育児のすべてを
見守ってくれたという護り猫。
二度の引越しに従い、若い頃に病で一度たおれかけ、手術と養生を経てから、十年生きてくれました。
魅惑のライトグリーン瞳と、天下一品のお行儀の良さで
相方ダディちゃんが、まるで愛娘のように溺愛した美人ちゃん。
私たちは、あの日々から数えて
今までいくつの、キティリターサンド(猫砂)の袋を買い求めたことでしょう。
本日
ペットディスカウント店に出向いて、コーンが原材料の猫砂徳用大袋を、相方ダディちゃんが軽々と肩に担ぐ後姿を見つめて
しみじみ思った事柄です。
タフィちゃんは、猫族の美学なのか、最後のときを飼い主たちの目に晒すこともなく、いつのまにか、霞のようにふっといなくなりました。
探しても探しても見つからず、それは本当にしばらく経ってから
「マミ!タフィちゃんいたよ!」
と、まだまだ幼子の子ちびが、宝のように大事に大事に両手に包み込んで、母に捧げ持ってきましたのは
「真っ白に光り輝く、猫の頭骨しゃれこうべ」
!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_sup.gif)
!!
だったのです。
「…タッタッタッ、タフィちゃ~~~ん…!!!」
可愛いタフィちゃん。
庭の片隅、マッカオレンジの生垣の陰に、ひっそりと白く横たわっていたそうです。
タフィちゃんたら
最後には、思った以上に、きれいにつるっとしちゃってて。
それは、ナショナルジオグラフィック誌の表紙を飾っても、少しも遜色がないような、白く美しいしゃれこうべ。
今タフィちゃんは、つぶ蜜柑の樹の下で、静かに穏やかに眠っているのです。
永遠の、ファーストキャットのタフィちゃん。
ついぞ、真っ白い骨まで見届けた、一番最初の愛猫です。