石蕗はつやぶきの転訛で、葉に艶があり葉形が蕗に似ていることから名付けられたそうです。
園芸品種の斑入りのものは思うようには増えてくれませんが
野生の石蕗は手をかけなくともどんどん増えてくれますし、
その花は必ず季節の訪れを知られてくれます。
今年ももう花が顔だしはじめたので早速いけてみることにしました。
去年は黄紋石蕗をつかって三才格のいけたので
今年はふつうの石蕗で立姿と横姿にいけてみました。
素朴な花ですが
こうやってお生花にいけることで
花が普段着から晴れ着に着替えたように感じるのは私だけでしょうか。
素朴な野の花の野にあるがごとく・・・いけるいけばなも好きですが
「ハレとケ」のごとくケの花をハレの花に変えてあげる・・・そんな華も好きなんです。
伝書ではこの石蕗について
『岩蕗(石でなく岩になってます)の挿方は用に大葉を入れ、
体に少し小さき葉を遣い、体用の添に小葉を遣う。
此小葉を力葉と唱う。
大葉大葉の間に小葉つかわざれば風流の姿出難し。
花は組葉の中に遣う・・・』
とあります。