「北海道から、ニッポンの米を」というスローガンのもと。
生産から販売まで一体となって「ゆめぴりか」の品質維持・ブランド化に取り組んできた道内7地区の生産者組合や各地のJAなどで構成する「北海道米の新たなブランド形成協議会」主催。
「ゆめぴりか」のブランド力向上と最高級ブランド米の育成を目的とした「第2回ゆめぴりかコンテスト」の地区予選が、道内で開催されている。
このコンテストで、自分がブランド化をしているJA新すながわが、昨年「最高金賞」となった。
しかし今回は、残念ながら「準グランプリ」となってしまった。
自分が作っているブランドなので、その利点も欠点も理解している。。
JA新すながわの「ゆめぴりか」は、主食としての「ゆめぴりか」ではない。
北海道米のトップブランドという範囲には、留まっていない。
「美味しい」という表現は、既に超えている。
JA新すながわの「ゆめぴりか」は、「粘り強い」であるとか、「味が濃い」というレベルではない。
既に「嗜好米」として、完成され始めている。
それは、かつて「魚沼米」が、「料亭のための秘蔵米」として存在していたのと同じ。
でも、時代の「古くて最先端」にいることでの、欠点がある。
それが「正5角形」。
「ゆめぴりか」であることと、「低アミロース米」であることから考えると、正5角形になるとは、一般的には考えにくい。
スーパーで販売している、タンパク質含有量7.4%以下の「ゆめぴりか」の方が、むしろ、正5角形になりやすいはずである。
いびつな5角形になる方が、JA新すながわの「ゆめぴりか」は、むしろ自然なのだろうと思うだろう。
自分が言いたいのは、正5角形の大きさの違いと、それからなるバランスのことである。
スーパーなどで販売している「ゆめぴりか」の5角形は、5点満点中、オール3点というところだろう。
低アミロース米としては、粘らない。
柔らかさが魅力と言っているが、そこまで柔らかくは感じない。
甘みがあると言っているが、言い切るほどの甘さではない。
全てが、そこそこ。
粘りだけが強いと、「粘り強いお米」となる。
柔らかさが強すぎると、「柔らかいお米」となってしまう。
この場合の5角形は、いびつである。
当然、好き嫌いは出る。
JA新すながわの「ゆめぴりか」も、正5角形である。
でも、粘りは強い。
柔らかさもある。
甘さもある。
それでも、いびつではない。
オール5点の正5角形なのである。
これが、自分が言う「バランス」からなるマジック。
今迄のお米なら、古い表現の「見た目」「香り」「柔らかさ」「粘り」「味」の5項目で言い表せた。
しかし、この頃の新品種は、この5項目だけで語ることは不可能。
さらに、新旧関わらず、完成され始めたお米であれば、この5項目で表現することは、完全に不可能なのだ。
誰もが簡単に使い過ぎているが、「もちもち」は「粘り+柔らかさ+米粒感+甘み」からなっている。
「粘りが強い」は、「もちもち」ではなく、単純に「粘りだけが強い」だけ。
「甘い」は「甘い」であって、「旨味」とは違う。
もう言いたいことは判ったと思う。
新品種は、シンプルな特徴ではなく、立体的な特徴と美味しさを持っている。
そして、完成され始めたお米は、その形が、美しいほどに整っている。
そのお米が、次の時代のお米。
「美味しい米」を超えた、「嗜好米」だと考える。
自分が、JA新すながわに求めているもの。
「北海道の魚沼になってもらう」と言い続けていること。
少しは、理解できたであろうか。
コンテストの結果は結果。
コンテストごときに、意識を持って行ってはいけない。
進むべきところは、其処ではない。
自分たちの進むべき道を、真っ直ぐに進んでもらいたい。