虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

十三人の刺客(1963/日)

2004年05月29日 | 映画感想さ行
監督:工藤栄一
出演:片岡千恵蔵 西村晃 里見浩太郎 嵐寛寿郎 内田良平
  
 将軍の弟であり、残忍で暴君の明石藩主・松平斉韶の暗殺を図る目付以下13人と、暗愚な藩主を守るために視力を尽くすそれぞれの側の男たちの知力体力を尽くした闘い。

 この映画は前半のいわば頭脳戦のドラマを後半の死闘で締めくくる、という形になるのだろうか。片岡知恵蔵という「芝居がかった芝居」(変な言い方だが)が身体にはまる役者の物言いがリアリズム画面でも雰囲気を壊していない。13人それぞれの人物を描くのはやっぱ無理で、敵方の切れ者(内田良平素敵だ)と、4・5人がメインになっちゃうのはしょうがないか。お殿様の切れっぷりもよかったですけど。
 それにしてもこのままこの絵を見ていたいと思う様な、ピシッと決まる画面には瞠目の一語。ローアングル多いです。
 ラスト、長い死闘では、待ち受ける男の後ろの低い位置から撮っているシーンが目立つ。画面のほとんどを腰がふさいでいるようなところもある。これは映画館では迫力を感じさせたのだろうか。テレビの小さい画面では、繰り返しが多すぎるみたいに思った。
 
 そして一人ひとり死んでいく。
 剣豪である西村晃の、刀を失って無様に殺されるシーンは印象的。それに前半の流れから言うと、お殿様はもっとあっさり事務的に斬ってしまっても、片岡と半兵衛(内田)とのやりとりがあれば、思い入れは十分なのに(またえらそう)
 月形龍之介、出番少なかったけどカッコよかった!!

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