虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

トラフィック (1971/仏)

2004年05月04日 | 映画感想た行
オープニングとラストが、すっごくイカしている!

TRAFIC
監督・主演:ジャック・タチ

パリの会社からアムステルダムのモーターショーまで
自分の設計したキャンピングカーを運ぶユロ。
ところが次々とんでもないことが起こり…

もう、「ああ、ジャック・タチのテイストだなあ」
としみじみしつつ、くくく…っと笑う映画。
絵が決まる、というのでなくそれぞれのシークエンスに
いっぱいおかしみが詰まっている。
画面構成自体もそうなので、
アップでキッパリセリフを言い切るなんてシーンは絶対なし。
ジャック・タチ自身のアクションのおかしさも抑え気味。
一つ一つのシーンがみんな面白くて、見終わってとってもなごんでいる。

ホントはあせらなきゃいけないんだけど、
パブリケーション担当のアメリカ娘までユロおじさんのペースで
飛ばしているようで、いつの間にかのんびりしてしまう。
多重衝突事故までタチ・テイスト。

タチ監督のちょっとした現象を切り取る眼のすごさには敬服。
渋滞中のドライバー百態みたいなの、
雨の中のドライバーそれぞれにワイパーまで個性さまざま。
石膏像は出るたびに笑える。
蔦のシーン、好き!
ラストのびっしりの車とその間を浮かぶような漂うような色とりどりの傘…
素敵!