blog-cafe

マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

四番目の条件

2010-04-28 10:50:03 | 中国語
 なんだか...あほらしいやら馬鹿らしいやらやりきれないやらで、ちょっと落ち込んでいたここ一週間。
記事にするのも迷っているが、いや、書いた方が気が紛れるだろうか?


 先週木曜日に某協会から中国人留学生の短期ホームスティの依頼に関するメールが届き、土曜日に本人と会った。

 彼女の話によると、来年日本の大学院を受験するために来日し、現在市内の専門学校で日本語を学んでいると言う。
しかし専門学校でも宿舎の方でも外国人ばかりの環境で、なかなか日本語が上達しない。
そう簡単には日本人の友達もできないし、ロシア人やアメリカ人留学生たちとは日本語で会話をしているが、みんな日本語が下手だし、間違った日本語を覚えてしまうのではないかと不安になるらしい。
日本の家庭で暮らしながら日本語と日本文化と、そして日本で生活するための礼儀作法を身につけたいと言う殊勝な現代っ子だった。
私はひと目で気に入ったし彼女の希望にそって応援してあげたいと思った。

 中国では英米文学を専攻してきたそうで、彼女の口からシェイクスピアやディケンズなどの作家の名前が出てきたところも気に入った理由だ。
4歳の頃からずっとピアノを習ってきたが、日本に来てからは一度も弾いていないと言うので、我が家にピアノがあると教えたらとても喜んだ。

 「私への要求(要望のこと?)は何かありますか?」
と訊ねてきたので、私は三つの条件を提示した。
一緒に朝ご飯を食べること、時々私に中国語を教えること、昼食は作らないので自分で用意すること。
本当はもっとあるのだが、我が子も出来ないことを他国の若者に要望することは無理だと思って言葉を呑んだ。

 連休が終わってから開始しようかと考えていたら
「月曜日からお願いします!」となにやらとても急いでいる彼女。
準備期間が二日しかない。
二階は散らかっていて滅茶苦茶だし、これは掃除を急がなければ大変だ。
来日した中国人が一様に驚き感心するのは、日本人が整理整頓・清潔を旨として暮らしていること。
我が家だけが例外になって恥をかいてはいけないと、腰が痛くなるほど頑張って家中を磨き上げホームスティの環境を作り上げた。

 そして駆け足でやってきた月曜日。
夫が帰宅したらすぐ迎えに行けるようにと歓迎の夕食の準備も整った頃
今日学校で指を怪我しました。延期してくれますか?
と突然彼女から電話が入った。
そして私は思い出した...中国人は平気で約束を破る!
民間外交レベルですらこんなにショックなのに、企業間や国家間レベルの約束なら、どれほど重要な問題が発生することであろう。
残念ながらその後彼女からの電話はない。

 今まで何人かの中国人と、お茶会やお食事会の約束をしたことがある。
実は、一度として約束が守られたことがない。 一度もだ!!
仲間たちがみんな集まりすっかり準備が終了した頃、必ずドタキャンの電話が入る。
むしろ約束をうっかり忘れてくれていた方がこちらの傷は浅いというものだ。

 しかし今回のホームスティの件は、お茶会や食事会の約束とはちょっと違うのでは?
怪我をしたと言うことが本当であれば、これは確かに仕方がない。
信じたいという気持ちと信じられないという気持ちが交錯して、信じられない気持ちが勝つ自分がまた嫌になる。
彼女に出した条件の四つ目に「約束を守ること」を加えなかったことが今となっては悔やまれる。