交渉開始10分経った午前10時10分、米国側が一部メディアに午後に緊急記者会見を通知したことから、米国は会議が始まる前から“交渉決裂”カードを用意したものとみられる。

2019-11-20 09:23:28 | アメリカの対応
米国、「防衛費分担金50億ドル」の主張曲げず、会議場離れる
登録:2019-11-20 06:02 修正:2019-11-20 08:04


韓米分担金交渉を一方的に中断 

会議場を出て「大幅増額」を圧迫 
米国「再考の時間与えるため早く終わらせた」
 

韓国「新項目と総額ともに意見の相違あり」 
無理な要求は受け入れられないという原則を固守


          

韓米防衛費分担金交渉の第3回会議に米国側首席代表として出席したジェームズ・ディハート国務省補佐官が19日、ソウル龍山区南営洞の在韓米国大使館広報課で交渉結果を発表し、ブリーフィング会場から出ようとしている//ハンギョレ新聞社

 50億ドル(約6兆ウォン)という類例のない巨額の防衛費分担金を韓国に要求した米国が「交渉中断」を宣言し、会議場を後にした。韓国が「米国の無理な要求を受け入れられない」という原則を曲げなかったことを受け、一方的に「交渉中断」という強気の姿勢を示したのだ。韓国に防衛費の大幅引き上げを求める米国流の“瀬戸際戦術”とみられる。防衛費交渉が途中で決裂したのは今回が初めてだ。

 ジェームズ・ディハート米国務省防衛費分担交渉代表は19日午後、ソウル龍山区南営洞(ナムヨンドン)の在韓米国大使館で緊急記者会見を開き、「残念ながら、韓国が(交渉で)提示した提案は、公正かつ公平な負担をしようという我々の要求に応じるものではなかった」としたうえで、「その結果、我々は韓国が再び考えてみる間を与えるため、今日の会議を(予定より)早く切り上げた」と述べた。さらに、「韓国が偉大な同盟の精神に基づき、韓米両国が互いに受け入れ可能な合意ができるよう、新たな提案を出すことを期待する」と述べた。第11次韓米防衛費分担特別協定(SMA)の締結に向けた第3回会議は、18日から2日間、ソウルで開かれる日程だったが、2日目の会議が米国側の要求で突然中止された。この日、交渉開始10分経った午前10時10分、米国側が一部メディアに午後に緊急記者会見を通知したことから、米国は会議が始まる前から“交渉決裂”カードを用意したものとみられる。

 韓国側首席代表のチョン・ウンボ韓米防衛費分担交渉大使も、米国代表の記者会見から2時間も経たないうちに、ソウル外交部庁舎で緊急記者会見を開いた。会議の決裂状況について、チョン大使は「米国が先に離席したため」と確認した。チョン大使は「米国は新たな項目の新設などを通じて防衛費分担金が大幅に増額すべきという立場だが、我々は過去28年間、韓米が合意してきたSMAの枠組みの中で、互いに受け入れ可能な範囲内で(交渉が)行われるべきだという立場だ」と述べ、韓米の著しい見解の相違が決裂の原因であることを示唆した。チョン大使は韓米の意見の食い違った部分と関連し、「項目と総額の両方を含む」とし、「基本的に新しい項目を希望するのは米国側だ。そのような部分については、我々は原則的な立場を堅持している」とし、韓国の“原則の固守”を強調した。

 米国は今回の交渉で韓国側に今年適用された第10次協定金額(1兆389億ウォン)の6倍に近い50億ドル(約6兆ウォン)を要求している。特に、既存の協定の枠組みを破り、在韓米軍の循環配置と韓米合同演習にかかる費用をはじめとした「新たな項目」の新設を主張している。ただしチョン大使は、米国が在韓米軍の削減や撤退を取り上げたかどうかについて、「在韓米軍に関する問題はこれまで一度も論議されたことがない」と強調した。

 米国が韓国に対する無理な圧迫戦術を続けたことで、次回の交渉日程も不透明になった。年内交渉妥結の可能性も低くなった。ディハート代表は「韓国が協力する準備が整った時、交渉が再開できることを期待する」と述べ、韓国が立場を変えない限り、交渉は再開できないという考えをほのめかした。
ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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