2025年8月18日(月)
自民議員61人 企業・団体献金年1000万円以上
支部受け皿に荒稼ぎ
しがみつく姿浮き彫り
裏金事件の真相解明やその大本である企業・団体献金の禁止に背を向けている自民党。みずからが代表を務める政党支部で、企業・団体献金を年間1000万円以上集めている国会議員が61人もいたことが本紙の調べでわかりました。(藤沢忠明)
![]() |
調べたのは、2023年分の政治資金収支報告書。
同年12月末時点で、衆参あわせて約360人の国会議員がいましたが、ほとんどの議員が、自分の政党支部で、国民の税金である政党助成金1200万円を自民党本部から交付される一方、企業・団体献金を集めています。まさに“二重取り”です。
このうち、1000万円を超す企業・献金を集めたのは、衆院44人、参院17人。田村憲久元厚生労働相(衆院三重1区)の4900万円、茂木敏充前幹事長(衆院栃木5区)の4135万円はじめ、2500万円以上集めたのは、17人にのぼりました。(表参照)
パーティー収入も
自民党政治家の多くは、もう一つの“財布”である資金管理団体で、「励ます会」などの名目で政治資金パーティーを開いていますが、政党支部でもパーティーを開き、カネ集めをしていた議員も目立ちました。
たとえば、企業・団体献金1250万円の菅義偉元首相(衆院神奈川2区)が3260万円、企業・団体献金1564万円の萩生田光一元政調会長(衆院東京24区)が3371万円など。企業・団体献金、政治資金パーティーともに1000万円を超した議員は18人もいました。
政治資金パーティーは、裏金事件でハッキリしたように形を変えた企業・団体献金です。30年前の「政治改革」で政党支部への企業・団体献金が温存された害悪が浮かび上がってきます。
党費はゼロなのに
さらに驚くべきことは、企業・団体献金1000万円以上集めた61人のうち、政治資金収支報告書に「党費」を払った党員が「ゼロ」と報告している政治家が、河野太郎前デジタル担当相(衆院神奈川15区)、井上信治元万博担当相(衆院東京25区)、永岡桂子元文部科学相(衆院比例北関東)など5人もいたこと。党費ゼロで政党支部? 自民党国会議員の政党支部が、企業・団体献金を集める窓口になっていることを象徴的に示すものです。
石破茂首相が企業・団体献金をめぐる立憲民主党との協議に向け、政党支部が受け取る企業・団体献金の現状を確認するよう自民党の森山裕幹事長に指示し、これに反発して同党政治改革本部の斎藤健幹事長(前経済産業相)らが辞表を提出したなどと報じられています。
本紙の調査は、「企業献金は悪ではない」「政治活動にはカネかかる」などといって、企業・団体献金にしがみつく自民党の道理のなさを改めて浮き彫りにしています。