古代朝鮮半島に住んでいた祖先は、どのような方法で新鮮な果物や野菜を保管したのだろうか。

2023-03-31 17:23:47 | 韓国文化

百済王族の「冷蔵庫」には、熱い空気を抜く温度調節装置もあった

登録:2023-03-29 21:05 修正:2023-03-29 22:32

 

益山で通気口のある石築貯蔵庫を発見 
地下貯蔵庫以外の冷蔵施設遺跡は初
 
 
全羅北道益山市で百済時代に作られたと推定される石築低温貯蔵施設が確認された。24日午後、全羅北道文化財研究院が益山市金馬面の薯童歴史公園造成地で石築の低温貯蔵施設2基と建物跡3棟などを確認したとし、関連内容を取材陣に説明している/聯合ニュース

 古代朝鮮半島に住んでいた祖先は、どのような方法で新鮮な果物や野菜を保管したのだろうか。

 こうした疑問を解く古代の冷蔵庫の遺跡が初めて明らかになった。文化財庁は24日、百済の古都である全羅北道益山(イクサン)で、7世紀初めの百済時代に内外の空気が出入りする通気口を設けて低温を維持した大型石築貯蔵庫2基を発見したと発表した。

 
 
最近、全羅北道文化財研究院が益山市の薯童公園造成地で発見した百済時代の石築低温貯蔵庫を上から見下ろした様子。一番上に3つの通気口がはっきりと現れている=全羅北道文化財研究院提供//ハンギョレ新聞社
 
 
石築貯蔵庫の通気口部分=全羅北道文化財研究院提供//ハンギョレ新聞社

 発掘された低温貯蔵庫は1号と2号があり、韓国で初めて外部との間に空気が通る通気口を備えている。基盤土の風化岩盤層を長方形に掘った後、その内部に整えられた石塊を積んで壁体を作った構造物だ。1号は長さ4.9メートル、幅2.4メートル、高さ2.3メートル、2号は長さ5.3メートル、幅2.5メートル、高さ2.4メートルで、大きさは似通っている。地面を掘った後に石垣を築き、外の空気が通る3つの穴を開けた低温貯蔵庫が当時冷蔵庫の役割を果たし、これを作って利用した人は王族など最高上流層と推定されるというのが、現場を見た専門家の分析だ。「薯童謠(ソドンヨ)」で有名な武王が統治期に掘った可能性があると推定されるこの遺跡は、益山・薯童歴史公園の造成地を発掘中だった全羅北道文化財研究院の調査チームが確認したもので、最近、他の百済時代や朝鮮時代の建物跡とともに明らかになった。

 
 
石築低温貯蔵庫の通気口部分を真横から近接して撮った様子=全羅北道文化財研究院提供//ハンギョレ新聞社

 三国時代の地下貯蔵庫は、百済の古都である忠清南道の扶余官北里(プヨ・クァンブクリ)や大邱(テグ)のパルゴ山城などでたびたび確認されているが、冷蔵施設であることが確実な遺跡が出現したのは初めての事例だ。富と権勢を備えた当代上流層の人々が果物、野菜、穀物などを低温で保管し、随時取り出して食べた情況を示す古代施設が完全な姿で確認されたわけだ。

 遺跡で最も注目される部分は、内側と外側の空気を通して温度を調節する通気口だ。調査団は、貯蔵庫東側の壁の上部にそれぞれ3つの通気口が設置されていることを確認した。この通気口は、割石である板石と長く整えた長台石を使って、50センチ程の間隔をおき、外から中に19~23度ほど傾いて東側に飛び出す構造で作られている。貯蔵庫内の熱い空気を自然に外に排出し、内部の温度を冷たく維持するための工夫とみられるというのが調査団の説明だ。

 
 
益山の石築低温貯蔵庫遺跡の全景=全羅北道文化財研究院提供//ハンギョレ新聞社

 湿気を防ぐために割石と粘土を混ぜて均等に固めた床面からは、保管していたとみられる植物の実や果実、穀物の痕跡が現れた。マクワウリ、エゴマ、イチゴ、サルナシ、ブドウ、ヤマグワ、小麦、粟、小豆などの主要な果実や穀物類がそれぞれ検出されたと研究院側は明らかにした。文化財庁と研究院側は「緻密な設計により建築された当代最高の科学技術の集積体であり、現在の冷蔵庫のような機能を果たした王室施設である可能性が高い」として「百済王室文化を具体的に調べられる重要な遺跡」だと評価した。

 
 
遺跡から出た印章瓦。「午」の字と「止」の字が刻まれており「午止銘」の印章瓦と呼ぶ=全羅北道文化財研究院提供//ハンギョレ新聞社

 遺跡現場では2基の低温貯蔵庫の他にも、地上や地中に柱を立てたり打ち込んだりした古代掘立柱建物跡地3棟、鉤状遺構(溝)1基、朝鮮時代の瓦窯5基などが確認された。遺物としては、百済王宮里遺跡出土品のような石製硯片、有顎土器片、蓋片、雌雄瓦、印章瓦も出土し、専門家の目を惹いた。

ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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「互いに脅威とならない」とする08年の日中共同声明での確認など「日中両国政府に現に存在する一致点の中から、現状の前向きの打開にとって足掛かりになる大事な一致点に着目して光をあて・・

2023-03-31 14:26:22 | 中国を知ろう!

2023年3月31日(金)

日中両国関係の前向きの打開を

志位委員長が両国政府に提言

岸田首相と会談

 日本共産党の志位和夫委員長は30日、国会内で記者会見を行い、「日中両国関係の前向きの打開のために」と題する提言を発表しました。同日、志位委員長は、小池晃書記局長、田村智子政策委員長、穀田恵二国対委員長とともに国会内で岸田文雄首相と会談し、提言の内容を申し入れました。提言は、日中両国政府に宛てたものです。


写真

(写真)岸田文雄首相(右)に申し入れる(左へ)志位和夫委員長、小池晃書記局長、田村智子政策委員長、穀田恵二国対委員長=30日、国会内

 提言は、日中両国関係は双方にとって最も重要な2国間関係の一つである一方で、現在の両国間にはさまざまな紛争・緊張・対立が存在していることを「深く憂慮」していると指摘。「いかにして両国関係の前向きの打開をはかるか」と問いかけ、日中両国政府間には、三つの点で「平和と友好に向けた共通の土台」が存在することに着目し、それを生かした外交努力を図ることを提起しました。

 第1は、2008年の日中首脳会談で交わされた「『戦略的互恵関係』の包括的推進に関する日中共同声明」です。共同声明では、「双方は、互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」と確認しています。

 志位氏は「『互いに脅威とならない』という合意は今でも生きています。双方が、この合意に反する行動を取らず、合意を誠実に履行・具体化する努力が求められます」と語りました。

 第2は、尖閣諸島の問題についての合意です。14年に行われた「日中関係の改善に向けた話合い」では、4項目の合意を確認。その中で「双方は、尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有している」との認識を踏まえたうえで「対話と協議」を通じて問題解決を図ることを確認しています。

 志位氏は「双方が、緊張をエスカレートさせる対応を厳しく自制し、冷静な『対話と協議』を通じて解決する合意を具体化することが必要です」と強調しました。

 第3は、日本と中国の双方が参加する多国間の平和の枠組みにかかわる共通点です。両国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)が提唱するASEANインド太平洋構想(AOIP)を支持しています。

 志位氏は「日中両国政府は、ASEANと協力して、AOIPを共通の目標に据え、この方向を共同で推進していくための外交に本腰を入れて取り組むべきです」と語りました。

 志位氏は「日中両国政府の間には、三つの点で、平和と友好に向けた共通の土台が存在しています。そうであるならば共通の土台を改めて確認し、この共通の土台に立った外交努力によって、平和と友好の関係を確かなものにしていくことは、日中両国政府の共通の責任ではないでしょうか」と提起しました。

 志位氏の提案に対し、岸田首相は「『互いに脅威とならない』との合意は大事な原則であり、日本政府としても維持しています」と応じるとともに、「AOIPは日本政府としても支持しています。大事な考え方です」と述べました。

 その上で、提言について首相は「中国は大切な隣国であり、可能性とともに課題もあります。互いに国際社会に対して責任があります。主張すべきは主張し、対話に基づいて協力していくというのがわが国の方針です」「(提言は)日本にとって責任ある課題であり、ご指摘ありがとうございます。よく読ませていただいて、建設的で安定的な日中関係をつくるための外交に取り組んでいきたいと思います。今後とも提案をいただきたい」と応じました。

 志位氏は「歴史の積み重ねを踏まえて、日中間の関係を前向きに打開し、本当の平和と友好の関係をつくっていく外交にこそ力を入れるべきです」と重ねて強調しました。

 中国側には同日までに、中国大使館に提言を届けました。

受け入れ可能で、実効ある提言

 志位氏は岸田首相との会談の後、国会内で記者会見し、「提言」について「両国政府に受け入れ可能な提言にするとともに、現在の事態を前向きに打開するうえで実効性のある提言になるようにした」と語りました。

 志位氏は、質疑のなかで、岸田政権が閣議決定した「安全保障3文書」に対する立場や、中国に対する立場はすでに繰り返しのべており明確だとしつつ、「提言の中では私たちの立場を何もかも入れることはしていない」と指摘。「互いに脅威とならない」とする08年の日中共同声明での確認など「日中両国政府に現に存在する一致点の中から、現状の前向きの打開にとって足掛かりになる大事な一致点に着目して光をあて、それを生かした外交努力を訴えるものにした」と強調しました。

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全国の17市・道の教育監(教育長)の集まりである全国市道教育監協議会は、30日に発表した声明で、「怒りを禁じ得ない。歪曲された歴史的事実を直ちに是正することを強く要求する」と述べた。

2023-03-31 14:21:12 | 韓国を知ろう
 

「日本の歴史歪曲は対立を世襲する罪」…教育界からも反発強まる

登録:2023-03-31 03:43 修正:2023-03-31 06:42
 
 
30日、釜山東区の日本領事館前で釜山キョレハナ主催で行われた日本の小学校教科書歴史歪曲糾弾記者会見で、参加者たちが日本の歴史歪曲教科書を模した紙を破るパフォーマンスを繰り広げている/聯合ニュース

 日本の文部科学省が独島(トクト)領有権主張の強化、日帝強占期の朝鮮人強制徴用の強制性と違法性を薄めることを骨子とする小学校の社会科教科書の検定結果を発表したことに対し、韓国の教育界の反発が強まっている。

 全国の17市・道の教育監(教育長)の集まりである全国市道教育監協議会は、30日に発表した声明で、「怒りを禁じ得ない。歪曲された歴史的事実を直ちに是正することを強く要求する」と述べた。協議会は「(今回の検定結果では)日本の侵略性と加害者としての責任を薄めようとする意図がより露骨にあらわれている」とし「日本が独島を自分たちの領土だと主張するのは、まだ朝鮮半島を植民地支配していた迷夢から目覚めていないということ」と批判した。協議会は独島に対する領有権主張を撤回し、日帝強占期の朝鮮人徴兵の強制性を明確にするよう日本政府に要求した。

 教師団体も批判の声を強めた。全国教職員労働組合はこの日発表した論評で「日本の歴史歪曲は国家間外交の問題」だとし、「昨今の歴史歪曲は最も大きな権限を持つ現政権の無能さが自ら招いたもの」と述べ、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権に「屈辱外交」の責任を問うた。

 また、教師労働組合連盟は前日に発表した声明で「日本は自分たちの歴史をありのままに教えて反省し、後日二度と蛮行を犯さないようにしなければならない」とし、「日本の青少年のためにも歴史歪曲を直ちに中止せよ」と述べた。韓国教員団体総連合会(教総)も同日、文書で立場を表明し、その中で「日本政府の歴史歪曲は未来世代に誤った歴史認識を注入し、対立を世襲する罪を犯すもの」と批判した。教総は「日本政府は歴史について何度も謝罪したと主張しているが、(謝罪の)誠実さは歴史歪曲を中止し、正しい歴史を教えてこそ確認できる」と付け加えた。

イ・ユジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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「犠牲者の発掘が終わったら、韓国政府が公権力による国民の虐殺について謝罪すべきだ。また政府はここを保存し追悼と教育現場として活用することで、犠牲者と遺族の無念を晴らしてほしい」と語った。

2023-03-30 09:14:35 | 韓国を知ろう
 

手を縛られしゃがんだ姿で73年間土の中に…

朝鮮戦争民間人犠牲者の40柱の遺骨

登録:2023-03-29 06:28 修正:2023-03-29 11:51
 
牙山「左翼附逆」容疑の犠牲者の遺骨、初めて発掘 
軍と警察、道民証を発行するとして集めた後、数百人を虐殺
 
 
忠清南道牙山のソンジェ山にある旧防空壕で発掘された朝鮮戦争当時の附逆容疑犠牲者たちの遺骨=真実・和解のための過去事整理委員会提供//ハンギョレ新聞社

 「遺骨は手を縛られたまま倒れて白骨になりました」

 朝鮮戦争民間人犠牲者牙山(アサン)遺族会のメン・オクホ会長(75)は28日午前、忠清南道牙山市排芳邑公須里(コンスリ)のソンジェ山の旧防空壕で起きた「牙山附逆容疑犠牲事件」と関連した遺骨の発掘現場で「惨憺たる思い」という言葉を繰り返した。

 現場は、朝鮮戦争開戦初期の1950年10月から翌年1月の間に附逆者と疑われ犠牲になった人々が集団埋葬されたところで、「真実・和解のための過去事整理委員会」(真実和解委)が7日に開土祭を行い、この日まで1次発掘を行った。朝鮮戦争当時の附逆容疑の犠牲事件に対する国家レベルの遺骨発掘は今回が初めて。

 真実和解委はこの日、遺骨取り出しの前に発掘現場を公開し、73年前当時の集団虐殺の情況がそのまま残っている遺骨が少なくとも40柱、さらに遺品が発掘されたと発表した。遺骨は20~40代の男性たちで、幅3メートル、長さ14メートルの防空壕に沿って膝を曲げてしゃがんだ姿勢で発掘された。彼らの手は軍用電話線で縛られており、虐殺道具とみられるA1小銃の弾皮57本と弾頭3本、カービン銃の弾皮15本、日本の99式小銃の弾皮なども発見された。発掘団はボタンやベルト、靴39足など犠牲者の遺品も回収した。

 
 
忠清南道牙山のソンジェ山にある旧防空壕で発掘された朝鮮戦争当時の附逆容疑犠牲者たちの遺骨=真実・和解のための過去事整理委員会提供//ハンギョレ新聞社
 
 
忠清南道牙山のソンジェ山にある旧防空壕で、朝鮮戦争当時の附逆容疑の犠牲者と推定される遺骨が重なった状態で発掘された=真実・和解のための過去事整理委員会提供//ハンギョレ新聞社

 発掘を担当した忠北大学のパク・ソンジュ名誉教授は、「ここの犠牲者たちは靴を履いており、ボタンの真ん中に大学の文字があるなど、高学歴、幹部級の人物たちと推定される。乱射したのか、遺骨は約40柱なのに弾皮がかなり多い」と説明した。

 パク名誉教授は「来月までに発掘した遺骨を取り出し、人類学的鑑識を通じて年齢や性別、身体特徴、死亡原因などを究明して附逆容疑者の犠牲事件との関連性を明らかにし、また別の牙山附逆容疑者犠牲事件の埋葬地として知られている塩峙邑白岩里(ペクアムリ)セジギで遺骨発掘を続ける計画だ」と話した。

 今回の発掘は、牙山市と牙山遺族会が昨年5月にここで試掘を行い、成人の大腿骨などの遺骨の一部と弾皮などを発掘し、真実和解委に遺骨の発掘を要請したことによるものだ。真実和解委は目撃者や関係者などを調査し、1950年10月4日に温陽(オニャン)警察署が正常化した後、軍と警察、右翼団体が左翼附逆容疑の関係者と家族など40~50人をソンジェ山と温陽川あたりで夜ごと虐殺し、1・4後退(中国共産軍の攻勢により韓国軍と国連軍がソウルから撤退した事件)時期の1951年1月にも、道民証を発行するとして左翼附逆容疑の関係者と家族を集め、数百人を集団虐殺したと明らかにした。

 
 
忠清南道牙山のソンジェ山にある旧防空壕で発掘された附逆容疑の犠牲者の遺骨。軍用通信線で手を縛られており、遺骨周辺から虐殺の道具と推定される小銃の弾皮も発見された=真実・和解のための過去事整理委員会提供//ハンギョレ新聞社

 しかし牙山遺族会は、ここで成人男性の遺骨約40柱だけが発見された点を挙げ、追加発掘を行い、高齢者や女性、青少年、子どもなど数百人が埋葬された場所も探さなければならないと主張している。メン・オクホ会長は「犠牲者の発掘が終わったら、韓国政府が公権力による国民の虐殺について謝罪すべきだ。また政府はここを保存し追悼と教育現場として活用することで、犠牲者と遺族の無念を晴らしてほしい」と語った。

 発掘機関である韓国先史文化研究院のウ・ジョンユン院長も「遺族会の主張は情況上信頼度が高く、真実和解委の調査結果にも合致する」と述べた。これに対して真実和解委のイ・フンギ対外協力担当官は「防空壕の長さが1キロメートル程度だったというが、開発などで多く損なわれた。今回の発掘は残った防空壕の4分の1程度で行われたもの」だとし、「成人男性の遺骨だけが確認され、追加発掘が必要とみられるため、方法を模索している」と語った。

ソン・インゴル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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「(日本は)自分たちが過ちを犯した時代、帝国主義時代のことに関する問題が大学入試で出題されないため、ほとんどの学生がそこまで勉強をしない」とし、

2023-03-29 07:33:19 | 韓国文化
 

強制動員謝罪、

日本人は一度「ごめんなさい」と言えば終わり?

登録:2023-03-28 06:18 修正:2023-03-28 07:10
 
外交部高官「大学入試でも出題されず、学生も勉強しない」 
ユン・ドクミン大使「韓日、意見が98%一致…首脳会談で正常化」
 
 
在外公館長会議に出席するため帰国したユン・ドクミン駐日大使が27日午後、ソウル鍾路区の外交部で開かれた記者懇談会に出席し、韓日関係について発言している/聯合ニュース

 ユン・ドクミン駐日大使が27日、「韓日は歴史問題をめぐりこれまで対立してきたが、戦略的な利益関係はほぼ一致する」と述べた。

 ユン大使は同日、ソウル鍾路区(チョンノグ)の外交部庁舎で記者会見を開き、「国連で賛否を問う決議案が多いが、韓日(の意見)が一致するケースが98%だ」として、このように述べた。さらに「そのような韓日関係を、悪化した状態、摩擦関係のまま放置するのは望ましいことではないと思う」とし、「今回の首脳会談を機に韓日関係が正常化する一つのきっかけが作られた」と述べた。

 ユン大使は、強制動員問題に対する韓国政府の解決策である「第三者弁済」について、「1965年の韓日請求権協定と2018年の韓国最高裁(大法院)判決が相互矛盾することを韓国政府が尊重しつつ、解決策を模索しなければならなかった」として、「苦肉の策だと思う」と語った。また、岸田文雄首相が16日の韓日首脳会談後の記者会見で、「歴史認識に関しては歴代内閣の立場を引き継ぐ」と再確認したことについては、「(岸田首相が)金大中(キム・デジュン)-小渕宣言(韓日パートナーシップ宣言)の内容そのものを引用したわけではないが、全体として談話を継承すると述べたことで、韓日関係がそれ(金大中-小渕宣言)が守られなかった関係から守られる関係へと再び復元されたものと考えた」と評価した。

 ユン大使の冒頭発言後に行われた質疑応答で、外交部高官は「日本の歴史認識は後退し続けている」という指摘に対し、「日本の国民性は韓国とは少し違うようだ」と述べた。同高官は「私たちは過ちを犯した人は反省し続けなければならないという考えがあるが、日本には違う文化がある」とし「『ごめんなさい』と謝れば、『水に流す』という。一度謝れば、その後は(謝罪を)繰り返さない文化があるという話をよく聞く」と説明した。

 同高官はさらに「(日本は)自分たちが過ちを犯した時代、帝国主義時代のことに関する問題が大学入試で出題されないため、ほとんどの学生がそこまで勉強をしない」とし、「そのため、(戦後)1世代は自分たちのしたことがあるため、韓国に対するコンプレックスがあり、一定部分は過去について反省しているが、2世代と3世代になってからはそのような意識がなくなったようだ」と述べた。

シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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