韓国の市民たちは公の役割を引き続き主張し、政府もそれを受け入れているようだ。このような違いは韓国社会のどのような特性から生まれたのか」

2022-01-31 17:57:21 | 国民の暮らし向上最優先!
 

[寄稿]日本と韓国、欧州の「自助・共助・公助」

登録:2022-01-28 08:27 修正:2022-01-31 07:06
 
ソ・ボクキョン|「ザ・可能研究所」代表

 数日前、日本で活動するあるジャーナリストから質問を受けた。「コロナ・パンデミックの中、日本では首相が自助-共助-公助を標榜し、公の役割が最下位に押し出されたのに、韓国の市民たちは公の役割を引き続き主張し、政府もそれを受け入れているようだ。このような違いは韓国社会のどのような特性から生まれたのか」

 彼が言及した日本の首相とは、安倍政権で約8年間、内閣官房長官を務め、2020年9月から約1年間首相を務めた菅義偉前首相だ。彼は就任後の第一声で、「まずは自分でやってみる(自助)。そして家族、地域でお互いに助け合う(共助)。その上で政府がセーフティーネットでお守りをする(公助)。こうした国民から信頼される政府を目指していきたい」と述べた。当時、立憲民主党など日本の野党は、「政府責任を放棄し、パンデミックでの生存を完全に個人に押し付ける新自由主義的発想」だと批判した。

 そもそも、日本において「共助」という言葉は市民社会の協同と連帯という意味で幅広く使われてきた。ところが1980年代、日本社会の高齢化が本格化するにつれ、福祉負担の縮小もやむを得ないと考える人たちが、個人と家族の「自助」が重要だと主張し始めた。1994年に厚生労働省が出した政策文書で、前記の「三助の適切な組み合わせ」という表現が登場した。当時は「適切な組み合わせ」に優先順位があるわけではなかったが、2001年に発足した小泉政権と第1次安倍政権を経て、自助優先という主張が日本政府の政策基調となった。2010年、日本自民党は新綱領を発表したが、「 自助自立する個人を尊重し、その条件を整えるとともに、共助・公助する仕組を充実する」と明示し、自助優先原則を公式化した。このような流れの中で菅首相の政策基調が現れたのだ。

 新型コロナウイルス感染症の検査費用を全額公共財政で賄う韓国と、基本的に個人が負担する日本の姿は対比を成している。現在の日本社会に比べ、無料検査を政府の防疫政策の基本としている韓国市民社会の特性が気になったのかもしれない。ところが、果たして韓国市民社会は十分強いのだろうか。

 昨年末の国際通貨基金(IMF)の発表によると、先進35カ国の政府債務の平均比率は121.6%で、韓国の政府債務はその半分にも満たない51.3%だった。先進国政府はかつてない借金をして家計の負担を軽減したが、韓国はその反対の途を歩んだ。そのため、政府債務状況が良好な代わり、家計債務が急増した。各自図生、菅首相流に言うと「自助優先」の社会に他ならない。

 コロナ禍と対面する同時間帯の別のモデルは欧州だ。2021年11月から欧州議会は欧州連合全国家を対象に「公正な最低賃金」に向けた議論を本格化した。「公正な最低賃金」とは、2017年に欧州連合理事会や執行委員会、欧州議会が共同で採択した「欧州における社会権の柱」(European Pillar of Social Rights)に基づくもので、最低限の生計を保障するのではなく、「尊厳を守る生活が可能な水準の賃金」が必要であるという問題意識から出発する。欧州における社会権の柱は「公正でうまく作動する労働市場」を目標に、欧州連合各国の政府が保障しなければならない市民の社会的権利を20原則として明示した。2021年5月には欧州連合の首脳が集まり、気候危機、パンデミック、人口減少、産業構造のデジタル化がもたらす危機に対抗して同原則の履行を強制する「行動計画」を採択した。

 大転換の危機に対応する欧州連合の目標を一言でいうと「強い社会的欧州」だ。政府が制度と財政に急変する労働市場内の市民的権利を強化し、新しい労働市場の規範を確立して、変化した労働市場に合わせた福祉システムを構築することで、市民自ら危機を機会として作り出せる強い社会的インフラを構築することだ。日本流で言うと、公助が後回しにされた共助ではなく、政府と政治が変化する市場に相応しい新しい社会的連帯を構築する主体になることを意味する。

 社会は自然に強くならない。変化を求める市民とこれを制度や事業、財政に変換できる政治が共鳴してこそ強くなれる。韓国社会はどこに向かうのか。

 
//ハンギョレ新聞社
ソ・ボクキョン|ザ・可能研究所(The Possibility Lab)代表(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1029117.html韓国語原文入力: 2022-01-28 02:32
訳H.J
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デルタ株などに感染して完治したとしても、再びオミクロン株に感染する可能性があり、再感染率もデルタ株の16倍に達することが分かった。

2022-01-30 09:33:32 | 韓国・コロナ対策

韓国疾病庁「オミクロンの再感染率、

デルタの16倍…症状は鼻水・頭痛・倦怠感」

登録:2022-01-28 05:54 修正:2022-01-28 07:38
 
27日、疾病庁「新型コロナ定例ブリーフィング」 
デルタ株に比べて再感染率は高いとみられる
 
 
チョン・ウンギョン疾病管理庁長が今月27日午後、忠清北道清州市疾病管理庁で開かれた新型コロナウイルスのオミクロン変異株の特性への対応策などに関するブリーフィングで、専門家らと共に質問に答えている/聯合ニュース

 新型コロナウイルスの変異ウイルス「オミクロン」が韓国国内でも優勢種化し、感染者数が急増する中、デルタ株などに感染して完治したとしても、再びオミクロン株に感染する可能性があり、再感染率もデルタ株の16倍に達することが分かった。主な症状としては高熱よりも鼻水や頭痛、倦怠感などが挙げられた。

 疾病管理庁は27日午後、感染症専門家が出席した中で「新型コロナ定例ブリーフィング」を開き、オミクロン株などと関連して国民の疑問に答えた。専門家らは、オミクロン株がデルタ株に比べて症状が軽く、症状の持続時間も短いが、再感染率は高いと説明した。

 同ブリーフィングの席に出席した国立中央医療院のキム・ミンギョン感染内科教授は「免疫回避が起きるとみている」とし、「他の変異株の感染者がオミクロン株に再感染する可能性がある」と説明した。キム教授は「海外の事例を見ると(オミクロン株への)再感染率がもっと高い」とし、「オミクロン株(の変異率)があまりにも高く、免疫体系が記憶できず、新しいウイルスと認識するため」と説明した。キム教授は、「最近の英国のデータを参考にすると、デルタ株の流行時期より、オミクロン株の流行時期の再感染率が16倍も高い」という数値も加えた。

 専門家らは、感染力がデルタ株より2倍以上高く、再感染率も高いオミクロン株の特性を踏まえ、今後2カ月間、感染者が大幅に増えるものと見込んでいる。嘉泉大学医学部予防医学科のチョン・ジェフン教授は「今後5~8週までは増加する可能性があり、増加率は非常に高い」とし、「今週は先週より100%近く感染者が増加したが、このスピードが続くとみている」と述べた。チョン教授は「重症者が増加するスピードはデルタ株より遅いが、流行のピーク時には重症者への対応においても、これまでの準備体制の限界が試される状況まで進む可能性もある」と述べた。

 キム教授はオミクロン株の感染者が自覚できる最も多い症状として「鼻水や頭痛、倦怠感、くしゃみ、のどの痛み」を挙げた。キム教授は「オミクロン株の主な症状自体はデルタ株と大きく変わらないが、症状がもっと軽く、持続期間も短く、発熱も短期間で終わる」と説明した。

 症状が軽いだけに重症化率と致命率は低い。キム教授は「オミクロン株は重症度の面では確かに以前のデルタ株に比べて低いとみられる」と説明した。また、「韓国より先に流行を経験した南アフリカ共和国や英国などのデータを見た時、入院率が少なく、3分の1から5分の1程度低い」と説明した。最近、疾病庁から出た国内の致命率データも、デルタ株に比べ、5分の1水準と報告されていると付け加えた。キム教授は「12月初めから1月20日まで75人程度のオミクロン株の患者が国立中央医療院に入院したが、ほとんどが症状が軽く、発熱の持続期間と高熱症状(の比率)が低かった」と説明した。肺炎で酸素治療が必要なケースは一人もいなかったという。季節性インフルエンザに比べ、「伝播力はもう少し強く、重症度はもう少し高いと判断される」と付け加えた。

 乳幼児にとってもオミクロン株が特に危険ではないものとみられる。キム教授は「海外で乳幼児の入院率が大きく増加していると報道されてはいるが、乳幼児が特にオミクロン株に脆弱だったり、危険なわけではない」とし、「乳幼児はワクチン接種の対象ではないため、こうした部分が感染者の急増に影響を及ぼしたと思われる」と述べた。

チャン・ヒョヌン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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一刻の猶予もない気候危機打開へ全力を挙げます。大企業言いなりで石炭火力発電や原発に依存する政府を鋭く追及します。

2022-01-29 15:17:29 | 温暖化現象が原因、脱炭素目指して

挑む 2022参院比例予定候補

たけだ良介さん(42)=現= 

活動地域=北陸信越・東海

気候危機打開 未来守る

写真

(写真)宣伝で訴える、たけだ議員=3日、愛知県豊川市

 温暖化の影響で大規模・頻発化する災害現場に急行し、被災者本位の支援、安心・安全の地域づくりに力を尽くしています。めざすのは「気候危機に本気の政治」です。

 千曲川が決壊した台風19号災害では、ダム建設を優先し堤防強化を怠ってきた国の治水対策を告発。闇に葬られていた強化技術での堤防再建を実現させました。被災した住民(70)は「何度も調査に来て堤防強化につなげてくれ、心強かった」。

 一刻の猶予もない気候危機打開へ全力を挙げます。大企業言いなりで石炭火力発電や原発に依存する政府を鋭く追及します。

 石炭火発の数を政府が独自に把握していないという驚きの事実を明らかにし、「しっかり把握したい」と答弁させました。小泉進次郎環境相(当時)には、地元の石炭火発の新増設をやめるよう追及。経産省の顔色をうかがってまともに答えない情けない担当大臣の姿を浮き彫りにしました。

 初質問から水枯れや生態系破壊が懸念されるリニア中央新幹線工事の中止を訴え。原発事故の反省もなく再稼働に突き進む自公政権と電力会社と対峙(たいじ)します。

 コロナ禍では、経営が逼迫(ひっぱく)する事業者や、収入が途絶え学業が続けられない若者の声を国会で代弁。「命綱」となる政策をつなぎ留めてきました。

 休業計画が立てにくく雇用調整助成金の申請が滞っていた宿泊業者の問題では、事業者から「質疑翌日から使えるようになった」と喜びの声が。学生支援緊急給付金の厳しすぎる要件では、機械的に当てはめるわけではないと政府に認めさせ、学生や保護者から「助かった」の声が寄せられました。

 現場でつかんだ事実と要求を緻密な質問で、希望つなぐ支援策へと改善を積み重ねます。

 教員をめざしていたこともあり、子どもが大好きで「子どもの未来を守りたい」との思いが活動の原点。小学生3人の父親でもあります。「自己責任を乗り越えて憲法が生かされる政治めざし、なんとしても再選を勝ち取りたい」

 長野県生まれ。信州大学卒。参院議員1期。党中央委員。

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総選挙の野党共闘は画期的でした。絶対にやめてはいけない。憲法を守る政治か、憲法を壊す政治か、対立軸は明確です。共産党以外の野党に「赤旗」のような報道機関はありません。

2022-01-28 14:44:02 | 真の解決目指して

「赤旗」創刊94周年(22.2.1)に寄せて

「真実突き止める」に信頼

元文部科学事務次官 前川喜平さん

写真

 中央省庁の官僚は「しんぶん赤旗」を非常に注意深く読んでいます。ちゃんと事実に基づいて報じられていますから。「赤旗」に新しい指摘が出ていると、役所の側も「これは調べなければまずいぞ」となるわけですね。気を付けておかないとすぐ翌日の国会で追及されますし(笑)。私は「赤旗」の事実に即した正確な報道というのを評価しています。

 いま新聞など大手メディアは「中立」を装っています。それは幻想です。実際、各新聞は社説で同じ事柄を取り上げても書く内容が全然違う。絶対的な「中立」なんて存在しないのです。

 中立性を意識するあまり、本当のことを言っている人と、うそをついている人を、同列に並べて報じるということが起きています。これはジャーナリズムではない。洋の東西を問わず平気でうそをつく政治家はたくさんいます。何が真実であるか突き止めるのがジャーナリズムです。その点で「赤旗」は真実を突き止めるということを一生懸命、地道にやっています。だからこそ信頼性があります。

 総選挙の野党共闘は画期的でした。絶対にやめてはいけない。憲法を守る政治か、憲法を壊す政治か、対立軸は明確です。共産党以外の野党に「赤旗」のような報道機関はありません。立憲野党による共闘のベースになるファクトをちゃんと集めておく役割は「赤旗」しかない。野党共闘を進めるうえでも非常に大事な役割を果たしています。

 (聞き手 三浦誠)

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 穀田 集団的自衛権の行使として、敵基地攻撃を行うのか。  首相 具体的な議論をこれから始める。今の時点で申し上げることはできない。

2022-01-27 10:43:33 | 世界平和を実現するために

論戦ハイライト

「殲滅能力」持つのか

「敵基地攻撃」穀田議員が追及

 日本共産党の穀田恵二議員は26日の衆院予算委員会で敵基地攻撃能力の保有検討についてただし、岸田文雄首相が敵基地に限定せず「抑止力」として相手を殲滅(せんめつ)するような打撃力を持つ考えに言及していることを厳しく批判しました。


図

(写真)岸田氏が昨年3月、ツイッター上で公表した提言

 穀田氏は、相手を「殲滅する」能力である「打撃力」こそ「抑止力」だという安倍晋三元首相の議論を拒否するのか否かについて、岸田首相の明確な答弁を迫りました。首相は「コメントすることは控える」と拒否。穀田氏は、岸田首相が昨年3月のツイッターで安全保障上の喫緊の課題として「敵のミサイル発射能力そのものを直接打撃し、減衰させることができる能力を保有することが必要」と提言したと指摘し、「安倍元首相が主張する『打撃力』の議論と何が違うのか」とただしました。

 「あらゆる選択肢を排除せず、議論していく」と述べるだけで、まともに答えない岸田首相。穀田氏は「戦争放棄をうたった憲法とは絶対に相いれない」と批判しました。

 岸田首相が24日の衆院予算委で、安倍政権時代に集団的自衛権の行使を容認した新「武力行使の3要件」を確認したとして「武力行使については、その原則に基づいて対応すべき」と説明したことについて、「新3要件を満たせば集団的自衛権の行使として敵基地攻撃を行うということか」と迫りました。

穀田「自衛隊が米国と共に他国に攻撃可能に」

首相「具体的議論これから」

写真

(写真)岸田首相らに質問する穀田恵二議員(左)=26日、衆院予算委

 さらに穀田氏は、安倍元首相が「台湾有事」に関連して、米国への攻撃があれば集団的自衛権の行使もできる可能性に言及したと指摘。「安保法制のもとで、自衛隊が米軍とともに他国の領域にまで攻め込んで攻撃できるようになるのではないか」と追及しました。

 首相 国家安全保障戦略のなかで、具体的に考えていく。

 穀田 集団的自衛権の行使として、敵基地攻撃を行うのか。

 首相 具体的な議論をこれから始める。今の時点で申し上げることはできない。

 穀田 日本が攻撃を受けていないのにアメリカを守るため、他国への攻撃が可能になる。

穀田「沖縄戦悲劇繰り返す」

首相「答えは控える」

 今月7日に行われた「2プラス2」(日米安全保障協議委員会)共同発表は、新たな「緊急事態に関する共同計画」の策定作業の進展に言及しました。

 穀田氏は、沖縄県の地元紙が、自衛隊と米軍が「台湾有事」を想定し、南西諸島に攻撃用の軍事拠点を置く新たな日米共同作戦計画の原案を策定したと報じたことを紹介。軍事拠点化の可能性があるのは約40カ所で大半が有人島。陸上自衛隊がミサイル部隊を配備している奄美大島、宮古島や配備予定の石垣島も含まれ、「住民が戦闘に巻き込まれる可能性が高い」と指摘されていることをあげ、計画の有無を問いました。

 首相 答えは差し控える。

 穀田 まさに、日本の島々を米国と中国の戦争拠点にするということではないか。拠点となった島は人々が生活する島だ。まさに沖縄戦の悲劇を繰り返すことになりかねない。政府は「国民の命を守る」といいながら、住民の命をないがしろにする計画づくりが秘密裏に進められているのは大問題だ。

 穀田氏は、国民へ計画の内容を明らかにすることが政府の責任だと批判。中国による東シナ海や南シナ海での覇権主義の行動に対しては、国連憲章と国際法に基づいた冷静な外交的批判が何より大切だと指摘し、憲法9条を生かした平和外交に徹することを強く求めました。

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