韓国は「安保上信じられない国」という理由を挙げて輸出規制を施行した日本の不当な措置が撤回されない限り、この決定を覆すことはできない

2019-11-08 08:46:59 | アメリカの対応
米国、GSOMIA「終了延期」を代案として推進
登録:2019-11-08 02:49 修正:2019-11-08 08:07

終了期限迫るのを受け、「解決策が見つかるまで先送りしよう」 
訪韓したスティルウェル次官補、キム2次長と多様な案を議論したもよう 
外交筋「韓日さえ合意すれば可能」

          

デビッド・スティルウェル米国務省東アジア太平洋担当次官補が今月6日午前、ソウル鍾路区のソウル外交部で韓国外交・安保当局者たちと面会し、GSOMIAなど懸案を協議した後、庁舎を出て取材陣の質問に答えている/聯合ニュース

 韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了を控え、両国が解決策を見出すまで終了日を延ばす案が、代案の一つとして検討されていることが分かった。

 韓国政府は8月23日、GSOMIAの終了決定を盛り込んだ公文を日本に伝達しており、これから90日になる11月23日0時にGSOMIAは公式に終了する予定だ。米国は韓国のGSOMIA終了決定が「韓米日3角安保協力」を揺さぶるとし、決定の見直しに向けて圧力をかけている。

 しかし、韓国は「安保上信じられない国」という理由を挙げて輸出規制を施行した日本の不当な措置が撤回されない限り、この決定を覆すことはできないという原則を強調している。日本は、韓国最高裁判所(大法院)の強制徴用賠償判決に対して、韓国が解決策を提示しなければならないと主張している。GSOMIAの終了まで、今後半月以内に鋭く対立する両者の主張が接点を見出す可能性は非常に低い状況だ。

 こうした状況で、米国は解決策を見出すまでいったんGSOMIAの終了日を延期してGSOMIA協定そのものは維持するという代案を提示し、韓日と水面下の調整を図っているという。米国のインド太平洋戦略、中国牽制政策において、韓米日3角軍事協力のために情報を交換する枠組みであるGSOMIAの維持がそれだけ重要だと見ているからだ。歴史や経済、安保問題が複雑に絡み合った韓日関係から、協定が一旦終了すれば、再び締結するのは非常に難しいと判断しているものとみられる。

 訪韓したデビッド・スティルウェル米国務省東アジア太平洋次官補が6日午前、キム・ヒョンジョン大統領府国家安保室2次長と70分間にわたり面会し、GSOMIA問題についても具体的な議論を行ったと大統領府が明らかにしたが、この時「終了の延期」を含めて様々な案が協議されたものとみられる。外交消息筋は7日「理論的に見れば、協定終了を通知しても、双方が同意すれば再延長や終了の延期は可能だ」とし、「韓日両国が終了日を延期するという内容の合意文を作るだけで済む」と述べた。

 米国はこのような形を通じてでも、ひとまずGSOMIAの終了を阻止するために奔走しているように見えるが、日本の輸出規制に変化がない限り、韓国にとってはGSOMIAの終了決定を覆す方向で動く名分がない。
パク・ミンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医療保険(健康保険)の恩恵を受けることができず、病院に行くことは考えられない。診療費が負担になるからだ。

2019-11-08 04:23:15 | いったいどうしていたのか?
具合の悪い子どもがむずかっても…
未登録移住者の児童の52%が病院に行けず

登録:2019-11-07 10:26 修正:2019-11-08 01:33

[京畿道地域の不法滞在者340人を調査] 
 
韓国で生活するが出生申告は不可能 
法律が改正され、学校には行けるが 
病院の敷居は依然として高いという現実 
 
回答者の52%が「病院に連れて行けない」 
未充足医療率、国内児童の10倍 
人権支援センター「健康権を保障すべき」

          

未登録移住児童の健康権実態調査=資料:京畿道外国人人権支援センター//ハンギョレ新聞社

 「病院に行かなきゃ」と子どもは言った。母親はそんな子どもに「待ってみよう」という言葉ばかり繰り返した。熱が上がった子どもはまた「病院に行こう」と催促したが、母親は首を振った。「とてもつらい? 病院、必要ない」と子どもをなだめるばかりだった。ペルーから来た母親は不法滞在者の身分だ。医療保険(健康保険)の恩恵を受けることができず、病院に行くことは考えられない。診療費が負担になるからだ。

 不法滞在者の身分のベトナム人の親を持つ別の子どもは、虫歯が9つもあるが歯科に行ったことがない。「お金がたくさんかかるから」と父親は言った。「大きい病院で検診を受けさせたいが、保険がないので行けません」

 これらの子どもは「未登録移住児童」だ。親が不法滞在者で出生申告が不可能。どこにも記録されていないため、医療保険の恩恵が受けられない。韓国で生まれ韓国で暮らしているが、出生登録ができず、なんの痕跡もなく暮らしている人たちだ。2010年の初・中等教育法施行令の改正で小学校と中学校には入学できるが、依然として具合が悪くても病院に行けない子どもが多い。

 6日、ハンギョレが確保した京畿道外国人人権支援センターの「2019京畿道未登録移住児童の健康権支援に向けた実態調査」最終報告書によると、京畿道の未登録移住児童(満18歳以下)をもつ親は、2組のうち1組が子どもが具合が悪くても病院に連れて行けないことが分かった。「子どもが病気になっても病院に連れて行けなかった経験があるか」という質問に対し、全回答者340人のうち52.1%(177人)が「はい」と答えた。病気になっても病院・医院に行けなかった人の割合である「未充足医療率」が52.1%だということだ。これは、2016年に発表された政府の第7期国民健康栄養調査で明らかになった国内の満12~18歳の児童の未充足医療率5.6%に比べ、10倍近く高い水準だ。病気になっても病院に行けない国内の児童は100人のうち5人の割合だが、未登録移住児童は100人のうち52人に達するわけだ。歯が痛いと訴えた子どもをもつ保護者123人のうち40.7%(50人)も「子どもを病院に連れて行けなかった」と答えた。

 子どもを病院に連れて行けなかった理由を問う項目(重複回答)には、回答者の39.3%が「病院費が高いため」を挙げており、「病院に(子どもを)連れていく人がいないため」という回答が18.2%で続いた。

 人権支援センターは最近1年間、京畿道の不法滞在者340人を面接し実態調査を行った。地方自治体が未登録移住児童の健康権に対する実態調査をこのように大規模に行ったのはかなり異例のことだ。

 「コリアンドリーム」を夢見て韓国を訪れた親は不法滞在者というレッテルを貼られたまま暮らしており、彼らの子どもはまともな医療の恩恵を受けられずにいる状況で、せめて児童だけでも保健医療サービスを支援すべきだという声が出ている。人権支援センターは報告書で「義務教育である小・中学校で生徒の在留資格と関係なく教育を受ける権利を保障し、学校安全共済会の支援対象に含め支援する事例を参考にして、未登録移住児童に国籍や在留資格を与える過程なしに、自主的に彼らを保健医療行政サービスに包摂する方策の検討が必要だ」と明らかにした。

 もちろん反論も根強い。「子どもの健康権を保障すれば不法滞在者を量産することになる」という声が代表的だ。しかし、これに対し「『生存権的基本権』としてすべての児童の健康権を規定した国連児童権利条約以降、欧州など世界的に未登録滞在者とその家族(特に妊婦と児童)に国民(あるいは市民)に準ずる健康権を保障する傾向が広がっている」という指摘も強く提起されている。イ・タクコン弁護士は「米国カリフォルニアでは『健康権は基本権として皆に保障されなければならない』という『なすべき』だからということだけでなく、究極的に公共保健予算の負担を軽減し、移住児童らが健康に成長してこそ労働市場に正常に進入できるという点を挙げ、未登録滞在者にも医療サービスを提供している」とし、「韓国もすでに200万人を超える移住民が共に暮らしている社会という現実を考慮すると、これらの児童に対する適切な医療サービスの提供は『なすべきこと』である以上に政策的にも理にかなっている」と話した。
ホン・ヨンドク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする