中東でイスラエルとイランの衝突が日増しに深刻化しつつあることで、米大統領選挙では珍しく外交政策が注目されている。

2024-10-03 20:54:13 | 世界平和を実現するために
 

イスラエルばかりに肩入れ…

米民主党にとって大統領選挙の悪材料となった中東

登録:2024-10-03 08:12 修正:2024-10-03 09:16
 
 
ホワイトハウスは1日(現地時間)、ハリス副大統領がバイデン大統領とともにホワイトハウスでイランのミサイル攻撃と米国の対応をモニタリングしている様子を公開した=ホワイトハウスのインスタグラムをキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 中東でイスラエルとイランの衝突が日増しに深刻化しつつあることで、米大統領選挙では珍しく外交政策が注目されている。イスラエルのネタニヤフ首相と完全に歩調を合わせる共和党とは異なり、イスラエルを支持しつつも批判的な有権者の顔色をうかかがわなければならない民主党は、難しいかじ取りを迫られている。このような状況にあって、中東危機の高まりは民主党にとって悪材料になると評価される。

 ホワイトハウスは1日(現地時間)、ハリス副大統領がバイデン大統領とともにホワイトハウス内でイランのミサイル攻撃と米国の対応をモニタリングする様子を公開した。国家安保を扱える候補であることをアピールするための布石とみられる。

 その後、ハリス副大統領は記者会見を行い、イスラエルの安全保障に対する確固たる支持を約束した。大規模な民間人の被害を伴ったイスラエル軍のハマスやヒズボラに対する攻撃の際とは異なり、イランがイスラエルを攻撃したということで、断固たる外交行動を取れたとみられる。

 しかし、基本的に中東危機の高まりは民主党にとっては悪材料だ。バイデン政権は昨年10月のハマスのイスラエルに対する攻撃以降、一貫してイスラエルを支持してきたが、ガザ地区で多くの民間人が犠牲になってからは、民主党内の進歩派、ムスリム、若い有権者から激しく非難されてきた。

 その後、バイデン大統領はイスラエルのガザ地区攻撃を穏健に批判し、ハリス副大統領も候補になってからは同情的な口調だ。だが、「イスラエルを支援しつつ、同時にイスラエルの攻撃による民間人の被害を防ぐ」という矛盾した態度の限界は明らかだ。

 民主党には、激戦州のアラブ系米国人を振り向かせる大義名分が必要だった。それが休戦協定だ。ハリス副大統領は、11月の大統領選の前にガザ地区での休戦協定が締結され、アラブ系米国人の怒りがおさまることを期待した。しかし、中東情勢の悪化で可能性は次第に薄れつつある。これも民主党にとって悪材料だ。

 トランプ前大統領は批判していれば済む立場だ。イランのミサイル攻撃についても、トゥルース・ソーシャルのアカウントに「この戦争は完全に防止できた。絶対に起きてはならなかった。私が大統領だったなら起きていなかっただろう」と記している。

 この日行われた副大統領候補同士のテレビ討論会でも、共和党候補のバンス上院議員は中東紛争について、「トランプは効果的な抑止力によって安定をもたらした」と援護した。一方、民主党候補であるミネソタ州のウォルズ知事は、トランプ前大統領は在任中にイランとの核合意から脱退したとして、「気まぐれなリーダーシップのせいでイランは以前より核兵器(保有)に近づいている」と批判した。

キム・ウォンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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 著者は各時期ごとに事実にもとづいてドライに叙述しているが、その事実に従っていくと国民全体がこのように異常なまでに戦争に没入しうるのかという衝撃が押し寄せてくる。

2024-08-31 16:53:26 | 世界平和を実現するために
 

【レビュー】

「帝国日本」の国民はなぜ戦争を熱烈に支持したのか

登録:2024-08-30 09:16 修正:2024-08-31 08:15

 

『帝国日本のプロパガンダ―日本はどうして絶えず戦争を繰り返せたのか』 
貴志俊彦著、チョン・ムンジュ訳、チョ・ミョンチョル監修|タカース|2万2000ウォン
  

1894年の日清戦争から1945年の太平洋戦争まで 
「帝国日本」、視覚メディアを利用して戦争熱あおる
 
 
1944年に児童向けに制作された絵本『ダイトウアキョウドウセンゲン』。連合国に対抗するための国防強化策として、帝国日本は「大東亜共栄圏」という構想を流布した。同書の出版元は大日本雄弁会講談社=タカース提供//ハンギョレ新聞社

 東アジアは19世紀末から20世紀まで激動期だった。特に、1854年に米国と和親条約を結び、西洋と本格的に交流を開始した日本は、西欧式の近代化を追求しつつ急激な変化を遂げる。この時期、日本は明治維新を通じて西欧化を追求するが、単に西欧の文物と制度を導入するだけでなく、天皇制を復活させるなど、日本独自の特殊なかたちで近代化を構築していった。日本はまた、この時期に「日本は韓国、満州、東南アジアなどを占領すべきだ」という軍国主義論理で武装し、他国を絶えず侵略して領土拡張を図った。

 『帝国日本のプロパガンダ』(原書は『帝国日本のプロパガンダー「戦争熱」を煽った宣伝と報道』中央公論新社)は、1894年の日清戦争で始まり、1945年の太平洋戦争の敗北で終わった「帝国日本」に注目する。この時期、日本は1894年の日清戦争、1904年の日露戦争、1914年の第1次世界大戦、1931年の満州事変、1937年の日中戦争、1941年の太平洋戦争と、ほぼ10年に1度の割合で戦争を繰り広げた。本書の監修を務めたチョ・ミョンチョル元日本史学会会長(高麗大学名誉教授)は、「日本が絶えず戦争を繰り返せた背景には戦争好きの指導層がいたが、それに劣らず過度な軍事費予算を快く容認し、戦争を熱烈に支持した世論も欠くことができなかった」と指摘する。では、当時の日本国民はなぜそのように戦争を熱烈に支持したのだろうか。

 
 
『帝国日本のプロパガンダ―日本はどうして絶えず戦争を繰り返せたのか』貴志俊彦著、チョン・ムンジュ訳、チョ・ミョンチョル監修、タカース刊//ハンギョレ新聞社

 本書の著者である京都大学地域研究統合情報センターの貴志俊彦教授は、戦争とプロパガンダの相関関係にその答えを見出す。20年間、東アジアの図画像を研究してきた著者は、帝国日本が強烈な視覚イメージを利用して国民の「戦争熱」をあおり、戦争に対する肯定的イメージを植え付けたとする。情報メディアを通じたイメージと情報の伝達は、単なる情報伝達にとどまらず、自国の世論を統制する手段であるプロパガンダの機能を持ったということだ。著者は、1890年代以降に帝国日本がどのようなメディアをプロパガンダに用いたのかを時代を追って検討しつつ、メディアとジャーナリズムが当時の日本国民の時代認識にどのような影響を及ぼしたのかを探る。

 
 
日清戦争を題材にした演劇用戦争錦絵「川上演劇日清戦争」=タカース提供//ハンギョレ新聞社

 1890年代の日清戦争期には版画報道が流行した。石版画やコロタイプなどの版画技術のせいで衰退の道を歩んでいた多色刷りの木版画(錦絵)は、「戦争錦絵」で生き残りの道を模索する。日清戦争の開始とともに日本は「新聞検閲緊急勅令」を公布し、外交や軍事に関する事件を新聞や出版物に掲載しようとする時は行政庁または内務大臣の検閲許可を得ることを義務付けた。しかし、錦絵は検閲に時間がかかると販売に支障をきたす恐れがあるため、検閲結果がすぐに得られた。速報性を帯びた錦絵は大衆の人気を集めた。錦絵は戦争物の芝居の上演ポスターとして用いられたことで大衆文化として浸透し、プロパガンダとして作用する。当時の日本国民がどれほど戦争に酔っていたかというと、おもちゃ屋でも銃、軍帽などのおもちゃを売っており、酒場では「皇国」、「大勝利」、「百戦百勝」のような商標を付けた酒を販売していたという。

 
 
      「帝国日本のプロパガンダ」の著者、貴志俊彦=@Miyuki Nakajima//ハンギョレ新聞社

 1904~1905年の日露戦争では、印刷技術の目覚ましい発展に伴い、「写真」を載せた新聞や「日露戦争写真集」のような画報雑誌が人気を集めた。絵葉書も人気で、戦場の将兵たちに41種の「慰問絵葉書」が無料で配布されたり、逓信省から「戦争記念絵葉書」などが登場したりした。官と民で絵葉書が作られたため、戦争絵葉書を収集する人々も現れた。それだけではない。19世紀末には白黒の無声映画(活動写真)が登場し、日露戦争を扱ったショートフィルムは公開前にチケットが売り切れるほど人気を博した。

 1910年代に第1次世界大戦が起きた時、戦争のための総動員体制が整えられたが、読売新聞のような報道機関はプロパガンダの役割を自ら買って出た。同紙は「戦時の婦人の心構え」などの報道もおこなった。また、進歩系といわれる朝日新聞でさえ「青島(チンタオ)陥落」を祝う企業広告を掲載したり、戦況を報道したりした。このように帝国日本期には、報道機関もやはり戦争の「火付け役」を果たした。

 
 
        『支那事変聖戦博覧会画報』(1938年)=タカース提供//ハンギョレ新聞社

 国家プロパガンダは1930年代に頂点に達した。中国との戦争を遂行するために軍官民産が密接に結びついた。この時代、すべての戦争報道は軍部の許可を受けなければならなかった。当時の内閣情報部は「写真週報」も作ったが、それには「愛国行進曲」を歌う少年少女の姿が掲載されるという具合だった。さらに朝日新聞社に至っては、陸軍省と海軍省の後援で「支那事変聖戦博覧会」を主催した。大衆に日中戦争が「聖戦」であることを刻印するための宣伝活動の一環だった。1943年、帝国日本は連合国に対抗するための国防強化策として「大東亜共栄圏」を構想し流布するが、「ダイトウアキョウドウセンゲン」という児童向けの絵本まで出版されている。

 著者は各時期ごとに事実にもとづいてドライに叙述しているが、その事実に従っていくと国民全体がこのように異常なまでに戦争に没入しうるのかという衝撃が押し寄せてくる。特に当時の大人たちが、幼い子どもたちに対してさえ平和ではなく戦争を刻印するために、戦争に関する漫画やゲーム、芝居を作って流布したという事実には、ぞっとするばかりだ。そして、改めてイメージの持つ強い力を認識する。イメージをなぜプロパガンダとして利用するのかも理解できる。

 今もロシアとウクライナの戦争は終わっておらず、イスラエルのガザ地区侵攻も続いている。戦争写真と戦況を伝える速報は、かつてないほど急速に全世界に伝えられている。本書を読んでからは、戦争に関するイメージに接する時、そのイメージはどのような主体によって、どのような目的で作られたのかをみなければならないという思いがする。著者もやはり「帝国日本期の姿が現代を考える契機になればとの思いで本書を執筆した」と述べている。

ヤン・ソナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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切迫した核使用の危機を止め、核兵器禁止条約を力に、国連、諸国政府代表、市民社会の共同で核兵器のない世界への展望を示す大会となります。

2024-08-02 20:37:05 | 世界平和を実現するために

2024年8月2日(金)

あすから原水爆禁止世界大会

志位議長パネリスト 田村委員長あいさつ

 原水爆禁止2024年世界大会が3日から9日まで被爆地広島、長崎で開かれます。広島市で3、4両日に国際会議、4~6日に世界大会・広島、8、9両日に長崎市で世界大会・長崎を開きます。5日のフォーラム2で日本共産党の志位和夫議長がパネリストとして参加し、6日のヒロシマデー集会(閉会総会)で田村智子委員長があいさつします。

 切迫した核使用の危機を止め、核兵器禁止条約を力に、国連、諸国政府代表、市民社会の共同で核兵器のない世界への展望を示す大会となります。唯一の戦争被爆国である日本国民の非核平和の声と行動を結集し、内外に発信します。

 4日の開会総会でオーストリアのアレクサンダー・クメント大使と、駐日インドネシア大使館代表がスピーチします。

 6日のヒロシマデー集会で国連の中満泉軍縮担当上級代表とカザフスタン大使館のクルマンセイト・バトルハン公使参事官、駐日メキシコ大使館代表があいさつします。

 9日のナガサキデー集会で駐日キューバ大使館のダイロン・オヘダ臨時代理大使があいさつします。

 オーストリアのトーマス・ハイノッチ大使が3日の国際会議で発言。駐日インドネシア大使館代表は5日のフォーラム1と2、カザフスタンのバトルハン公使参事官と駐日メキシコ大使館代表はフォーラム1でも発言します。

 核兵器保有国や同盟国の運動団体の代表が参加。日韓の被爆者、「黒い雨」被害者、マーシャル諸島の核実験被害者が、核兵器の非人道性を訴えます。

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「今すぐ停戦。虐殺やめろ」「パレスチナ連帯」と声をあげるデモ行進が21日、東京・池袋駅周辺で行われました。

2024-04-22 09:13:46 | 世界平和を実現するために

2024年4月22日(月)

今すぐ停戦、虐殺やめろ

東京・池袋 パレスチナ連帯デモ

写真

(写真)イスラエルによる軍事攻撃に抗議しパレスチナの平和と自由を求めて行進する人たち=21日、東京都豊島区

 「今すぐ停戦。虐殺やめろ」「パレスチナ連帯」と声をあげるデモ行進が21日、東京・池袋駅周辺で行われました。総がかり行動実行委員会も参加する「パレスチナに平和を!緊急行動」が呼びかけ、パレスチナにルーツを持つ人を含む500人(主催者発表)がアピール。休日でごった返す中、若者らがデモ行進の写真や動画をとるなど注目を集めました。

 デモに先立ち、総がかり行動実行委の高田健さんは、米国がイスラエルを支援し、パレスチナ・ガザ地区での虐殺に加担していると批判。「パレスチナでのあらゆる虐殺を許さない。日本でも『パレスチナに平和と自由を』との声をあげていこう」と呼びかけました。

 パレスチナ出身のアイーダさんは「何よりもパレスチナの解放を求めます」と発言しました。

 ひときわ大きな声で沿道の人たちに訴えた、横浜市の女性会社員(27)は「パレスチナの子どもたちが殺される惨状が続いている。だからいま声をあげないといけない。決して遠い国の話ではない」と話しました。

 タンバリンを持って参加した相模原市の男性(61)は「人道が踏みにじられている。このままではガザの住民が全員殺害されてしまう。日本はガザの暴力に対して日和見の態度だ」と語りました

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 日本共産党は17日午後5時半から、講演会「東アジアの平和構築への提言―ASEANと協力して」を開きます。会場は衆議院第1議員会館の国際会議室です。

2024-04-09 16:55:32 | 世界平和を実現するために

2024年4月9日(火)

東アジアの平和構築への提言

17日 志位議長が講演

 日本共産党は17日午後5時半から、講演会「東アジアの平和構築への提言―ASEANと協力して」を開きます。会場は衆議院第1議員会館の国際会議室です。このテーマでの日本共産党の考えを明らかにし、国民的市民的な対話と運動を呼びかけるもので、志位和夫議長が講演します。外国大使館関係者、有識者などの参加も相次ぐなど、内外から注目と期待が寄せられています。

 ◆参加申し込みできます

 参加希望の方は、国際会議室隣の多目的ホール(第2会場)で傍聴ができます。参加を希望される方は、下のQRコードを読み込み、申し込みフォームに必要事項を記載してください。120人になり次第締め切ります。

 また、講演会はオンラインで全国中継されます。手話通訳があります。字幕付きのチャンネルを別途用意します。多くのみなさんの視聴を呼び掛けます。

第2会場 参加申し込みはこちら

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