強制動員被害者に対する賠償判決などの懸案について、「『孤掌鳴らし難し』(片手で音は鳴らせない)ということわざがあるように、一人では事を成し遂げられないということを日本側に明確に伝えた」

2022-04-30 07:57:31 | 真の解決目指して

韓日政策協議団長

「歴史問題、片方だけでは解決できないことを日本側に伝えた」

登録:2022-04-29 01:44 修正:2022-04-29 07:42
 
「片手で音は鳴らせない、知恵を寄せ合うべき」 
4泊5日の訪日日程が終了
 
 
尹錫悦次期大統領が派遣した「韓日政策協議代表団」は26日午前、首相官邸で岸田文雄首相に会い、尹次期大統領の親書を手渡した=韓日政策協議代表団提供//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領が日本に派遣した「韓日政策協議代表団」の団長を務めたチョン・ジンソク国会副議長は、強制動員被害者に対する賠償判決などの懸案について、「『孤掌鳴らし難し』(片手で音は鳴らせない)ということわざがあるように、一人では事を成し遂げられないということを日本側に明確に伝えた」と述べた。

 チョン副議長は28日、東京都内のホテルで韓国の特派員たちに対し、「歴史問題において日本は、具体的な解決策を提示するよう韓国側に対して言っているが、それではいけない」とし、「孤掌鳴らし難しという表現を用いて、韓日が勇気、知恵、忍耐を結集してこそ解決しうるということを日本側に重ねて強調した」と述べた。

 同氏は、日本軍「慰安婦」問題については、「(2015年韓日慰安婦合意が)両国の公式な合意であることを認める。同時に被害者の名誉を回復し、心の傷を癒すという基本精神を見過ごしてはならないということを日本側に話した」と強調した。強制動員被害者に対する賠償を命じた判決に沿った「現金化」の手続きが進められていることについては、「日本の問題提起があった」とし、「これに対して、今の韓日関係がこれ以上悪化することを放置しはしないと答えた」と述べた。チョン副議長は、韓国代表団が自民党議員との面談の過程で、「日本の資産の現金化はさせない」との強い意向を伝えたという日本メディアの報道については、「そのような表現は使ったことがない」と述べた。

 チョン副議長は、韓国は6月1日の地方選挙以降、日本は7月10日の参議院選挙以降は大きな選挙日程がないということにも言及した。同氏は「韓日が対話する時間は十分にある。この問題は焦って解決できる事案ではない」とし、「今回、尹次期大統領の韓日関係改善の意志を十分に伝え、日本が共感したと感じた」と話した。

 今月24日に日本を訪問した韓国代表団は、日本の政、官、財界などの関係者に会い、26日の岸田文雄首相との面談では韓日関係改善を望む尹次期大統領の親書を手渡した。代表団は28日午後に韓国に帰国する。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は「今回の危機(ウクライナ戦争)は世界的な影響があるものなので、アジア太平洋のパートナーとの協力を強化することで合意した」と明らかにした。

2022-04-29 09:00:43 | アメリカの対応

米国務長官、韓国などアジア太平洋諸国の

NATO首脳会議参加の可能性を示唆

登録:2022-04-28 05:52 修正:2022-04-28 08:04
 
6月末にスペインで開催のNATO首脳会議 
「アジア太平洋4カ国も参加するだろう」 
NATO非加盟国の首脳クラスを意味するのかは不明 
「NATO、非加盟国との協力強化に焦点」
 
 
米国のアントニー・ブリンケン国務長官が26日、上院外交委員会の聴聞会で発言している=ワシントン/AFP・聯合ニュース

 米国のアントニー・ブリンケン国務長官が、6月末にスペインで開催される北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議に、韓国などのアジア太平洋諸国が参加する可能性を示唆した。

 ブリンケン長官は26日、上院外交委員会の聴聞会で、駐日米国大使を務めたことのある共和党のウィリアム・ハガティ上院議員からの日本とNATO間の協力についての質疑に答え、「(ジョー・バイデン)大統領が参加するNATO首脳会議がある。『アジア太平洋4カ国』と日本も参加するだろう」と述べた。ブリンケン長官は「我々が進めてきたことの一つは、NATOの焦点を、加盟国だけでなく『アジア太平洋4カ国』を含む非加盟国との協力強化に合わせること」だと明らかにした。

 「アジア太平洋4カ国」は、NATOとパートナー関係にある韓国・日本・オーストラリア・ニュージーランドを指す。今月7日、ロシアに対する制裁とウクライナに対する支援を論議するため、ベルギーのブリュッセルで開かれたNATO外相会合には、この4カ国を含むNATO非加盟国の外相も参加した。その際、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は「今回の危機(ウクライナ戦争)は世界的な影響があるものなので、アジア太平洋のパートナーとの協力を強化することで合意した」と明らかにした。

 NATO首脳会議は、6月29~30日にスペインのマドリードで開かれる。ブリンケン長官が述べた「アジア太平洋4カ国」の参加が首脳クラスを指すのかについては明らかでない。ブリンケン長官は、4カ国が参加を約束したのか、あるいは米国やNATO側が招請の意向を表明した状態なのかについても説明しなかった。

 ブリンケン長官は「数週間以内に、より具体的な対中国戦略を発表する」という計画も明らかにした。共和党はバイデン政権に対し、中国に対する公式の戦略がないとして批判してきた。2月に中国への牽制を中心とする「インド太平洋戦略」を打ち出したバイデン政権は、対中国戦略を別途設けるとしていたが、ロシアのウクライナ侵攻後に作業が遅れていることがわかった。

ワシントン/イ・ボニョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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今後、国連人道問題調整事務所(OCHA)とロシア軍が協議します。

2022-04-28 10:12:12 | 世界平和を実現するために

国連総長「憲章違反だ」

ウクライナ侵略 総会決議引き批判

ロ大統領と製鉄所避難合意

 【ワシントン=遠藤誠二】グテレス国連事務総長は26日、モスクワを訪問し、ロシアのプーチン大統領と会談しました。国連報道官によると、プーチン氏は、ロシア軍が包囲するマリウポリのアゾフスタリ製鉄所からの民間人避難をめぐり、国連と赤十字国際委員会(ICRC)の関与で原則合意しました。今後、国連人道問題調整事務所(OCHA)とロシア軍が協議します。

 グテレス氏のモスクワ訪問は、2月末のウクライナ侵略開始後初めてです。同氏は、プーチン氏との会談に先立ち、ロシアのラブロフ外相と会談しました。同外相との共同会見で、国連とウクライナ、ロシア両政府による「人道調整グループの設立」を提案。同調整グループが協力して、各地域での戦闘の停止、人道支援のための回廊の開設を実現することを訴えました。

 グテレス氏はまた、「国連総会決議はロシアのウクライナへの侵略が領土保全への侵害であり国連憲章に反するものだとしている」と指摘。その上で、「この戦争をより早く終わらせることは、ウクライナ、ロシアの人々、そしてそれらを越えた地域の人々にとってより良いことになる」と語りました。

 グテレス氏は28日、ウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領、クレバ外相と会談する予定です。

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ラブロフ外相は、「北大西洋条約機構(NATO)は事実上、代理人を通じてロシアとの戦争に乗りだしており、代理人を武装させている」

2022-04-28 09:25:02 | アメリカの対応

米「ウクライナ戦争の目標はロシア弱体化」、

ロシア「核戦争のリスクは深刻」

登録:2022-04-27 05:46 修正:2022-04-27 06:54
 
[さらに明確化する「米ロ間接戦」] 
 
米国防総省「戦争を起こせないよう、ロシアを弱体化させる」 
ロシア外相「第3次世界大戦」米国に対し強く警告
 
 
米国のロイド・オースティン国防長官とアントニー・ブリンケン国務長官が25日、ウクライナ訪問を終えた後、ポーランドの国境地域で記者会見を行っている/ロイター・聯合ニュース

 米国がウクライナ戦争における自分たちの目標は、ロシアが二度とこのような戦争を起こせないよう弱体化させることだという点を明確にした。ロシアは、「核戦争」と「第3次世界大戦」のリスクに言及し、米国を強く牽制した。戦争が長期化の道に入り、米ロ間の間接戦という今回の対立の本質が次第に明確になってきた形だ。

 米国のロイド・オースティン国防長官とアントニー・ブリンケン国務長官は25日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と前日に会談を終えた後、ポーランド南東部に移動し、米国の記者団との質疑応答に応じた。オースティン長官はその際、「今回の戦争での米国の目標」は何かという記者の質問に、「ウクライナには自分の領土を守れる民主的な主権国家として残ることを望み、ロシアについては、ウクライナを侵攻したようなことができなくなるほど弱体化するのを見ることを望む」と述べた。オースティン長官は26日、ドイツのラムシュタイン空軍基地での約40カ国の国防相と同席した会議で、「ウクライナの抵抗は自由世界にインスピレーションを与えた。あなた方は明らかに戦争で勝つことを信じており、ここに集まった私たち全員もそうだ」と述べ、世界各国により多くの軍事支援を要請した。

 米当局者らは、オースティン国防長官の25日の発言は今回の戦争で米国が最終的に望むものが何かについての考えが進化していることを示していると、ウォール・ストリート・ジャーナルに語った。戦争開始直後、米国はウクライナがロシア軍に対抗し騒乱と暴動を続けられるよう助けるという計画だった。しかし、ロシアがキーウ(キエフ)占領に失敗し、3月末から東部・南部地域の掌握に目標を変えると、ロシアを持続的に苦しめ軍事力を弱める方向に向かっているという指摘だ。ニューヨーク・タイムズも、米国がウクライナ戦争に対するメッセージを強硬にしているとして、単に侵攻を挫折させるのではなく、ロシアを弱体化させ、今回のような軍事的侵略をこれ以上できないようにしていると報じた。

 オースティン長官の攻勢的な発言に対し、ロシアは核戦争と第3次世界大戦を再び取りあげ、米国に対する警告のレベルを引き上げた。

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はこの日、ロシア国営放送「チャンネル1」のインタビューで、「現在、核戦争のリスクは実在しており、非常に深刻なレベルにある。過小評価してはならない」と述べた。ただし、「人為的に核戦争のリスクが高まるのは見たくない」とし、「ロシアは核戦争のリスクを下げるために努力している」と述べた。

 また、「すべての人が第3次世界大戦は容認しないという呪文を唱えている」が、第3次世界大戦のリスクは実在すると警告した。米国が第3次世界大戦にまで戦争を拡大することはありうるとして、ウクライナに兵力を直接は投入していなくても、ロシアにとっては、兵器を供給する行為も報復を呼びうる「敵対行為」であることを明確にしたのだ。実際、ラブロフ外相は、「北大西洋条約機構(NATO)は事実上、代理人を通じてロシアとの戦争に乗りだしており、代理人を武装させている」と述べ、西側がウクライナに支援した兵器は「(ロシアの)正当な攻撃目標」だと声を高めた。アナトリー・アントノフ駐米ロシア大使も国営放送「ロシア24」の番組に出演し、「米国が火に油を注いでいる。私たちは、米国がウクライナに兵器を注ぎ込む状況は容認できない」と述べた。

 一方、中国外交部の汪文斌報道官は、26日の定例会見で「第3次世界大戦が発生することを望む者はいない」と述べ、関連各国に自制を要請した。これまで、ウクライナ戦争の早期終決に努めてきたトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領も「戦争を中断させ確固とした平和を定着させるために、できるすべてのことを行うと述べた」と、トルコ大統領室が明らかにした。

チョン・ウィギル、シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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「モスクワ」沈没後は「プーチン大統領はいかなるものにも署名しなかった。『モスクワ』号事件後、勝利者のように見えなくなった。それが恥辱的だったからだ」

2022-04-27 08:36:54 | ロシア帝国主義とアメリカ帝国主義

「モスクワ」号撃沈で和平交渉放棄…

プーチン大統領、領土拡張戦略に旋回か

登録:2022-04-25 09:46 修正:2022-04-25 13:15
 
旗艦撃沈で「勝利者」のイメージ損なうと判断か 
領土の最大確保に注力…「ゼレンスキーとの会談、全力で避けている」
 
 
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が今月24日、ロシア正教会の復活祭を迎えモスクワの教会を訪れ、総主教と対話している=モスクワ/AP・聯合ニュース

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ウクライナ戦争で平和交渉を事実上放棄し、領土拡張戦略に旋回したようだと、同大統領と面会した人々が伝えた。

 プーチン大統領はウクライナ戦争を終わらせる外交努力に関心を失い、代わりにウクライナ領土を最大限確保しようとしているようだという。同大統領と対話した3人の関係者の話を引用し、英「フィナンシャル・タイムズ」紙が24日付で報じた。プーチン大統領は、ウクライナに侵攻したロシア軍が先月キーウ(キエフ)の戦場で苦戦した後、和平交渉を真剣に考慮したが、今は妥協を放棄したと、戦争終結のために外交的解決策を推進してきた人々に話しているという。

 ロシアとウクライナは先月29日、イスタンブールでの和平交渉で、ウクライナの中立化などに関する合意草案を作成したが、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が東部ドンバスとクリミア半島など領土問題に対して強硬な姿勢を崩さず、ロシアの「ブチャ虐殺」など民間人虐殺まで明らかになり、和平交渉は中断された状態だ。そのような中、今月14日にはロシアの黒海艦隊旗艦「モスクワ」号がウクライナのミサイル攻撃で事実上撃沈される事態まで起こった。

 プーチン大統領と接触した人々は、このような事件の展開について「交渉に希望はあった。プーチン大統領は右往左往していた。彼は勝利者としてこの戦争から抜け出す方法を見つける必要」があったと述べた。しかし、「モスクワ」沈没後は「プーチン大統領はいかなるものにも署名しなかった。『モスクワ』号事件後、勝利者のように見えなくなった。それが恥辱的だったからだ」と話した。

 これまでトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、シャルル・ミシェル欧州連合(EU)首脳会議議長、ロシア人富豪のロマン・アブラモビッチ氏など仲裁者たちが、プーチン大統領に交渉の膠着状況を打開するためにゼレンスキー大統領に会ってみるよう説得してきた。だがプーチン大統領は22日、ミシェル議長との電話会談で、ウクライナが「壁を築いた」ため会談が座礁したとし、ゼレンスキー大統領に会うには「適切な時期ではない」と述べたと、ある関係者は伝えた。

 交渉者たちはこれについて、会談で合意の領域を見出すためにより多くの時間が必要だというシグナルというよりは、ロシアが積極的な軍事行動を通じて「より多くの領土を獲得できる」と信じているという意味と解釈した。平和交渉に関わっているある関係者は、プーチン大統領はゼレンスキー大統領との会談を「全力で」避けているとし、プーチン大統領が「ゼレンスキー大統領と直接会う前にすべてが決まることを望んでいる」と話した。ロシアは現在、開戦の名分として掲げてきたドンバス地域の安定という目標を超え、ウクライナ東南部を完全に掌握しようとする動きをみせている。こうなるとウクライナは黒海に通じる進出路を失うことになる。ウクライナの短期的な軍事的成果が、国家的にはより大きな戦略的試練をもたらしたわけだ。

 両国間の和平交渉に関与してきた人々は、ゼレンスキー大統領も和平交渉に消極的な態度を示していると伝えた。ゼレンスキー大統領は今月20日、ミシェル議長との会合で、ウクライナの世論は和平交渉の継続を支持していないと述べた。譲歩するよりは、プーチン大統領と戦うことでより大きな支持を確保できるからだ。

チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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