意地悪な病原体は、他人を憎み、恨ませる。その隙を利用し、政治的利益を得ようとする「ストロングマン」たちが声を強めたが、彼らもウイルスの攻撃の前ではお手上げだった。

2020-12-31 08:30:34 | 韓国・コロナ対策

[2020 今年の場面] 私たちはいつか、また会える

登録:2020-12-29 11:07 修正:2020-12-30 07:59
 
写真でたどる新型コロナの長いトンネル 
お互いの大切さに気づかされた「距離取った」1年 
それでもきっと終わりがあることを知っているから… 
ハンギョレが選んだ2020年新型コロナの風景
 
利用者がほとんどいない仁川空港//ハンギョレ新聞社
 
遠隔授業を行う学校//ハンギョレ新聞社

 昨年12月31日、中国湖北省武漢から世界保健機関(WHO)に初めて報告された新型の伝染病は、わずか1年で全世界人口の1%にあたる8000万人を超える人々を感染させた。資本と市場、そして貿易で甘い蜜を与えた「グローバリゼーション」は、猛威を振るう疫病という残酷な苦い味を十分に味わわせた。今世紀人類最悪の伝染病である新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、私たちの日常に浸透している。国境は閉鎖され、人的・物的交流も途絶え、世界中の経済が麻痺した。人々は集まることができず、お互いの表情が見られた顔には目隠しのようなマスクをつけなければならなくなった。楽園のような海辺で燃える夕日を眺めることも、古代人類が築いた偉大な遺物に感嘆することも、大地に係留され続ける飛行機の前では口惜しい夢にすぎない。赤い太陽の下でも、北風の吹きすさぶ厳冬雪寒の中でも、私たちは検査を受けるため列に並ばなければならず、一夜明けると増えている感染者数の前で医療スタッフらは疲れて果てている。意地悪な病原体は、他人を憎み、恨ませる。その隙を利用し、政治的利益を得ようとする「ストロングマン」たちが声を強めたが、彼らもウイルスの攻撃の前ではお手上げだった。共同の利益のために今日を犠牲にしようというお互いの約束は破れがちで、防疫の壁を崩した人々は非難され、頭を下げて詫びた。

 
客足の途絶えた伝統市場//ハンギョレ新聞社
 
非対面礼拝をする大規模教会//ハンギョレ新聞社

 ウイルスに対する最後の反撃、人類は自ら社会性を捨ててこれに対抗した。社会的距離措置、ソーシャル・ディスタンシング。人間って社会的動物だったんだっけ?と思わせるほど遠くなり、仕切りで仕切られた。先生と生徒が場を共にすることができず、信頼は仮想空間で成り立った。おばあさんと孫が会えず、列車に乗る家族も離れて座らなければならないという、信じられない光景が演出された。ウイルスは公平ではなかった。誰にでも広がる疫病は、誰かにとってはより大きな苦痛となった。苦しい状況でなんとか生きてきた特定階層の人々は、生活手段がなくなった。一夜にして職を失うこともあり、昨日まで配給していた無料給食所も閉鎖された。店の電灯が消え、扉は閉ざされた。町はうら寂しくひっそりした。

 
マスクをして地下鉄を利用する市民//ハンギョレ新聞社
 
選別検査所の前の長い列//ハンギョレ新聞社
 
窓側の席にだけ座れるKTX//ハンギョレ新聞社
 
勝利の「V」サインをみせる選別診療所の医療スタッフ//ハンギョレ新聞社

 この1年間を巻き込んだ新型コロナの長いトンネル。私たちはまだその終わりがどこなのか知ることはできないが、ワクチンと治療薬が開発されて一筋の光が見えてきた。その光を見つめ、今日の厳しさに耐える。私たちがつくる日常がどんなに大切なのか、改めて感じながら。

写真:ハンギョレ写真部、文:ユン・ウンシク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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「新型コロナを完全に終息させ、日常に完全に復帰するためには、防疫やワクチン、治療の三拍子がすべて揃わなければならない」と述べた。

2020-12-30 07:17:20 | 韓国・コロナ対策

文大統領「ワクチン確保不足は事実ではない…

2月から順次接種開始」

登録:2020-12-29 00:44 修正:2020-12-29 07:06
 
首席・補佐官会議で野党の「ワクチン攻勢」に反論 
「ワクチンの確保は十分…突発状況に備え、追加確保中」 
 
文在寅大統領が今月28日午後、大統領府で首席・補佐官会議を主宰している/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、来年2月からは医療スタッフと高齢者療養施設などの集団収容者と従事者などを対象に新型コロナウイルスワクチンの接種を開始できるだろうと述べた。

 文大統領は28日、大統領府首席・補佐官会議で「新型コロナに対応する政府の最も重要な基本原則は透明な情報の公開」だとし、「ワクチンについても同じ」だと述べた。さらに「政府は来年2月から医療スタッフや高齢者療養施設などの集団収容者と従事者など、優先順位対象者から接種を始めることができると予想している」と明らかにした。新型コロナワクチンを来年2~3月から導入する政府方針の発表後、文大統領が「接種計画を繰り上げて準備するように」指示したが、接種スケジュールをさらに繰り上げることはできなかったものと見られる。

 文大統領は同会議の冒頭発言で、ワクチンに対する説明を続けた。文大統領は「一部で韓国がワクチンを十分確保していないとか、接種が遅れるという懸念の声があがっている。事実ではない」と強調し、「政府は数カ月前から政府レベルの支援体系を稼動し、専門家の意見を聞いて、ワクチンの確保に万全を期してきた」と説明した。さらに「(ワクチンは)すでに十分な量を確保しており、突発状況に備えた追加分の確保を進めている。ワクチンの導入に向けた交渉と契約の過程で守らなければならないセキュリティのほかには、政府の方針をその都度明らかにしており、その方針通り実現していることを国民は見ている」と付け加えた。

 文大統領は国産のワクチンと治療薬の開発に対する支援についても言及した。文大統領は「新型コロナの長期化に備え、ワクチン主権を確立するためにも、必ず必要なこと」だとし、「新型コロナを完全に終息させ、日常に完全に復帰するためには、防疫やワクチン、治療の三拍子がすべて揃わなければならない」と述べた。また、「政府はワクチン開発においてはまだ世界レベルと差はあるものの、治療薬においては後れを取らないと見ており、現在まで順調に進められている」と明らかにした。

 文大統領は今年最後の首席・補佐官会議で、「誰も予想できなかった激変の2020年も残り少なくなった」とし、「世界的な新型コロナの大流行の中で、私たちは防疫と経済において奇跡ともいうべき善戦を繰り広げているものの、国民が経験している苦痛は計り知れない」と振り返った。文大統領は「新型コロナの感染と死亡による苦しみだけでなく、経済的ショックにより生業の危機にさらされている方々や、凍りついた就業状況と失業、無給休職の困難にさらされている方々、誰もがかつてない苦難の時間を過ごしている。政府は決してその事実に背を向けずに直視し、全力を尽くして共に困難を乗り越えていく」と誓った。

イ・ワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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労働新聞は、金委員長が5月1日に順川リン肥料工場の竣工式に出席したと5月2日付1面トップ記事で報じた。これにより「金正恩死亡説」「金正恩健康異常説」は根拠のない報道・主張であることが判明した。

2020-12-29 07:34:17 | 朝鮮を知ろう。

金正恩委員長がグーグルの人物検索で2位…

4月の「健康異常説」で爆増

登録:2020-12-26 02:17 修正:2020-12-27 15:25
 
「健康異常説」4月末に検索が急増 
シンガポールで最も多く検索
 
北朝鮮の金正恩国務委員長が5月1日、順川リン肥料工場の竣工式に出席したと労働新聞が5月2日付1面で報じた。金委員長の公開活動の報道は、労働党中央委政治局会議を主宰(4月11日)したという同紙の4月12日の報道以来20日ぶりだった。これにより、4月21日のCNNの「金正恩、手術後に危篤」報道をきっかけに国内外のメディアや様々な人物が10日以上提起してきた「金正恩身辺異常説」「金正恩死亡説」も減った=朝鮮中央テレビの画面より/聯合ニュース

 朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)委員長兼国務委員長が、2020年にグーグルのユーザーたちが最も多く検索した人物の2位となった。

 世界最大の検索サイトのグーグルは、「グーグルトレンド」を通じてニュース、俳優、ゲーム、映画、公演、人物などの細部項目ごとに検索順位を分類、発表した。「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)が、金委員長が人物部門で2位を記録したと25日に報じた。人物部門の第1位はジョー・バイデン米次期大統領だった。

 金委員長が2位になったのは、4月21日のCNNテレビによる「金正恩、手術後に危篤」との報道をきっかけとして、国内外のメディアと数多くの人物が10日以上にわたって提起した「金正恩身辺異常説」「金正恩死亡説」についての興味が決定的な原動力となったようだ。4月26日~5月2日にグーグルのユーザーによる金委員長の検索頻度が爆発的に増えたことにより、検索頻度で100点満点の100点を記録したとグーグルは明かした。グーグルは国ごとに検索頻度を分類しているが、シンガポールでは金委員長に関する検索が最も多かったとVOAは報じた。シンガポールは、2018年6月12日に史上初の朝米首脳会談が開かれた場所だ。

 労働新聞は、金委員長が5月1日に順川リン肥料工場の竣工式に出席したと5月2日付1面トップ記事で報じた。これにより「金正恩死亡説」「金正恩健康異常説」は根拠のない報道・主張であることが判明した。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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 年配の女性は「収入は夫の年金だけ。娘2人に職がなく、先が見えない」と話して食料支援に向かいました。

2020-12-28 10:46:40 | 国民の暮らし向上最優先!

“あなたは一人じゃないよ”

相談会&食料配布

横浜

写真

(写真)相談員と対話する人たち。その後、食料配布に行きます=27日、横浜市桜木町駅前

 「これで何とか食いつなげる。正直ありがたい」―。1週間分の食料をバッグに詰め込んだ男性(46)の顔がほころびます。27日、横浜市中区の桜木町駅前で取り組まれた「なんでも相談会&食料配布」の利用者です。

 この男性は、新型コロナ禍でパートの仕事が激減し生活が困窮。財布を落として手持ちのお金がなくなり、SNSで知った食料支援に、地下鉄に乗らず歩いてきました。

 年配の女性は「収入は夫の年金だけ。娘2人に職がなく、先が見えない」と話して食料支援に向かいました。

 主催は、神奈川県労働組合総連合や市民団体でつくる「神奈川県国民大運動」。駅前には着ぐるみも登場し、約40人が宣伝。訪れた人は、相談コーナーで事情を話し、新日本婦人の会がハンドクリームや女性向けの用品を提供し、その後食料配布コーナーという流れ。

 食料配布を担当したNPO法人フードバンク横浜理事長の加藤安昭さんは「労働組合と一緒にやるのは初めて。普段は1週間分の食料を数十人に渡しています。去年と比べたら2倍くらいの人が来ています」と話します。開始1時間で約20人が利用。50人分の主食はすぐに無くなりました。

 神奈川労連議長の住谷和典さんは「労連に寄せられたコロナ禍での相談で、見えない貧困の広がりを実感したのがきっかけ。孤立しがちな人たちに“あなたは一人じゃないよ”と伝えたい」と言います。この日は、電話相談会も実施しました。

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今後大統領府は、チュ長官の後任を探すことと高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の発足に力を入れるものとみえる。

2020-12-27 05:35:33 | 尹大統領は、おかしいね!
 

文大統領のリーダーシップに打撃…

衝撃受けた大統領府、本日立場発表なし

登録:2020-12-25 07:48 修正:2020-12-25 09:32
 
文大統領が強調してきた「手続きの正当性」にも傷 
文在寅政権の検察権力制御にも失敗
 
大統領府の全景=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 「裁判所の判断が遅い時間に出ました。本日、大統領府の立場発表はありません」

 24日、裁判所がユン・ソクヨル検察総長の申し立てた懲戒処分執行停止を受け入れた後、カン・ミンソク大統領府報道官が記者団に送ったショートメッセージの公示。大統領府が受けた衝撃の大きさを見せる断面だ。ユン総長の職務排除執行停止申立ての認容に続き、この日再びユン総長の肩を持った裁判所の判断で連打を受けたということだ。停職2カ月の適法性を問う本案訴訟が残ってはいるが、これまで裁判所が事案の重大性を考慮して本案訴訟の範囲まで審理を進めただけに、今後の訴訟の結果も大統領府にそれほど有利とはいえない。

 文大統領は今月16日、法務部検事懲戒委員会の「停職2カ月」の議決を裁可した後、「検察が正されるきっかけになることを願う。検察総長の懲戒をめぐる混乱を一段落させて、法務部と検察の新たな出発を期待する」と話していた。「一段落させて」と「新しい出発」を強調しようとしたが、失敗に終わった。

 同日の裁判所の判断によって、ユン総長に対する懲戒はこれまで文在寅大統領が一貫して強調してきた「手続きの正当性」と「公正性」を損ねる措置と受けとめられることになった。文大統領は3日、「手続きの正当性と公正性の確保が重要だ」というメッセージを出し、これに対しチュ・ミエ法務部長官はユン総長が提出した懲戒審議延期要請を受け入れ、審議期日を遅らせた。「チュ・ミエ長官対ユン・ソクヨル総長」の二人の衝突に何らかの“関与”もしなかった文大統領としては、手続きの正当性は必ず守らなければならない「砦」だった。

 
24日、瑞草洞の最高検察庁の全景/聯合ニュース

改革の大義、「ユン・ソクヨルとの戦争」で色あせる

 文大統領の「原則論」が傷つけられただけでなく、大統領府はユン総長に代表される検察権力の制御に失敗したという評価を受けることになった。文在寅政権は検察の民主的統制や検察権力の牽制・分散のために孤軍奮闘したが、「チュ長官対ユン総長(法務部vs検察)」の衝突を経て、「検察改革」の大義は「ユン・ソクヨル総長との戦争」に矮小化された。ユン総長に対する監察・職務停止・懲戒などチュ長官が主導した一連の措置が荒っぽく不備があったという批判が多かったが、文大統領はチュ長官に自制を要請する正確なシグナルを出さなかった。結局、チュ長官は大統領府と十分な事前協議なしにユン総長に対する職務排除・懲戒請求を決定し、ことあるごとに裁判所の判断によって妨げられた。チュ長官が起こした渦に大統領府が巻き込まれたわけだが、チュ長官がすでに辞任の意思を表明したため、その責任もそのまま大統領府のものとして返ってくるほかない。これまで検察が節制なく振り回してきた捜査の刃すらも、「生きた権力」に向けたものだったと正当性を主張する口実を作った。

チュ長官の後任、公捜処の発足に向け準備か

 これで再び復帰したユン総長は、任期を1年5カ月残した文在寅政権を狙って刃を研ぐものとみられる。ユン総長は2日、1回目の復帰のときにも大田(テジョン)地検で捜査中の月城(ウォルソン)原発1号機の早期閉鎖に関する捜査の業務報告を受け、大田地検は直ちに捜査中だった産業通商資源部公務員3人に対する拘束令状を請求した。

 今後大統領府は、チュ長官の後任を探すことと高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の発足に力を入れるものとみえる。しかし、権力の統制が緩む任期後半に大統領のリーダーシップが大きな打撃を受け、これを挽回する突破口を見出すのは簡単ではない。

イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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