「独自製作した衛星を独自製作した発射体に搭載して宇宙軌道に乗せた国は、米国、フランス、日本、ロシア、中国、インドだけだ」とし「全世界で大韓民国の宇宙科学技術と先端産業に対する・・

2023-05-27 11:18:22 | 韓国も宇宙目指す!
 

韓国、「ヌリ号」実戦打ち上げ成功…

「ニュースペース」時代切り開く

登録:2023-05-26 03:33 修正:2023-05-26 08:11
 
 
 
韓国型ロケット「ヌリ号」から主搭載衛星である次世代小型衛星2号が分離される様子=韓国航空宇宙研究院提供//ハンギョレ新聞社

 韓国型ロケット「ヌリ号」が25日、3回目の打ち上げに成功した。昨年の2回目の「打ち上げ実験」に続き、実用衛星を軌道に乗せる初の「実戦打ち上げ」も相次いで成功したことで、韓国宇宙産業のロケット製作と打ち上げ運用能力に対する内外の信頼も大きく高まることになった。これによって韓国宇宙産業は、民間が宇宙産業を主導するいわゆる「ニュースペース」時代の第一歩を踏み出したと評価される。

 学技術情報通信部のイ・ジョンホ科長官は、25日午後7時50分、全羅南道高興(コフン)の羅老(ナロ)宇宙センターのプレスセンターでブリーフィングを行い、「ヌリ号の3回目の打ち上げが国民の関心と声援の中で成功裏に完了した」と語った。イ長官はただし「主搭載衛星である次世代小型衛星2号とチューブ衛星6基は正常に分離されたことを確認したが、4基のトヨサット(編隊を組んで任務を遂行する衛星。アルファベットの訳語SNIPEが英語でシギを表すため、韓国語でシギを意味するトヨセとかけてこう呼ばれる)のうち1基については射出成功を確認するために若干の時間が必要」だと語った。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領はヌリ号の3回目の打ち上げ成功のニュースに「韓国が宇宙強国G7(主要7カ国)に仲間入りしたことを宣言する快挙」と祝辞を述べた。尹大統領は同日夕方、報道官室を通じて出した立場表明文で「独自製作した衛星を独自製作した発射体に搭載して宇宙軌道に乗せた国は、米国、フランス、日本、ロシア、中国、インドだけだ」とし「全世界で大韓民国の宇宙科学技術と先端産業に対する見方が大きく変わるだろう」と述べた。

 
 
韓国の独自技術で開発された韓国型ロケット「ヌリ号(KSLV-Ⅱ)」が25日午後、全羅南道高興郡の羅老宇宙センターから打ち上げられている。今回のヌリ号の3回目の打ち上げは、次世代小型衛星2号1基とキューブ衛星7基の実用級衛星を搭載した初の事例//ハンギョレ新聞社

 ヌリ号は2010年に始まった韓国型ロケット開発計画に沿って、韓国航空宇宙研究院(航宇研)主管のもと、300社あまりの国内企業が参加して作られた。ヌリ号は当初、24日に打ち上げられる予定だったが、打ち上げ準備自動制御システムと発射台機器の制御システムとの間の通信異常が発見されたため、1日遅れで打ち上げられた。科学技術情報通信部と航宇研は25日午前11時に打ち上げ管理委員会(委員長:オ・テソク科技情通部第1次官)を開き、前日に発見された問題に対する措置の結果を検討したうえで、この日の打ち上げを進めることを決めた。

 これを受け、23日午前から発射台に据え付けられていたヌリ号には午後3時40分から燃料充填が開始された。予定通り午後6時24分にヌリ号は第1段エンジンの推力が300トンに達し、ロケットを支えていた固定装置が自動解除され、空に舞い上がった。

 羅老宇宙センターを離陸したヌリ号は、打ち上げの2分5秒後に第1段ロケットを分離し、3分54秒後に搭載物を保護するカバー「フェアリング」を分離した。目標高度の550キロまで上昇し、搭載していた衛星の分離を開始したのは、打ち上げから13分3秒後だった。主搭載衛星である次世代小型衛星2号(NEXTSAT-2)を皮切りに、キューブ衛星(超小型衛星)であるジャスタック(JAC)、ルミル(LUMIR-T1)、カイロスペース(KSAT3U)、トヨサット(SNIPE)の5基の衛星が順次分離された。

高興(羅老宇宙センター)/キム・ジョンス先任記者、チェ・ユンテ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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2月4日から正常任務に着手した」として「今年末までに6つの搭載体で月科学研究(月面偏光映像観測、磁場・放射線観測など)、宇宙インターネット技術検証などの科学技術任務を遂行する予定」と明らかにした。

2023-02-16 11:48:03 | 韓国も宇宙目指す!
 

韓国初の月探査機「タヌリ」、任務軌道で撮った初の月面写真を公開

登録:2023-02-14 20:12 修正:2023-02-15 09:27
 
人類初の月着陸船が着陸した「嵐の大洋」 
旧ソ連が初めて月面車探査した「雨の海」など 
韓国航宇研「4日に試運転が終わり正常任務に着手」
 
 
韓国初の月探査船タヌリが先月13日、月上空100キロメートルの任務軌道で撮った月面の「嵐の大洋」地域。嵐の大洋は、人類初の月着陸船(旧ソ連ルナ9号)が着陸した地域で、月の表面で黒く見えるところだ=韓国航空宇宙研究院提供//ハンギョレ新聞社

 韓国初の月探査機「タヌリ」が先月2日から1カ月間にかけて月の任務軌道で試運転をしながら撮影した月面写真が公開された。

 科学技術情報通信部と韓国航空宇宙研究院(航宇研)が13日に公開した写真は、タヌリが月の約100キロメートル上空から高解像度モノクロカメラで撮ったもの。両機関は「この写真は韓国が初めて月で撮影した月面写真という点で大きな意味がある」と明らかにした。

 
 
タヌリが先月5日、月上空100キロメートルで撮影した「 レイタ峡谷」。 レイタ峡谷は月に隕石が衝突してできたクレーターがいくつか集まって形成されている=韓国航空宇宙研究院提供//ハンギョレ新聞社

 航宇研はこれに先立ち、昨年12月31日と今年1月1日にタヌリが撮影した写真も公開したが、これらの写真は任務軌道に進入する前に地球と月が全て見えるよう構図を定め、月面が斜めに傾いている。航宇研のキム・デグァン月探査事業団長は「今回の写真は探査船が固有の目的により任務軌道で月面を垂直に眺め、位置と座標を計算しながら初めて撮ったものであり、科学的データの意味がさらに確実になっている」と説明した。

 
 
タヌリが先月5日、月の100キロメートル上空から撮影した「雨の海」。人類初の月面車(旧ソ連のルノホート1号)が探査した地域だ=韓国航空宇宙研究院提供//ハンギョレ新聞社

 今回公開された写真は、月に隕石が衝突してできた「クレーター」が複数集まって形成された「レイタ峡谷」(1月5日撮影)と「雨の海」(1月10日撮影)、「嵐の大洋」(1月13日)など月の「海」の地域だ。海は月の表面で黒く見えるところで、クレーターが月のマグマによって覆われて形成された広大な平原地帯をいう。

 「嵐の大洋」は月では最も大きな海で、人類初の月着陸船(旧ソ連ルナ9号)が着陸したところだ。「雨の海」は人類初の月面車(旧ソ連のルノホート1号)の探査した地域だ。

 
 
タヌリが1月6日から2月4日までの1カ月間にかけて月の上空100キロメートルの任務軌道で一日一回ずつ地球を撮影した写真。公転にともなう地球の位相変化を示している=韓国航空宇宙研究院提供//ハンギョレ新聞社

 科学技術情報通信部と航宇研は、タヌリが1月6日から今月4日までの約1カ月間にかけて一日に一回地球を撮影した、地球の位相が変わる姿を見せる写真も公開した。航宇研は「タヌリは一カ月間の試運転過程で本体と搭載体の正常作動を確認し、2月4日から正常任務に着手した」として「今年末までに6つの搭載体で月科学研究(月面偏光映像観測、磁場・放射線観測など)、宇宙インターネット技術検証などの科学技術任務を遂行する予定」と明らかにした。

キム・ジョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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太陽系で最も外側にある天体の冥王星から、地質学上、比較的最近まで活動したものとみられる氷火山の証拠が出てきた。

2022-04-03 09:35:34 | 韓国も宇宙目指す!

氷の塊の冥王星もかつては暖かかった?…

氷の下に火山があった

登録:2022-04-02 10:18 修正:2022-04-02 18:45

 

地中から液体物質が染み出てきた後、凍ったと推定 
五輪プール40億個を満たす分量に該当
 
 
ニューホライズン号が2015年7月14日、3万545キロメートルの距離で撮影した冥王星。右側下の白色部分がスプートニク平原=ウィキメディア・コモンズ//ハンギョレ新聞社

 表面は氷の塊だが中は暖かい液体?

 太陽系で最も外側にある天体の冥王星から、地質学上、比較的最近まで活動したものとみられる氷火山の証拠が出てきた。

 宇宙探査機ニューホライズン号が2015年7月、冥王星の近くを通過して送ってきた資料を分析した結果だ。氷火山(Cryovolcano)は、表面温度が極めて低い天体において、アンモニアや窒素など沸点が低い物質が液体状態で地表の外に染み出てくる現象をいう。地球では見られず、ケレス準惑星や海王星の衛星トリトンなどで発見されたことがある。

 米国サウスウェスト研究所の研究チームは、18万平方キロメートルに達するスプートニク平原の南西側の氷の地形を分析した結果、氷火山の活動によって地中にあった歯磨き粉ような性質の粘液物質が外に染み出た後、凍りついたものとみられると、国際学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表した。地球の氷は水が固体化したものだが、冥王星の地表面の氷の成分は、主に窒素、メタン、水で構成されている。

 研究チームが分析した氷の地形には、「ライト」と「ピカール」という名前の二つの山をはじめ、高さ1~7キロメートル、幅30~100キロメートルに達する様々な丘が散在している。今回の研究を率いたケルシー・シンガー博士は、「その氷の地形は非常に荒々しくでこぼこしている」とし、「そのような形は太陽系のどこにもみられない」と述べた。

 
 
                                青色が氷火山の活動過程を示している//ハンギョレ新聞社

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今から2億年以内に形成と推定

 研究チームは、冥王星特有のこのような地形がどのように形成されたのかを確認するために、探査機が撮った写真と成分分析データ、地形図を調査した。その結果、液体性の氷の成分が地下から地上に染み出てきて、徐々に巨大な山と丘を形成する氷火山の活動によるものだと結論を下した。何より、地形にみえる独特の波形は、侵食では作ることはできない。研究チームは「二つの山は、地球で最も大きい活火山であるハワイのマウナロアぐらいの大きさの氷が爆発するかのように高速で噴出したものではなく、ゆっくり染み出てきたという以外に他の可能性は考えにくい」と明らかにした。

 研究チームは、丘が重なっている形をしていることからみて、火山活動が何回もあったと推定した。研究チームは、特にこの地域にクレーターがみられないことに注目した。これは、火山活動が比較的最近起きたということを意味するからだ。シンガー博士は「氷火山はおそらく今から2億年以内に形成されたものとみられる」と述べた。しかし、氷火山の活動が今も進行中なのかについては、確実ではないと付け加えた。

 研究チームの計算によると、現在のような規模の火山の地形が作られるには、10000立方キロメートル以上、五輪プール40億個を満たす程度の物質が、地殻を突き抜け染み出てこなければならない。これは、これまで科学者が予想していたものに比べ、冥王星内部がより活動的だったということを意味する。物質が地表をほじくり外に突き出るには、それに見合うエネルギーが必要だ。研究チームの解析が正しければ、冥王星の地中には、最近の時点まで、かなり温度が高い液体物質があったという話になる。

 
 
地球と月(左側上)と冥王星(左側下)のサイズの比較=ウィキメディア・コモンズ//ハンギョレ新聞社

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地中の暖かさを維持させたものは?

 しかし研究チームは、地中の熱を維持させる要素は何かについての証拠は見つけられなかった。それでも、地下に海が流れる氷の世界を想像することは、おかしなことではない。

 木星の衛星のエウロパと土星の衛星のエンケラドゥスの地中には海がある。科学者らは、この二つの場合、母天体である木星と土星、そして近くにある衛星との重力相互作用が加熱効果を起こしていると推定している。しかし、冥王星には、そのような重力のしくみを引き起こすほどの天体は近くにない。米国カリフォルニア大学サンタクルーズ校の研究チームは、冥王星の初期に他の天体との衝突により熱が発生した可能性もあるとする研究結果を、2020年に「ネイチャー・ジオサイエンス」に発表したことがある。

 地球のような岩型の天体である冥王星は、半径が1151キロメートルで、月(1738キロメートル)より小さい。地球とは反対方向に248年に一回太陽を楕円軌道で回っている。太陽との距離は、近い時は44億キロメートル、遠い時は74億キロメートルに達する。また、表面温度は零下200度を超え、重力は地球の6~7%、大気圧は地球の10万分の1の水準だ。このような極端に低い温度と低い大気圧、低い重力の条件のもとで、粘液性物質が地表面に染み出てきて作った広大な氷の地形は、冥王星を太陽系では非常に独特な天体にしている。

 ブリガムヤング大学のヤニ・レイドボー教授(地質学)は「ニューヨークタイムズ」に、「宇宙から送られてきたデータは、私たちにいっそう良い想像力が必要だということを教えてくれる」と述べた。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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韓国軍当局が7日、2日前に北朝鮮が発射したミサイルを「極超音速ミサイルではなく、『機動式再突入体』(MARV)を搭載した弾道ミサイルと判断する」と発表した。

2022-01-09 09:15:46 | 韓国も宇宙目指す!

韓国国防部「北朝鮮のミサイル、極超音速ではない」

登録:2022-01-08 06:29 修正:2022-01-08 07:21
 
「弾道ミサイルと判断…性能は誇張された」
 
 
2017年6月に韓国が発射した地対地弾道ミサイル「玄武2C」(上)と北朝鮮が5日に発射したと主張した極超音速ミサイル(下)。国防部の研究機関関係者は「北朝鮮のミサイルは、韓国の玄武2Cと同じ機動式突入体を搭載した弾道ミサイルとみている」と述べた//ハンギョレ新聞社

 韓国軍当局が7日、2日前に北朝鮮が発射したミサイルを「極超音速ミサイルではなく、『機動式再突入体』(MARV)を搭載した弾道ミサイルと判断する」と発表した。

 国防部は同日、資料を発表し「北朝鮮が1月6日の報道を通じて主張している極超音速ミサイル発射と関連し、射程や側面機動などの性能は誇張されたものとみられる」と明らかにした。国防部は「特に北朝鮮が極超音速飛行体の技術にはまだ到達していないと判断される」とし、「北朝鮮が発射したミサイルは、2017年6月に韓国国内で開発を完了した射程800キロメートルの地対地弾道ミサイル『玄武2C』と酷似している。玄武2Cも最大速度がマッハ9(時速1万1016キロ)だが、『極超音速』とは呼ばない」と説明した。

 国防部の研究機関関係者は、北朝鮮が発射実験したミサイルが極超音速ミサイル基準の速度マッハ5を超えたにもかかわらず、極超音速技術に到達していないと判断した根拠について「射程500キロメートル以上の弾道ミサイルの速度はすべてマッハ5を超えており、速度だけを基準にすれば既存の弾道弾のうちかなりの数が極超音速ミサイルになる」とし、「最近の世界軍事技術分野で注目されている極超音速ミサイルは、極超音速滑空体と極超音速巡航ミサイルを言う。北朝鮮が発射したのは国際基準に比べると、機動式再突入体だ」と述べた。北朝鮮が一般弾道ミサイルを極超音速だと主張する背景については「(北朝鮮内部に)自信を持たせるためのメッセージ管理」だと分析した。

クォン・ヒョクチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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宇宙ロケット「ヌリ号」の打ち上げは、宇宙飛行において半分の成功に終わった。課題を残したが、久しぶりに多くの国民が大歓声を上げ、遠い宇宙を思い描いた「15分間のリハーサル」だった。

2021-10-22 10:04:22 | 韓国も宇宙目指す!

「韓国、自国ロケットで1トンの物体を打ち上げた

7番目の国家に」 外国の通信も反応

登録:2021-10-21 20:06 修正:2021-10-22 06:58
 
発射直後に主要メディアから反応相次ぐ
 
 
韓国型発射体「ヌリ号」が21日午後5時、定刻通りに全羅南道高興の羅老宇宙センターの第2発射台から発射された=韓国航空宇宙研究院提供//ハンギョレ新聞社

 韓国が自主開発ロケット「ヌリ号」を成功裏に打ち上げたというニュースに、外国の通信も強い関心を傾けた。だが、衛星を軌道にうまく安着させられず、残念な「半分の成功」に留まった。

 AFP通信は21日午後5時の発射直後に「発射された」事実を速報で伝え、再び5分後には実況中継する韓国のテレビ放送を引用し「大きな問題なく空に上昇している」という反応を伝えた。

 通信はさらに17分には「韓国は世界12位の経済規模を備え、世界最大のスマートフォンとメモリーチップを生産する技術的に進んだ国家に成長したが、宇宙飛行の分野では立ち遅れていた」とし、今回の成功で「アジアで中国・日本・インド・北朝鮮に続き衛星発射技術を備えた国家になった」との分析を伝えた。1トン以上の物体を自国で製作したロケットを通じて打ち上げた国家は、現在までに6カ国のみで、ヌリ号の発射が成功と確認されれば韓国は7番目となる。

 北朝鮮は2012年12月、長距離ロケット「銀河3号」に人工衛星の「光明星3号」を載せて高度500キロメートル余りの宇宙軌道に乗せることに成功したが、光明星3号の重さは1トンにはるかに及ばないと推定される。

 AP通信とロイター通信も相次いで速報を出し、「韓国が自国で製作したロケットの発射に成功し、野心的な宇宙計画を実施する重要な跳躍をした」と伝えた。日本の読売新聞も「韓国が人工衛星を搭載できる初の国産宇宙ロケット『ヌリ号』を打ち上げた」という速報を伝え関心を見せた。共同通信も、北朝鮮のミサイル試験で韓国・日本などの周辺国家に緊張感が漂う時期に、ヌリ号の発射がなされたと伝えた。

 ロシアと中国の官営マスコミも、ヌリ号発射のニュースを迅速に伝え、ヌリ号は韓国初の自国技術による飛翔体だと報道した。英国BBC放送もヌリ号発射のニュースを伝え、韓国が宇宙にロケットを成功裏に打ち上げた7番目の国家になったと紹介した。しかし、弾道ミサイルと宇宙ロケットは類似の技術を使うという事実を指摘して、こうした動きが韓国が推進してきた軍備強化事業の一部にみられるとも指摘した。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

韓国初の国産ロケット「ヌリ号」、半分の成功…

衛星軌道投入の課題残す

登録:2021-10-22 06:04 修正:2021-10-22 07:15
 
国内技術のヌリ号「半分の成功」 
高度700キロメートルまで到達 
ダミー衛星、軌道には安着できず 
世界7大宇宙大国に一歩前進
 
 
韓国の国内技術で設計・製作された韓国型ロケット「ヌリ号」(KSLV-II)が今月21日午後、全羅南道高興郡蓬莱面の羅老宇宙センターから打ち上げられ、成層圏に向かっている/聯合ニュース

 韓国の国内技術で開発された宇宙ロケット「ヌリ号」の打ち上げは、宇宙飛行において半分の成功に終わった。課題を残したが、久しぶりに多くの国民が大歓声を上げ、遠い宇宙を思い描いた「15分間のリハーサル」だった。

 科学技術情報通信部(科技情通部)のイム・ヘスク長官は21日午後7時、全羅南道高興郡(コフングン)の羅老宇宙センタープレスセンターで「ヌリ号打ち上げ結果発表」を行い、「午後5時に打ち上げられたヌリ号の全飛行は正常に行われた。しかし、3段エンジンが早く燃焼し、衛星模写体(ダミー衛星)が高度700キロメートルの目標には到達したにもかかわらず、秒速7.5キロの速度には届かず、軌道に安着できなかった」と述べた。

 700キロ地点に到達したというニュースとともに「事実上の成功」とされていたヌリ号の成果は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領によって正確に修正された。文大統領は打ち上げから1時間10分後、国民向けメッセージを発表し、「打ち上げの管制から離陸や空中で行われる2回のエンジン点火とロケット分離、フェアリングとダミー衛星分離まで滞りなく行われた。完全に韓国独自の技術だ。ただし、ダミー衛星を軌道に安着させることが未完の課題として残った」と述べた。

 韓国航空宇宙研究院(航宇研)は分析の結果、ヌリ号は3段に搭載された7トン級液体エンジンが目標の521秒間燃焼できず、475秒で早期終了したと発表した。足りない46秒がヌリ号の運命を決めたわけだ。

 ただ、ヌリ号は、1段目とフェアリング、2段目の分離まで順調に進み、最後のダミー衛星の分離までスムーズに行われており、運用の面ではほぼ成功したと言える。2013年に打ち上げに成功した韓国初の宇宙ロケット「羅老(ナロ)号」に続き、独自開発した韓国型ロケットで、独自の宇宙輸送能力を確保したことに意味がある。羅老号の1段目は、ロシアから購入したエンジンだった。

 イム長官は「航宇研の研究陣と外部の専門家が参加する打ち上げ調査委員会を直ちに構成し、3段エンジンの燃焼が早期に終了した原因を正確に究明して、問題点を補完して2回目の打ち上げに備える予定」だと明らかにした。科技部と航宇研は、ヌリ号の1回目の打ち上げの成功如何にかかわらず、来年5月19日に2回目の打ち上げを計画している。

 航宇研のコ・ジョンファン韓国型飛翔体開発本部長は「すべての計測されたデータを検討するのに数日はかかる。早期燃焼終了の原因は、3段燃料および酸化剤タンクの圧力不足や燃焼終了命令の誤りなど様々な原因があり得るが、テレメトリー(遠隔資料転送装備)のデータを分析し、搭載されたバルブなどの入出力データを分析してみなければ結論を下せない」と説明した。ヌリ号の3段には機体供給系バルブだけで49個、エンジン供給系だけで35個のバルブがある。

 ヌリ号は打ち上げ前日の20日午前7時20分、組立棟から移動し、第2発射台に立てられた。21日には各種の電気・電子装備などを点検し、燃料と酸化剤を充填した。午後4時50分ごろ、打ち上げ自動運用(PLO)に入ったヌリ号は、10分後の5時0分に打ち上げられた。

 ヌリ号は同日、当初午後4時に打ち上げられる予定だったが、発射体と外部システムとの間をつなぐバルブに関連した異常現象が見つかり、点検のため、打ち上げ時刻を1時間遅らせた。しかし午後4時50分に自動発射システムに突入し、「12年プロジェクト」の初飛行は可視化された。

 ダミー衛星が非正常飛行をしたことで、韓国は7番目の実用衛星発射国入りを一歩手前で逃してしまった。最初の打ち上げで成功した4番目の国というタイトルもしばらくの間、保留されることになった。ヌリ号の打ち上げを成功と見るのかという質問に対し、航宇研のイ・サンリュル院長は「当初の目標は100%達成できなかったが、重要な部分はほぼ達成したため、成功の方に重きを置きたい。燃焼時間が短かった部分は早期に原因を突き止め、対策を講じることができる」と述べた。航宇研のコ・ジョンファン本部長も「ロケットの姿勢制御や誘導アルゴリズムなど、すべての発射進行過程が正確に行われたのに、最後の3段エンジンの燃焼時間が短く、軌道に入れなかったのが残念だ。第3段の早期燃焼終了の原因を見つけるのはそれほど難しくないだろう」と述べた。

 文大統領は「ロケットを宇宙700キロの高度まで上げただけでも素晴らしいことであり、宇宙に近づいた」とし、「今日足りなかった部分を点検して補完すれば、来年5月にある2回目の発射では必ず完璧な成功を収めることができるだろう」と述べた。来月から宇宙産業の質的成長に向け、国家宇宙委員会委員長は、科技情通部長官から首相に格上げされる。

イ・グニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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