1600年前に伽耶人たちが掘った水路が初めて明らかになった。当代の職人と兵士が石を運び、丹念に継ぎ目を合わせて組み上げた精巧な排水路だ。

2024-11-12 15:21:02 | 韓国を知ろう
 

水漏れもないほど精巧だった…

1600年前に伽耶人が作った水路を発見

登録:2024-11-11 20:23 修正:2024-11-12 09:52
 
咸安伽耶里遺跡で土城排水施設を発見
 
 
慶尚南道咸安郡の伽耶里遺跡で確認された人工水路。大きな石を運んできて、精密に継ぎ目を合わせ、底部の水路と側面の石垣を造成した姿が鮮明。同時に確認された土城の壁の内外を通過する仕組みであることが確認された=国立伽耶文化遺産研究所提供//ハンギョレ新聞社

 1600年前に伽耶人たちが掘った水路が初めて明らかになった。当代の職人と兵士が石を運び、丹念に継ぎ目を合わせて組み上げた精巧な排水路だ。

 国立伽耶文化財研究所は、5~6世紀の伽耶小国「阿羅伽耶(アラカヤ)」の王城跡と推定されてきた慶尚南道の咸安郡伽耶邑伽耶里(ハマングン・カヤウプ・カヤリ)586番地一帯の伽耶里遺跡(国家史跡)を発掘調査した結果、当代の土城の跡と土城内外をつなぐ長さ16.5メートルの人工水路(排水施設)跡を発見したと11日発表した。伽耶関連遺跡で形が明確な排水路施設が発見されたのは初めて。

 発見された水路は幅1~3.5メートル、長さ16.5メートルに達する。城の内側の狭く窪んだところ(谷間地)に集まる水を城の外に排出する用途とみられる。城壁を通過する部分では、蓋石で覆えるように地中に埋めた水路である暗渠の幅を1メートルほどに狭くした。これに比べ、城壁の外に続く部分は蓋石なしで幅が最大3.5メートルまで広がるラッパ状になっている。研究所側は「水が流れる速度を遅らせるために考案した仕組みと推定される。土城が位置した土地の形を綿密に調べ、排水システムを構成した伽耶人の土木技術力が実感できる」と評価した。

 
 
伽耶里遺跡の土城城壁と城内の狭く窪んだ谷間地から城外に流れる石垣排水路の跡を上から見下ろした様子=国立伽耶文化遺産研究所提供//ハンギョレ新聞社
 
 
慶尚南道咸安郡の伽耶里遺跡一帯の全景。写真の中央下部の森が茂った丘の横部分が、伽耶時代の人工水路が出てきた発掘現場だ=国立伽耶文化遺産研究所提供//ハンギョレ新聞社

 土城の城壁は、谷間地の狭い入口部分を塞いで積み上げてある。幾重にも固めて積み上げる版築技法で、防御用の塚状陣地である土塁を中心部に積み、狭く谷のある城内の地形を平らにするために、底部分に木の枝などを土と混ぜて積み上げる敷葉工法を用いた跡が明らかになった。築かれた土塁の内外部分には、斜めに土を重ねて積み上げる内外壁を作ることで城壁を補強した。このような過程を経て積み上げた版築土塁の幅は5.5メートル、内外壁の底部の幅はそれぞれ12メートル、版築土塁と内外壁を含めた底部の幅は29.5メートルだ。積み上げた土層の中から短頸壺(くびの部分が短い壺)や釜型の土器も発見され、城壁の敷地を土地に造成する過程で安全を祈る祭祀などの儀礼があったものと推定される。

 
 
城壁の敷地を作る過程で儀礼に使われたと推定される独特な形の土器類も発掘された=国立伽耶文化遺産研究所提供//ハンギョレ新聞社
 
 
                         儀礼用と推定される埋納土器=国立伽耶文化遺産研究所提供//ハンギョレ新聞社

 伽耶里遺跡には、5~6世紀の咸安一帯で栄えた小国阿羅伽耶の土城や建物跡が散在している。「咸州誌」(1587)と「東国輿地」(1656)など朝鮮時代の文献資料に昔の国の跡を意味する「古国遺基」の記録が書かれており、最近の地表・発掘調査でも重要遺物と遺構が発見され、考古歴史学界ではこの遺跡を阿羅伽耶王城跡と比定してきた。2019年、国家指定文化遺産史跡に指定された。研究所は13日午後2時に発掘成果を公開する現場説明会を開き、20日午後1時に咸安博物館で伽耶里遺跡の調査・研究成果を地域住民に説明する学術討論会(フォーラム)も行う予定だ。

 
 
土城の城郭ができた敷地造成層の底部を見下ろした姿。木の枝を土と混ぜて城郭などの構造物を積む敷葉工法の跡が確認される=国立伽耶文化遺産研究所提供//ハンギョレ新聞社
 
 
城壁の断面土層部の様子。写真の上部に内外壁の盛土層と版築城壁の断面が、左下には今回初めて確認された水路(排水路)が見える=国立伽耶文化遺産研究所提供//ハンギョレ新聞社
ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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朝鮮一の土地長者と呼ばれた親日(日本帝国に加担、協力)・反民族行為者ミン・ヨンフィの一家などの財産を没収して国に帰属させる市民運動が、忠清北道ではじまった。

2024-11-08 21:45:51 | 韓国を知ろう
 

日帝時代の「朝鮮一の土地長者」

反民族親日派ミン・ヨンフィの財産没収運動開始

登録:2024-11-06 01:14 修正:2024-11-06 09:20
 
 
忠北市民社会団体連帯会議などが開始したミン・ヨンフィらの親日派財産没収・国家帰属運動=忠北市民社会団体連帯会議提供//ハンギョレ新聞社

 朝鮮一の土地長者と呼ばれた親日(日本帝国に加担、協力)・反民族行為者ミン・ヨンフィの一家などの財産を没収して国に帰属させる市民運動が、忠清北道ではじまった。

 忠北市民社会団体連帯会議、丹斎申采浩(タンジェ・シン・チェホ)先生記念事業会、民主労総忠清北道本部、忠北人ニュースなどは、「親日派ミン・ヨンフィ、チェ・ヨングクらの財産没収・国家帰属運動」を行うことを5日に明らかにした。彼らは今月18日までミン・ヨンフィ、チェ・ヨングクら親日派の財産の国家帰属を目指す市民署名を集め、政府に財産没収を求める予定だ。それに向けて、今月20日午前10時40分に国会で「親日財産調査委員会の設置・運営」などを盛り込んだ「親日財産国家帰属法」の改正も要求する計画だ。

 彼らが要求する親日財産はミン・ヨンフィ、チェ・ヨングクらが子孫に譲った土地で、公示地価で40億ウォン(約4億4000万円)を超える。

 ミン・ヨンフィは明成(ミョンソン)皇后の外戚で、日本から子爵の爵位を与えられた、親日派を代表する人物。中枢院参議という官職を務めた彼は朝鮮一の土地長者で、子孫に莫大な不動産を継がせた。今回没収が目指されている財産は、清州市山城洞(チョンジュシ・サンソンドン)の上党山城(サンダンサンソン)に位置する1万8338平方メートルの土地と、ミン・ヨンフィの墓のある江原道春川市東面(チュンチョンシ・トンミョン)の19万6403平方メートルの山地。

 チェ・ヨングクも中枢院参議を務めた親日派で、慶尚南道泗川市昆明面(サチョンシ・コンミョンミョン)の3954平方メートルの土地を子孫が継いでいる。この地は端宗(タンジョン)の胎室(胎盤やへその緒を収めた場所)があった場所で、歴史的価値が高い。彼らの親日財産を追跡した忠北人ニュースのキム・ナムギュン編集局長は、「親日財産の没収は親日清算だが、李明博(イ・ミョンバク)政権以降は親日財産の発掘や没収がまったくなされていない。市民の名において親日財産を没収して歴史を正すべきだ」と述べた。

オ・ユンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が2022年6月の再・補欠選挙の公認に介入したという情況を示す音声ファイルが公開された中、韓国の市民は1日、緊急ろうそく集会を開き、尹大統領の退陣を求めた。

2024-11-04 08:55:19 | 韓国を知ろう
 

ソウルで緊急ろうそく集会

「公認介入・選挙法違反した尹錫悦は直ちに退陣せよ」

登録:2024-11-02 06:31 修正:2024-11-02 07:56
 
 
1日夕方、ソウル鍾路区の東和免税店前で開かれた「公認介入・選挙法違反した尹錫悦大統領の即刻退陣を求める緊急ろうそく集会」で、市民が尹大統領の退陣を求めるプラカードを持っている=コ・ナリン記者//ハンギョレ新聞社

 「いくら国民を騙そうとしても、国民は昨日(公開された録音記録)の声が誰のものなのか、はっきり聞きました。韓国国民を代弁して(尹大統領夫人の)キム・ゴンヒ女史が質問もしてくれました。『オッパ(お兄さん)、大統領の資格あるの?』」

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が2022年6月の再・補欠選挙の公認に介入したという情況を示す音声ファイルが公開された中、韓国の市民は1日、緊急ろうそく集会を開き、尹大統領の退陣を求めた。この日夕方、「尹錫悦政権退陣運動本部」がソウル鍾路区(チョンノグ)の東和免税店前で主催した集会に参加した市民たちは「公職選挙法を違反した尹錫悦、キム・ゴンヒを家宅捜索せよ!」、「尹錫悦は大統領職から直ちに手を離して退陣せよ!」などと書かれたプラカードとLEDろうそくを掲げた。

 この日の集会では、尹大統領の公認への介入と関連して、野党「共に民主党」が前日に公開した尹大統領とミョン・テギュン氏の通話音声が再生された。「尹錫悦政権退陣運動本部」のオム・ミギョン状況室長は「国民はこの声が誰のものなのか、はっきり聞いた」とし、「惨憺たる現実を前にして、今日、急ごしらえでも誰かが声をあげなければならないという思いから『緊急ろうそく集会』を進めることになった」と説明した。緊急に開かれた集会だったため出席者数は数十人だった。

 
1日夕方、ソウル鍾路区の東和免税店前で開かれた「公認介入・選挙法違反した尹錫悦大統領の即刻退陣を求める緊急ろうそく集会」で、チ・スニョン全国金属労働組合副委員長(左)とチョン・ヒヨン全国教職員労働組合委員長が発言している=コ・ナリン記者//ハンギョレ新聞社

 発言を行った進歩党のキム・ジェヨン常任代表は「今日、大統領秘書室長は『尹大統領とミョン・テギュン氏が電話で話したのは幸運と成功を祈る内容に過ぎない』と語った。冗談も甚だしい」としたうえで、「尹錫悦、キム・ゴンヒ政権の醜悪な裏の顔が全国民の前にあらわになり、今やいかなる偽りの弁解も通じなくなった。すでに(尹大統領は)植物(状態の)大統領になってしまった」と語った。全国金属労働組合のチェ・スニョン副委員長は「尹大統領が就任してから最も多く口にした話が『公正な法執行』だ。キム女史が与党を思いのままにしても、ブランドバックを受け取っても起訴しなかったのに、(ハンファオーシャンの)下請け業者所属の労働者は憲法に保障された権利であるストライキをしたとの理由で、470億ウォン(52億1600万円)を損害賠償で仮差押えされた」とし、「これが果たして真の法執行なのか問いたい」と話した。

 進歩大学生ネットの淑明・梨花女子大学支会長のポン・ジュンヒさんは、「前日(尹大統領の公認介入関連の)ニュースを聞いて、衝撃を受けたというよりは、思った通りだったので『本当にそうだった』という根拠だけが加わった感じだった」とし、「3週間にわたり、大学で300人余りの学生たちに尹大統領に成績を付けてほしいというアンケート調査を行った。そのうち70%が落第点を付けた。尹大統領に対する若者たちの支持率は9月にすでに20%以下に下がっていた」と語った。

コ・ナリン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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共に民主党のパク・チャンデ院内代表は31日午前9時30分、ソウル汝矣島の国会院内代表室で緊急記者会見を行い、尹大統領と公認・国政介入疑惑の中心人物であるミョン・テギュン氏の通話録音を公開した。

2024-11-01 22:59:35 | 韓国を知ろう
 

大統領「公認指示し任期中に実行」…朴槿恵元大統領は共謀だけで有罪

登録:2024-11-01 06:24 修正:2024-11-01 09:11

 

【集中分析】公職選挙法違反の有無、公訴時効、判例
 
 
(左から)ミョン・テギュン氏、尹錫悦大統領、キム・ヨンソン前議員=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が2022年5月9日、キム・ヨンソン前議員の補欠選挙での公認を巡り、自ら公認を指示したという内容が含まれた肉声の録音が公開された。録音内容によると、大統領当選者時代に公認介入が行われ、大統領任期中に実行(公認確定)された。当選者の法的地位、公職選挙法に違反するかどうか、公訴時効などを、関連法令と憲法裁判所・裁判所の判例をもとに分析した。

 共に民主党のパク・チャンデ院内代表は31日午前9時30分、ソウル汝矣島の国会院内代表室で緊急記者会見を行い、尹大統領と公認・国政介入疑惑の中心人物であるミョン・テギュン氏の通話録音を公開した。

 この対話で尹大統領はミョン氏に「公管委(公認管理委員会)が私に持ってきたので、『キム・ヨンソンが(大統領選挙候補を選ぶための)党内予備選挙の時も一生懸命やってくれたから、それ(公認)はキム・ヨンソンに決めてほしい』と言った」と語った。2021年の「国民の力」の大統領選候補選びの過程で、キム・ヨンソン前議員が積極的に協力したから、同党の公認管理委員会にキム前議員を公認するよう指示したということだ。国民の力の6・1再・補欠選挙の公認管理委員会は、尹大統領の発言があった翌日の5月10日、キム前議員をまったくゆかりのない慶尚南道昌原市義昌区(チャンウォンシ・ウィチャング)の補欠選挙の公認候補に確定した。

 民主党は尹大統領とミョン氏が電話で話したのは2022年5月9日だと発表した。尹大統領の就任前日だ。「大統領当選者」の地位と権限については、大統領職引継ぎに関する法律で礼遇と権限が定められている。「大統領当選者は大統領職引き継ぎのために必要な権限を持つ」となっており、その権限で任期開始前に首相および国務委員候補の指名権限を有する。国務委員指名の権限、任期5年の国政の下絵を描くための大統領職引継ぎ委員会の設置など、現職大統領に準ずる礼遇と一定の権限が与えられる。ただし、当選者はまだ選出職公務員ではない。

 しかし、実際に公認が確定したのは、大統領の任期開始初日の5月10日だ。民主党の「ミョン・テギュンゲート真相調査団」団長のソ・ヨンギョ議員は「(公認指示の)行為が影響を及ぼした公認発表が任期中に行われた」と述べた。公認の指示は大統領当選者だった時に行われたが、実際に実行(公認の確定)されたのは、現職の大統領になってからということだ。

 公職選挙法は「政党の公認は民主的手続きに従わなければならない」と定めている。このため、政党民主主義を害する公認への介入は、重大な公職選挙法違反で処罰の対象になってきた。

 公職選挙法の公訴時効は選挙日基準で6カ月。ところが、公務員の地位を利用して公職選挙法に違反した場合は、公訴時効が10年に増える。憲法裁判所は、朴槿恵(パク・クネ)元大統領の公職選挙法違反と関連し、「公務員が地位を利用して選挙犯罪を犯した場合、一般人に比べて選挙の公正と自由を大きく阻害し、それによる影響と弊害が大きい。このような犯罪は公権力によって組織的に隠蔽され、短期間に明らかになりにくいこともあり、短期の公訴時効を適用した場合、処罰規定の実効性を確保できない恐れもある」として、「公訴時効10年」の条項に合憲決定を下した。

 尹大統領は党員として公認について公認管理委員会に「個人の意見」を明らかにしただけだと主張することもできる。しかし尹大統領は検事時代、朴槿恵氏が大統領時代に公認への介入を承認・共謀したという容疑だけで起訴した。

 第20代総選挙を控え、親朴槿恵派の議員らが公認を受けられるよう指示し、親朴(槿恵)リストと公認規則関連の対応資料などを公認管理委員会に伝え、親朴候補の出馬地域区選びなどに関与し、非朴派の排除と親朴派の単数公認などの指示に関与した疑いだ。裁判所は同事件の裁判で、大統領が公認に直接介入せず、公認管理委員会の構成に影響を及ぼしただけでも有罪を言い渡した。

 元祖「尹核関(尹大統領の核心関係者)」であるクォン・ソンドン議員(国民の力)は31日、尹大統領の肉声が公開された後、「党の第1号党員である大統領や大統領当選者として自分の政治的な意見を言える」と援護した。

 これに対する判断基準になりうる裁判所の判例も、尹大統領が起訴した朴槿恵氏事件から見つけることができる。裁判所は選挙運動企画行為など公職選挙法違反の疑いで起訴したこの事件で、大統領の「単なる意見開陳」と「能動的な意見開陳」を区分した。

 裁判所は「大統領も党員であるため、公職選挙法で許す通常の政党活動の一つとして選挙に関する意見を開陳することができる。しかし、非朴派候補の排除と親朴派候補の多数当選という明確な目的意識を持って計画的かつ能動的に実行したため、政党員としてできる単なる意見開陳とは言い難い」と有罪を宣告した。

 憲法裁判所は、大統領弾劾が可能になるためには「憲法と法律の重大な違反」という基準を提示している。公認への介入は、憲法と公職選挙法などが規定する政治的中立などの大統領の義務に対する重大な違反に当たる。国会が当時朴槿恵大統領を弾劾訴追した時点では、公認への介入は含まれていなかった。その後、尹錫悦ソウル中央地検長時代に公認への介入疑惑で追加起訴され、2018年11月に懲役2年が確定した。

キム・ナミル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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大統領室高官は同日、記者団に「我々にはウクライナという友好国に(対して)、北朝鮮軍の活動の戦況を調べ、分析し、モニタリングする義務が与えられている」と述べた。

2024-10-31 17:47:42 | 韓国を知ろう
 

違憲論議にも…国会の同意なしに

「戦況分析チームのウクライナ派遣」進める尹政権

登録:2024-10-31 06:24 修正:2024-10-31 08:31

 

大統領室、戦況分析チームをウクライナに送る方針を表明
 
 
15日(現地時間)、ウクライナのミコライウ村で、ロシア軍の攻撃により現地の市場が燃えている=ミコライウ/AP・聯合ニュース

 韓国大統領室が30日、ロシアに派兵された北朝鮮軍の活動をモニタリングすることは「政府の義務」だとし、戦況分析チームを現地に送る意向を明らかにした。これに先立ち、キム・ヨンヒョン国防部長官は24日、国防部の訓令を根拠に「個別レベルの派兵」は国会の同意なしに自分の政策決定だけで可能だと主張したが、法律専門家はこの訓令に違憲の素地があると指摘した。野党は「国会の同意なしに一人でもウクライナに送るなら、キム・ヨンヒョン国防部長官を弾劾する」と警告した。

 大統領室高官は同日、記者団に「我々にはウクライナという友好国に(対して)、北朝鮮軍の活動の戦況を調べ、分析し、モニタリングする義務が与えられている」と述べた。さらに「北朝鮮がウクライナとの戦争を通じて現地で実戦経験を積み、現代的な戦術を習得することは、韓国に対する直接的な軍事的脅威になる。韓国も防衛的に正当に彼らの活動を分析する必要がある」とし、「今後(北朝鮮軍の)活動と戦況をモニタリングするチームをあらかじめ作って送る準備をする必要性を感じている」と説明した。

 国情院も前日、国会情報委員会による国政監査で、ウクライナ参観団の派遣と北朝鮮軍捕虜の尋問への参加に肯定的な立場を示した。これらを踏まえると、戦況分析チーム(参観団)の任務には、北朝鮮軍の兵器体系と戦術、ウクライナ戦争の教訓の分析や、北朝鮮軍捕虜の尋問への参加などが含まれる見通しだ。この場合、軍の兵器体系の専門家や軍情報要員などが参加する可能性が高い。

 国防部は、戦況分析チームは国会の同意なしに派遣できるとみている。キム長官は24日、国会国防委員会による国政監査で「規模、期間、任務を考慮し、個別的な派兵は国会の同意なしに長官の承認のもとで進めることができる」と答えた。

 キム長官の主張は「国軍の海外派兵業務訓令」に基づいたものだ。同訓令は、海外派兵を「部隊単位」と「個人単位」に分け、個人単位の海外派兵は国会の同意なしに国防部長官の政策決定によって行われると明示している。この訓令は、李明博(イ・ミョンバク)政権時代の2009年8月に施行された。

 法律専門家らはこの訓令が「派兵をする時、国会の同意を得るよう強制」した憲法第60条2項の趣旨を無視しており、違憲だと指摘する。西江大学法科大学院のイム・ジボン教授は「憲法条項に根拠のないことをするのも違憲だが、憲法で明示した内容に逆らうものであれば、より明白な違憲」だと語った。法務法人「ヘマル」のイム・ジェソン弁護士は「韓国憲法が国軍の海外派遣を国会の同意事項にしたのは、軍事領域に対する行政府の権限を立法府が適切に牽制する憲法的決断であり、三権分立を象徴する代表的な規定」だとしたうえで、「この国会同意手続きは法律でも制限できないのに、これを長官が定める行政規則に過ぎない訓令で(国会の同意を)避けられるという主張は違憲そのもの」だと批判した。

 共に民主党のキム・ビョンジュ最高委員はこの日午前、最高委員会議で「参観団という名前で国会同意を避けるために派兵する姑息な手」だとし、「国軍を一人でも送れば派兵であり、国会の同意事項だ」と述べた。また「民主党はもし尹錫悦政権が国会同意なしにウクライナに参観団を送るならば、国防部長官の弾劾など様々な法的手段を講じる」と語った。市民団体では、憲法裁判所にこの訓令の権限争議審判を請求し、効力停止仮処分申し立てなども準備している。

 
 
チョ・テヨン国家情報院長、キム・ナムウ国家情報院基調室長、ファン・ウォンジン国家情報院第2次長、ユン・オジュン国家情報院第3次長が29日午前、ソウル瑞草区の国家情報院で開かれた国会情報委員会による国政監査に参加している=国会写真記者団//ハンギョレ新聞社
シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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