「私は、AIには本当に知能があるわけではなく、巨大言語モデルが言語を使用しているとも言えないと主張する予定だ。また、生成AIは芸術作品を作る道具ではないということも語ろうと思っている」

2024-05-29 08:36:06 | 科学最前線
 

SF小説家テッド・チャン

「AIに本当に知能がある?…そうは思わない」

登録:2024-05-27 01:27 修正:2024-05-27 07:43

 

6月12日の第3回「ハンギョレ人とデジタルフォーラム」 
成均館大学物理学科のキム・ボムジュン教授、テッド・チャンにインタビュー
 
 
世界的なSF作家テッド・チャン氏は6月12日、第3回ハンギョレ人とデジタルフォーラムに参加し、基調演説を行う。テッド・チャン氏は2023年にタイム誌の「AI分野で最も影響力のある100人」に選出されている=テッド・チャン提供//ハンギョレ新聞社

 6月12日に「人を超える人工知能(AI)、人間の価値も持ちうるのか?」をテーマに開催される第3回「ハンギョレ人とデジタルフォーラム」で基調演説を行うテッド・チャン氏にインタビューした。インタビューは、フォーラムでテッド・チャン氏と対談を行う成均館大学のキム・ボムジュン教授(物理学)がeメールでおこなった。

 テッド・チャン氏は、米国で活動する当代最高の科学小説(SF)作家だ。SF文学界で最も権威のある賞であるネビュラ賞とヒューゴ賞を複数回受賞している。短編小説『あなたの人生の物語』は2016年にドゥニ・ヴィルヌーヴ監督により映画化(『Arrival』、日本タイトルは『メッセージ』)され、大きな人気を集めた。テッド・チャンは最近、AIについて深く洞察した文章を複数発表し、大きな注目を集めている。特に昨年2月の「ChatGPTはウェブのぼんやりとした複製だ」と題する「ニューヨーカー」に寄稿したコラムは、AI論争の次元を高めたと評価されている。

-ハンギョレの読者に自己紹介を。

 「SF作家のテッド・チャンだ。短編小説集『あなたの人生の物語』、『息吹』を出している」

-あなたは大学で自然科学とコンピューター科学を専攻した。SF作家だけでなく、誰もが科学に親しむべきなのはなぜか。

 「宇宙のしくみを知ることは重要だ。まさに科学が私たちに教えてくれる知識だ。宇宙は、私たちの望むあり方で常に動いているわけではない。私たちの好みは宇宙に反映されない。例えば、米国では今も多くの人が自分の生まれた時の天体の位置が自分の性格を決定すると信じており、韓国でも血液型と性格には関係があると多くの人が信じている。人を特定のタイプに区分することは、心理的な安定を与えてくれるものに過ぎない」

-あなたの多くの作品は「もし~だったら」で始まる一種の「思考実験」にみえる。科学の思考実験とSFのそれとを比較すると?

 「SFの思考実験は科学分野のそれのように厳密である必要はない。SF小説の読者は『不信の猶予』(常識的には正しくない部分があっても気にせず物語に没頭する現象)を経験する。このような不信の猶予は小説では妥当だが、科学ではそれはありえない。科学者たちの思考実験は、科学を実際に発展させるために行われる。アインシュタインが望遠鏡で外を見ずに、ひとりで部屋の中で思考実験によって相対性理論を作り出したようにだ。SF作家は『子を産むことが禁止されている世の中であっても不死の人生は望ましいものなのだろうか』のような、哲学的な問いを文学作品にするために思考実験を利用する」

-あなたは、最近はAI批評で広く知られている。SF作家としての経験はAI問題について声をあげることに関係しているのか。

 「SF小説作家がAI技術者たちに向けてその想像を縛る必要があると言うのは、若干妙な状況だ。私たちが生きていく世の中で実際にどのようなことが起きるかについてのシナリオと、良い物語のためのシナリオは、区別することが必要だと思う。AI分野の多くの人は、コンピューターが人間より優れた知能を持つようになる瞬間、シンギュラリティー(特異点)について語る。『シンギュラリティー』という用語は米国のSF作家、バーナー・ビンジが提案したものだ。シンギュラリティーは小説では立派なアイデアであり、それをもとにした小説も好きだが、現実において苦悩する必要のあるアイデアではないと私は思う」

 
 
キム・ボムジュン教授がテッド・チャンの『あなたの人生の物語』を紹介している=ユーチューブより//ハンギョレ新聞社

-AIのことを解像度が低くてぼやけたウェブのイメージファイル(jpeg)として隠喩した1年前の「ニューヨーカー」のコラムは印象的だった。このような隠喩はなぜ重要なのか。隠喩の持つ力とは?

 「私は別のコラムで、AIを『マッキンゼー』に例えたことがあるが、この隠喩は実は成功とは言えないものだった。多くの人はコンサルティング企業マッキンゼーのことをよく知らないからだ。そこで私は、AIは資本主義の刃をさらに鋭くする『砥石(といし)』によく例える。考えていることは同じだが、より理解しやすく表現した隠喩だからだ。隠喩は私たちに馴染みのない概念をより容易に理解させてくれるという点で重要だ。英語の『握れるハンドルを得る(get a handle on something)』という表現は『理解しはじめる』ということを意味するが、隠喩の有用性についての比喩だといえる。隠喩は有用だが、それでも隠喩は真実ではないということを常に忘れてはならない。隠喩は私たちが理解をはじめるための一つのやり方だと思う」

 
 
テッド・チャンの小説集『あなたの人生の物語』//ハンギョレ新聞社

-個人的水準ではなく社会的水準においては、フィードバック的な発展が技術発展の重要な動力だと考える。AIも人間のように社会的学習ができるのか。社会を形成したAIが自分たちより良いAIを作り出すことはありうるか。

 「AIプログラム同士の相互作用は人間同士の相互作用と何ら共通点がない。AIは道具に過ぎない。道具に過ぎないAIをつなげて改善がなされたとすれば、それは単にその道具を利用する人間の優秀さを示すに過ぎない。遠い未来には、AIプログラムが本当に人間と同じになることもありうる。しかし、それに何の意味があるのか。すでに数十億人の人間がいるというのに。人々が協力して得られる大きな利益を望むなら、私たちはすでにどうすべきかをよく知っている。私は、AI開発の目標は、私たちが自分でできないことをできるようサポートする道具を作ることだと思う」

-あなたは、AIの時代に私たちは資本主義を手なずけなければならないと強調している。過去40年ほどの間、そして今も、私たちは経済的不平等の問題を解決できずにいる。あなたは資本主義の害悪を減らすためのAI破壊運動(ラッダイト)に言及してもいる。資本主義の問題を解決すために、私たちは何をすべきなのか。

 「簡単な解決策はない。より強い労働組合、そして労働者が投資家に代わって会社の所有者としてかかわることも有効であり得る。貸借対照表の数値だけで意思決定をする経営陣に代わって、労働者に重要な意思決定にかかわらせることもできる。ラッダイトになるということは、技術に反対することを意味するものではない。株主の利益よりも労働者の経済的正義に関心を持つこと。それが私の言うラッダイトだ。私たちが経済的正義を好む政策を望もうが、株主の利益を好む政策を望もうが、技術はどちらも支えうるということが重要だ」

-来月12日のハンギョレ人とデジタルフォーラムでどのようなことを語るのか。事前に紹介を。

 「私は、AIには本当に知能があるわけではなく、巨大言語モデルが言語を使用しているとも言えないと主張する予定だ。また、生成AIは芸術作品を作る道具ではないということも語ろうと思っている」

 
 
第3回ハンギョレ人とデジタルフォーラム//ハンギョレ新聞社
キム・ボムジュン|成均館大学物理学科教授 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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11月4日、中国初の国産大型クルーズ船「愛達・魔都(ADORA MAGIC CITY)」号が正式に命名され、引き渡された。「愛達·魔都」号は2024年1月1日に初の営業運航を開始する予定。

2023-11-06 10:07:07 | 科学最前線

初の国産大型クルーズ船が引き渡し 

中国造船業の「3粒の真珠」が揃う

人民網日本語版 2023年11月05日13:51
初の国産大型クルーズ船が引き渡し 中国造船業の「3粒の真珠」が揃う
 

11月4日、中国初の国産大型クルーズ船「愛達・魔都(ADORA MAGIC CITY)」号が正式に命名され、引き渡された。「愛達·魔都」号は2024年1月1日に初の営業運航を開始する予定。

「愛達·魔都」号は総トン数が13万5500トン、全長323.6メートル、幅37.2メートル、最大高度72.2メートル。全船に107系統、5万5000設備を搭載しており、部品数は2500万点に及び、4750キロメートルの電気ケーブルを敷設。客室数は2125室で、旅客定員は最大5246人。船内は16階にも及び、面積4万平方メートルの生活・娯楽用の公共スペースを備える。

中国船舶工業業界協会の李彦慶秘書長は、「中国はすでに航空母艦、大型液化天然ガス輸送船、大型クルーズ船を同時に建造する能力を備え、造船業の『3粒の真珠』が揃った」と語った。 (編集AK)

「人民網日本語版」2023年11月5日

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今回研究開発された超深水杭打ちハンマーの設計作業水深は、中国の主要海域をカバーできる。超深水杭打ちハンマー全体案の設計、重要中核部品の設計・製造など複数の重要技術を相次いで確立した。

2023-07-02 09:35:53 | 科学最前線

2500m級超深水杭打ちハンマーの海上試験が成功

人民網日本語版 2023年06月29日15:51
 

海洋石油工程股份有限公司が27日に明らかにしたところによると、中国が独自に研究開発した初の2500メートル級超深水杭打ちハンマーの海上試験が成功した。中国国内の超深水杭打ち中核設備の技術の空白を埋めた。人民日報が伝えた。

杭打ちハンマーは海洋油ガスや風力発電などの各種プラットフォームの海底基礎構築の重要設備だ。今回海上試験を行った超深水杭打ちハンマーの自重は約165トン、杭打ち直径は2.5メートルに達する。杭打ち中に内部構造の衝撃を利用し、生まれた衝撃力を杭本体に伝える。250標準気圧相当の強い海水圧力を受けながら、最速3時間で数千回の杭打ちを行い、長さ100メートルの鉄杭を海底に打ち込む。省エネで汚染が少なく適応性が高いといったメリットがある。

今回研究開発された超深水杭打ちハンマーの設計作業水深は、中国の主要海域をカバーできる。超深水杭打ちハンマー全体案の設計、重要中核部品の設計・製造など複数の重要技術を相次いで確立した。作業位置の制御精度が準メートル級に達し、総合性能で世界トップレベルに達した。これは中国の深海油ガス資源開発の加速、中国の国家エネルギー安全保障に対して重要な意義を持つ。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年6月29日

 

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「イタリア半島で人々が絶滅したのは驚くべきこと」だと、ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所のヨハネス・クラウゼ所長は語った。

2023-03-06 10:14:26 | 科学最前線
 

2万年前の「最終氷期極大期」、古代ヨーロッパ人の運命の分かれ目に

登録:2023-03-04 06:42 修正:2023-03-05 09:27
 
古代ヨーロッパ人の「ゲノムデータ」分析…「ネイチャー」に発表
 
 
遺伝的、考古学的資料に基づいて描かれた南東ヨーロッパの狩猟採集民の姿/ロイター・聯合ニュース

 古代ヨーロッパの狩猟採集民は「最終氷期極大期(LGM)」がピークに達した時、いかにして生き残ったのだろうか。「最終氷期極大期」とは北米と南米、ヨーロッパとアジア地域の大部分が氷河で覆われた時期で、人間にとっては過酷な環境だった。この時期を前後して暮らしていた古代人類に関する情報が3月1日、国際学術誌「ネイチャー」に発表された。

 同研究は氷期の集団的移動の様相をはじめとする先史時代のヨーロッパの人口力学を示している。研究チームは3万5千年から4千年前にヨーロッパと西アジアに住んでいた356人のゲノムデータを分析した。その結果、フランス、スペイン、ポルトガルを含め比較的暖かい地域に移動した一部の個体群は生き残り、イタリア半島に移動した他の個体群は絶滅したことが明らかになった。

 「これまで出てきたヨーロッパの狩猟採集民のゲノムデータの中で最も膨大だ」と、研究の筆頭著者でありドイツのテュービンゲン大学の古遺伝学者のコシモ・ポス氏は語った。中国北京大学の古生物学者であり同研究の共著者であるホ・ユ氏は「今回の研究は、人間がいかにして氷期に生き残ったのかについてこれまでの知識を一新するだろう」と付け加えた。

 
 
ドイツ西部で発見された1万4千年前の頭蓋骨=ユルゲン・ヴォ―ゲル提供(ライン州立博物館)//ハンギョレ新聞社

 現在の人類の祖先であるホモ・サピエンスは、少なくとも4万5千年前またはそれ以前にアフリカからヨーロッパに移り住んだ。当時、ヨーロッパの原住民だったネアンデルタール人は移住してきたホモ・サピエンスと共存し、遺伝的にも交流したが、絶滅した。狩猟採集民は多様な群れに分化しヨーロッパに広がり、狩りでマンモス、サイ、トナカイなどを捕獲するとともに、食用植物を採集して生活した。

 ところが、苛酷な「最終氷期極大期」が訪れたことで、彼らは生きるために移動を余儀なくされた。研究チームは、この時期生き残った人々がフランスとイベリア半島の一部地域に避難した狩猟採集民であることを発見した。これまで主な避難地と考えられていたイタリア半島に移動した人々は絶滅した。

 「イタリア半島で人々が絶滅したのは驚くべきこと」だと、ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所のヨハネス・クラウゼ所長は語った。

 同研究は、1万9千年前にバルカン半島から来た狩猟採集民がイタリア半島で再び暮らし始め、彼らの居住地域が次第にヨーロッパ全域に広がった事実も発見した。「約1万4千年から1万3千年の間に気候はだんだん暖かくなり、ヨーロッパの多くの地域は現在に類似した森の姿に変わってきた」と、研究の共著者ホ・ユ氏が明らかにした。

チェ・ムンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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6200万年前の初期の哺乳類であるパントラムダバトモドンの歯の化石を分析対象とした。イヌとブタを合わせたようなふっくらとした姿をしたこの草食動物は体重が42キロあり、当時最大の哺乳類だった。

2022-09-04 19:07:54 | 科学最前線
 

「2倍速の生」選んだ神秘の哺乳類…恐竜のニッチ獲得した秘訣

登録:2022-09-03 04:01 修正:2022-09-03 10:05
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[アニマルピープル] 
6200万年前の初期の哺乳類の歯の化石を精密分析 
妊娠期間7カ月…歯が生えそろい歩ける状態で出生
 
 
初期の哺乳類パントラムダバトモドン(Pantolambdabathmodon)の想像図。体重42キロで当時は最大の哺乳類だったこの草食動物は、子は長い妊娠期間を経て生まれ、速く成長し、早く死ぬというライフサイクルだった=H.シャープ提供//ハンギョレ新聞社

 1億7000万年間続いた恐竜時代が6600万年前の小惑星衝突で終わると、哺乳類の時代がやって来た。しかし、せいぜいネコほどの大きさだった初期の哺乳類がどのように生態系のニッチに収まり、ゾウやシロナガスクジラのような巨大な動物へと進化していったのかは依然として議論の的だ。

 恐竜の絶滅直後の初期の哺乳類は、長い妊娠期間と生後の「速く育って早く死ぬ」というライフサイクルによって、体を大きくしたり地球のあちこちに広がったりすることができたという研究結果が発表された。

 英国エディンバラ大学のグレゴリー・ファンストン博士らの国際研究陣は、1日付の科学ジャーナル「ネイチャー」掲載の論文で、「哺乳類の化石の歯の成長線と化学成分を分析するという方法で、太古の動物の一生を1日単位で再構成することに成功した」と発表した。

 研究者たちは、恐竜絶滅直後の6200万年前の初期の哺乳類であるパントラムダバトモドンの歯の化石を分析対象とした。イヌとブタを合わせたようなふっくらとした姿をしたこの草食動物は体重が42キロあり、当時最大の哺乳類だった。

 
 
初期の哺乳類パントラムダバトモドンの下顎の化石=グレゴリー・ファンストン提供//ハンギョレ新聞社

 研究者たちは、歯の化石を向こうが透けて見えるほど薄く切り、そこに現れる木の年輪と同様に生まれてからの時間が分かる成長線を分析するとともに、それをレーザーで気化させて化学分析を行った。

 筆頭著者であるファンストン博士は同大学の報道資料で「今回の研究は、絶滅した哺乳類の一生を1日単位でのぞき見ることのできる窓を開いた」、「これを通じて胎盤を用いる哺乳類の生活史と初期の進化史を知ることができた」と語った。

 研究の結果、この哺乳類の妊娠期間は7カ月で、1回に産む子をは1匹、生まれた時にはすでに目が開いており、歯も生え揃っていて、今日のキリンのように生まれてすぐに歩けたことが分かった。授乳期間は1~2カ月で終わり、1年以内に性成熟した。

 研究者たちは「ほどんどの個体は4歳ごろには死に、長く生きても11歳を超えることはできなかっただろう」、「似たような大きさの現生哺乳類と比べると2倍速い一生を送ったと言える」と述べた。

 研究に参加したスティーブン・ブルセット教授は「生まれる前に子宮の中で数カ月を過ごし、大きな子を産むことができたことは、恐竜時代にネズミほどの大きさだった小さな哺乳類を、今日のヒトからゾウやクジラに至る非常に多様な種へと進化させた秘訣だった」と語った。

 哺乳類は卵を産むカモノハシなどの単孔類、カンガルーなどの有袋類、有胎盤類の3種類に分けられるが、有胎盤類が圧倒的多数を占めている。有胎盤類は長い妊娠期間に胎児が母親から栄養分もらい、よく発達した状態で生まれることが成功の秘訣とされる。

 
 
    初期の哺乳類パントラムダバトモドンの骨格。右は子ども=S.シェリー提供//ハンギョレ新聞社

 ファンストン博士は、「(化石の成長線を分析するこの)新たな研究方法は、ちょうど歯に記された日記を読むようなもの」、「絶滅した太古の動物の毎日の暮らしが詳しく分かると期待している」と述べた。この研究方法は、人類の先祖である200万年前のアウストラロピテクスの化石分析に使われている。

 研究者たちは歯に刻まれた毎日の成長線を分析したが、これには生まれる時は亜鉛濃度が高く、授乳期にはバリウム濃度が高くなるなどの化学変化が記録されている。ファンストン博士は「分析によって母親がいつごろまで子どもを連れていたのか、乳はいつごろまで飲ませたのか、歯はいつ生えてきたのかなどが分かる」、「謎に包まれている一部の現生哺乳類よりも太古の哺乳類の方がよく知ることができる」と語った。

引用論文:Nature,DOI:10.1038/s41586-022-05150-w

チョ・ホンソプ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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