鴨緑江上流の両江道三水郡(サムスグン)から慈江道を経て、下流の平安北道新義州市下端里(ハダンリ)まで、沿岸に住む人々は水害を乗り越えようと格闘している。

2024-09-05 15:34:27 | 朝鮮を知ろう。
 

北朝鮮の水害現場はどこもトラックやショベルカー…

「重機なし」の報道も形無し(1)

登録:2024-09-05 01:23 修正:2024-09-05 10:14
 
 
2024年8月下旬、鴨緑江上流の両江道で、洪水で崩れた川辺の道路を補修し、倒れた電柱を建て直すために重機で作業する北朝鮮の人々//ハンギョレ新聞社
 
 
2024年8月下旬、丹東の虎山長城から眺めた鴨緑江下流の中州、於赤島(平安北道義州郡)。洪水で廃墟のようになってしまった北朝鮮の村が見える//ハンギョレ新聞社

 鴨緑江(アムノッカン)は無心だ。「7月27日、北部国境地帯と中国側の地域は記録的な豪雨に見舞われ、鴨緑江が危険水位をはるかに越えたことで、地形地物の見分けがつかないないほど深く浸水した地域」が発生したとの労働新聞の報道があったが、川はやはり何も語らない。後始末は人間の仕事だ。浸水被害が発生して1カ月が過ぎたが、雲峰(ウンボン)、望江楼(マンガンル)、文岳(ムナク)、渭原(ウィウォン)、水豊(スプン)、太平湾(テピョンマン)の各ダム(上流から順に)の、朝中が共同運営する鴨緑江の6つの水力発電所は、依然として膨大な量の水を水門の外へと流している。持ち主を失った片方の靴のように、あらゆる「暮らし」の跡が激しい流れに押し流されて西海(ソヘ)へと下る。

 
 
2024年8月下旬、鴨緑江の最大のダムであり、昭陽湖の4倍を超える貯水能力を持つ水豊ダムが放水している。7月下旬の鴨緑江沿岸の記録的な豪雨から1カ月以上にわたり、鴨緑江の朝中共同運営の6つの水力発電所は水門を開き、膨大な量の水を吐き出している//ハンギョレ新聞社

 鴨緑江は、貯水能力が昭陽湖(ソヤンホ)の4倍を超える水豊湖(スプンホ)を抱える朝鮮半島で最も長い川(803.3キロ)だ。南北を分断する軍事境界線(休戦ライン、248キロ=155マイル)の3.2倍以上の長さだ。それだけ氾濫被害も長い領域にわたって広がらざるを得ない。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長が7月28日に、平安北道新義州市(シンウィジュシ)と義州郡(ウィジュグン)の「水害被害現場」を訪れ、「平安北道と慈江道、両江道の鴨緑江沿岸の一部の郡内地域を特急災害非常地域と宣言」したのもそのためだ。鴨緑江上流の両江道三水郡(サムスグン)から慈江道を経て、下流の平安北道新義州市下端里(ハダンリ)まで、沿岸に住む人々は水害を乗り越えようと格闘している。

 
 
2024年8月下旬、丹東の虎山長城から眺めた鴨緑江下流の中州、於赤島(平安北道義州郡)のテント村。「人民大衆第一主義決死貫徹」というスローガンの掲げられた同村は「突撃隊」の仮住まいとみられるが、平壌に避難していない被災者も暮らしているかは確認する術がない//ハンギョレ新聞社

■鴨緑江沿岸は水害復旧作業中

 下端里は義州郡の西湖里(ソホリ)、カンウン里と共に「水害被害が大きい地域」として労働新聞に掲載された場所だ。鴨緑江の中州、威化島(ウィファド)にある。李成桂(イ・ソンゲ)が朝鮮建国の決定的契機とした「回軍」の舞台だ。「党から特別派遣された別動隊」と呼ばれる「白頭山(ペクトゥサン)英雄青年突撃隊」による浸水住居・建物撤去作業の真っ最中だ。対岸の丹東江辺公園からは、数百人の作業員とショベルカーやトラックなどの複数台の重機が忙しく動いているのが一目で分かる。暑さのせいで上半身裸でヘルメットもかぶっていない複数の若者が、洪水で屋根が流された2階建ての建物の上にのぼり、大きなハンマーで壁を壊している。

 
 
2024年8月下旬、丹東江辺公園から眺めた鴨緑江下流の平安北道新義州市下端里の水害復旧現場。洪水で屋根がなくなった2階建ての建物に突撃隊員がのぼって撤去作業にあたっている//ハンギョレ新聞社

 鴨緑江下流の於赤島(オジョクト、平安北道義州郡)は、洪水で村が廃墟となった。戦争廃墟のように家々が破壊された。ここも「突撃隊」による撤去・復旧作業の真っ最中だ。幅10メートルにも満たない鴨緑江を挟んで於赤島と向かい合っている丹東の虎山長城に登ると、廃墟となった北朝鮮の村とともに巨大な青いテント村が目に入る。「人民大衆第一主義決死貫徹」というスローガンの掲げられたテント村は「突撃隊」の仮住まいとみられるが、平壌(ピョンヤン)へと避難していない被災者も暮らしているかどうかは確認する術がない。虎山長城は高句麗の古城「泊灼城(パクチャンソン)」跡に建てられた山城で、中国が「万里の長城の東の起点」と主張する複雑な歴史を持つ場所だ。

 
 
2024年8月下旬、両江道金亨稷郡には平壌から派遣された「中央機関党員大隊」が投入された。多くの重機が道路に並び、多くの作業員が行き来しているのが一目でわかる。「金亨稷」は金正恩委員長の曽祖父。政治的象徴性の強い地域だ//ハンギョレ新聞社

 両江道の金亨稷郡(キムヒョンジックン)には平壌から派遣された「中央機関党員大隊」が投入された。大型トラック6台、ショベルカー2台、トラクター1台を含む多くの重機が川辺の道路に並び、多くの作業員が行き来しているのが一目で分かる。「金亨稷(キムヒョンジク)」は金正恩委員長の曽祖父だ。政治的象徴性の強い地域だ。金亨稷郡の羅竹里(ラジュンニ)の川辺では、数十人の突撃隊員が住宅再建工事に使用するレンガ作りに取り組んでいた。

 
 
2024年8月下旬、鴨緑江上流の両江道金亨稷郡羅竹里の川辺では、数十人の突撃隊員が住宅再建工事に使用するレンガ作りの真っ最中だ//ハンギョレ新聞社

 すべてが金正恩委員長による「今日の災害を地方開化の分水嶺に変えよう」、「全国家的な集中力と全人民的な動員力」を発揮して「農村の都市化、現代化、文明化の実現の手本、教科書的な実体にしよう」との督励に従った「実行」の動きだ。金委員長は、水害復旧への参加を志願した青年が「30万人」に達し、平安北道だけでも「13万人あまりの人民軍と青年たち」が投入されたと発表している。

 国策研究機関の北朝鮮専門家は、「鴨緑江沿岸の奥地の各水害復旧現場にトラックとショベルカーが入って作業している様子は驚くべきものだ」とし、「北朝鮮当局の危機管理能力と行政力は、大きく回復しているようだ」と述べた。「重機がないためシャベルとつるはしで作業をおこなっている」という正体不明の北朝鮮消息筋の主張に頼った韓国の有力放送局の「独自報道」も形無しになった。(2に続く)

文・写真/イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 
 

北朝鮮の水害現場はどこもトラックやショベルカー…「重機なし」の

報道も形無し(2)

登録:2024-09-05 09:05 修正:2024-09-05 10:27
 
 
2024年8月下旬のある日、中国遼寧省丹東の江辺公園では、丹東の市民たちが普段通り朝の体操をしているが、対岸の威化島下端里の壊れた家は、強い夏の日差しの下でも色を失っている。苦痛は分かち合い難し//ハンギョレ新聞社

(1の続き)

■苦痛は分かち合い難く、暮らしは厳しい

 鴨緑江(アムノッカン)は朝中国境に時には豊かさを、時には苦痛を与える。「自らそのような」自然のひょう変を幸または不幸にするのは人間、より正確には社会だ。苦痛は分かち合い難し。江辺公園では丹東の市民たちが普段通り朝の体操をしているが、対岸の下端里(ハダンリ)の壊れた家は、強い夏の日差しの下でも色を失ったままだ。鴨緑江断橋(タンギョ)の下から出る遊覧船は「指針」に則り、普段とは異なり威化島(ウィファド)の方へは行かない。朝鮮戦争での米軍の爆撃で切断された断橋は、習近平時代の「虹色観光」(社会主義愛国観光)の主要舞台だ。船着場の商人は「北朝鮮の要請があったと聞いている」と語る。被害を見せたくない北朝鮮の要請が先なのか、隣人の苦痛を見せ物にしないという中国当局の配慮なのかは分からない。

 苦痛を分かち合うことの難しさは、同じ共同体の中でも違いはない。水豊湖(スプンホ)の放水で倒れた国境の鉄条網を起こそうと必死になっている人民軍のそばで、川に飛び込んで投網をする人たちの姿が目に入った。慈江道満浦市(マンポシ)北の文岳洞(ムナクトン)の川辺の野では、北朝鮮の数十人の農民が、降り注ぐ雨の中で秋の種まきに忙しい。暮らしは厳しい。

 
 
2024年8月下旬のある日、鴨緑江沿岸の慈江道満浦市北の文岳洞の川辺の野で、北朝鮮の数十人の農民が降り注ぐ雨の中、秋の種まきに取り組んでいる//ハンギョレ新聞社

■大都市と農村の開発は続く

 にもかかわらず、鴨緑江沿岸の北朝鮮の風景の変化は大きく速い。新義州市(シンウィジュシ)の円筒形をした三つ子の住商複合マンションの間に2棟が新たに建つなど、新築の高層ビルが多数目につく。両江道の道庁所在地である恵山市(ヘサンシ)には「今年に入って20棟あまりの高層ビルが新たに建てられた」と、対岸の長白県の商人は語る。

 
 
2023年9月下旬、北朝鮮の朝中国境最大の都市、新義州市の鴨緑江沿岸に新たに建設された円筒形をした三つ子の住商複合マンション//ハンギョレ新聞社
 
 
2024年8月下旬、北朝鮮の朝中国境最大の都市、新義州市の鴨緑江沿岸の円筒型の住商複合マンション。2023年9月には3棟だけだったが、その間に新しい建物が作られつつある。新義州は工事中だ//ハンギョレ新聞社

 昨年秋、三水郡(サムスグン)の川辺の農村では、「突撃隊」による崩壊した平屋建て長屋の撤去作業が行われていたが(2023年10月4日付ハンギョレ1、4、5面)、いつの間にか3、4階建ての多くの農村文化住宅が新たに建てられていた。11カ月での変身だ。三水郡は、非常に困難な境遇に追い込まれたことを意味する「三水甲山(カプサン)に行こうとも」という比喩を生んだ朝鮮半島の奥地中の奥地だ。平安北道定州(チョンジュ)生まれの詩人の白石(ペクソク)が「派遣」の名のもとに配流され、協同農場でつらい労働をさせられた地域でもある。

 
 
2023年9月下旬、鴨緑江上流の両江道三水郡の農村。突撃隊によって古い農村の住宅の撤去作業が行われている//ハンギョレ新聞社
 
 
2024年8月下旬、鴨緑江上流の両江道三水郡の農村。2023年9月には農村の古い住居の取り壊し作業の真っ最中だったが、11カ月の間に3、4階建ての多くの農村文化住宅が建てられていた//ハンギョレ新聞社

 鴨緑江沿岸のすべての地域が急速に変化しているわけではない。新義州や恵山のような大都市と沿岸の農村には新しい建物が急速に建設されているが、満浦市、金亨稷邑(キムヒョンジグプ)、金貞淑邑(キムジョンスグプ)のような中小都市には目立った変化がない。韓国のイ・ジョンソク元統一部長官は、「金正恩(キム・ジョンウン)式のセマウル運動で都市と農村の格差が縮まっている一方で、大都市と中小都市との間の発展の偏差が拡大することもありうるだろう」と指摘した。

 
 
2023年9月下旬、中国吉林省臨江市望江村と鴨緑江を挟んで向かい合う慈江道中江郡の農村//ハンギョレ新聞社
 
 
2024年8月下旬の同じ農村。上の写真と比較すると、7月下旬の氾濫で川辺の大木が流され、青屋根の大型施設と複数の住宅が破壊されている。オレンジ瓦の新しい住宅と村の外郭の4階建ての住宅の存在は、この村が再開発のさなかに水害に襲われたことを証言する//ハンギョレ新聞社

■水害と農村開発のはざまで

 鴨緑江沿岸の北朝鮮の農村は、「古い家を壊して新しい家を建てる」という希望と、残酷な水害という絶望のはざまのどこかにある。中国吉林省臨江市の望江村と鴨緑江を挟んで向かい合う慈江道中江郡(チュンガングン)の農村は特にそうだ。7月下旬の鴨緑江の氾濫では川辺にあった大木が流され、大型の施設(青い屋根)と多くの住宅が破壊された。2023年9月下旬と比べると、原色の村の風景は色を失っている。写真中央左上のオレンジ瓦の10軒あまりの新しい家と、村の外郭の4階建ての新しい家の存在は、この村が再開発のさなかに水害に襲われたことを証言する。国境地帯の北朝鮮の村を長きにわたって観察してきたある北朝鮮研究者は、「この村は鴨緑江沿岸の北朝鮮の現実、変化、指向を見せてくれる象徴的空間」だと語った。中江郡は朝鮮半島で最も寒い地域だ。この村の人々が、冬の到来前に新しい家を建てて寒さをしのげるかは知る由もない。村の左の砂地では、住宅用のレンガを作る人と重機が忙しく動いている。金正恩委員長は「(復興)住宅の建設が終わり、生活が安定するまで2、3カ月」が必要だと述べている。(3に続く)

文・写真/イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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「今の北朝鮮は再び挑発を続けている」とし、「しかし、われわれが再会すれば、私は彼らとうまくやれる。彼はおそらく私に会いたがるだろうし、懐かしく思うだろう」と述べた。

2024-07-20 10:40:40 | 朝鮮を知ろう。

トランプ前大統領

「ラブレター」交わした金正恩委員長に「私に会いたがるだろう」

登録:2024-07-20 08:38 修正:2024-07-20 09:42

 

「核兵器を多く持つ彼と仲良くするほうがいい」
 
 
米国のドナルド・トランプ前大統領が18日、共和党全党大会の会場で指名受諾演説をしている/AFP・聯合ニュース

 米国の共和党大統領候補に選出されたドナルド・トランプ前大統領が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に対する格別の連帯感を誇示した。

 トランプ前大統領は、共和党全党大会の最後日の18日(現地時間)、指名受諾演説で「私は北朝鮮の金正恩とうまくやってきた」とし、「メディアはそれを嫌った。どうやって彼とうまくやっていけるのかと言った」として、金委員長を引き合いに出した。

 トランプ前大統領は在任中、金委員長と歴史上初の朝米首脳会談を実現させた。ハノイ会談は「ノーディール」で終わり、実質的な成果を引き出すことはできなかったが、その後も退任時まで、いわゆる「ラブレター」と呼ばれた親書を交わし、金委員長と個人的に親交を続けた。

 トランプ前大統領は先月27日、米国のジョー・バイデン大統領との初めてのテレビ討論でも、北朝鮮の金正恩委員長について何回も話題にした。

 トランプ前大統領はこの日の演説で「多くの核兵器を持つ者と仲良くすることは良いこと」だとしたうえで、「どうやってそんなことができるのかと言うが、私は彼らとうまくやってきたし、われわれは北朝鮮のミサイル発射を中断させた」と述べた。

 また、「今の北朝鮮は再び挑発を続けている」とし、「しかし、われわれが再会すれば、私は彼らとうまくやれる。彼はおそらく私に会いたがるだろうし、懐かしく思うだろう」と述べた。

パク・ヒョンチョル記者、聯合ニュース (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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 ひとまずプーチン大統領と金委員長が4時間近い会談の後の共同メディア発表で、同協定に「『侵略された場合の相互支援』条項が含まれた」と発表したことから、朝ロ密着はさらに強化されたものとみられる。

2024-06-20 11:18:17 | 朝鮮を知ろう。
 

朝ロ超密着、「同盟」には温度差…自動軍事介入の復活は不透明

登録:2024-06-20 06:03 修正:2024-06-20 08:14

 

朝ロ関係の新たな法的文書「協定文」、全文は霧の中 
2000年の新条約も未公開…「同盟」の表現めぐり朝ロの認識の違いも
 
 
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長が19日昼、平壌の金日成広場で開かれた歓迎式で並んで歩いている=平壌/ロイター・聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は19日午後、平壌(ピョンヤン)の錦繍山迎賓館で行われた首脳会談で、「反米連帯」を動力に「多極化した新しい世界秩序」を目指す朝ロの「長期関係の構築」を誓った。プーチン大統領の24年ぶりの訪朝を機に、朝ロ関係を再設定した「包括的戦略パートナー協定」(協定)がそれだ。

 金委員長とプーチン大統領が再設定した新たな朝ロ関係の内容については、まだ正確に把握できない。朝ロ関係の新たな法的基盤文書の役割を果たす「協定」の全文が公開されていないためだ。

 ひとまずプーチン大統領と金委員長が4時間近い会談の後の共同メディア発表で、同協定に「『侵略された場合の相互支援』条項が含まれた」と発表したことから、朝ロ密着はさらに強化されたものとみられる。プーチン大統領は「韓米日軍事演習の拡大は地域の安全保障を脅かし、平和を弱める」と述べた。金委員長も新協定は「平和的かつ防御的」だと主張した。

 カギとなるのは「相互支援」の具体的条件と内容だ。今回の「協定」署名以前に両国関係の法的基盤文書の役割を果たしてきた2000年2月19日締結の「友好善隣協力条約」(新条約)も、今回の新協定のようにまだ全文が公開されていない。朝ロ両国はプーチン大統領の2000年7月19日の初訪朝の際に採択した「朝ロ共同宣言」第2条で、「協議と相互協力をする必要がある場合、直ちに互いに接触」することを約束した。一方、冷戦期の1961年7月6日に締結した「友好協力相互援助条約」(旧条約)は、一方が侵略またはその危険に直面した場合、「あらゆる措置を共同で取る義務」(軍事的自動介入)を第1条に明示した。

 金委員長が共同メディア発表の際、朝ロが「同盟関係に上がった」とし、「偉大な朝ロ同盟関係は今日、この場で初めて歴史の錨を上げて出港を知らせた」と繰り返し強調したことから、新協定の方向性は2000年の新条約より1961年の「同盟」条約に近い可能性がある。しかし、金委員長と違って、プーチン大統領が共同メディア発表の間に一度も「同盟」という言葉を使っていない事実も見逃してはならない。対内外的にロシアとの超密着ぶりを誇示しようとする北朝鮮と、韓国や中国など北東アジア周辺国との関係を管理しようとするロシアの認識の相違が明らかになったとみることができる。

 問題は「相互支援」に法的拘束力を持つ「自動介入」義務があるかどうかだ。同じ「相互支援」でも自動介入義務があるかないかの違いは明らかだ。例えば、韓米同盟条約には自動介入義務がなく、朝中条約には自動介入義務条項がある。韓米相互防衛条約は第3条に「共通の危険に対処するために各自の憲法上の手続きに従って行動すること」を明示し、「自動介入」の義務を排除した。「憲法上の手続き」とは、米軍が韓国を支援して戦争行為をするには議会の承認を受けなければならないという意味だ。一方、1961年7月11日に締結された朝中「友好協力相互援助条約」は、「あらゆる力を尽くして直ちに軍事的およびその他の援助を提供する」という文言で「自動介入義務」を明示した。

 韓国国家情報院と大統領府で長く働いた元政府高官は「海外メディアの報道を見る限り、朝ロ新協定は1961年の『同盟』条約より2000年の新条約に近いように思えるが、確実なのは前文を見ないと分からない」と語った。韓国国防研究院のドゥ・ジンホ国際戦略研究室長も「相互支援が直ちに自動介入条項を意味するわけではない」とし、「金正恩委員長は数回にわたり強力な同盟を強調したが、プーチン大統領が同盟という言葉を一度も使わなかった点に注目する必要がある」と指摘した。もし、朝ロ新協定に「自動介入条項」が明示されたとすれば、これは1990年9月30日に行われた韓国とソ連の国交正常化以後、30年以上蓄積されてきた南北ロ3カ国関係を根本から揺るがす恐れがある。

イ・ジェフン先任記者、パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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金委員長とプーチン大統領が再設定した新たな朝ロ関係の内容については、まだ正確に把握できない。朝ロ関係の新たな法的基盤文書の役割を果たす「協定」の全文が公開されていないためだ。

2024-06-20 11:01:13 | 朝鮮を知ろう。
 

朝ロ超密着、「同盟」には温度差…自動軍事介入の復活は不透明

登録:2024-06-20 06:03 修正:2024-06-20 08:14

 

朝ロ関係の新たな法的文書「協定文」、全文は霧の中 
2000年の新条約も未公開…「同盟」の表現めぐり朝ロの認識の違いも
 
 
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長が19日昼、平壌の金日成広場で開かれた歓迎式で並んで歩いている=平壌/ロイター・聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は19日午後、平壌(ピョンヤン)の錦繍山迎賓館で行われた首脳会談で、「反米連帯」を動力に「多極化した新しい世界秩序」を目指す朝ロの「長期関係の構築」を誓った。プーチン大統領の24年ぶりの訪朝を機に、朝ロ関係を再設定した「包括的戦略パートナー協定」(協定)がそれだ。

 金委員長とプーチン大統領が再設定した新たな朝ロ関係の内容については、まだ正確に把握できない。朝ロ関係の新たな法的基盤文書の役割を果たす「協定」の全文が公開されていないためだ。

 ひとまずプーチン大統領と金委員長が4時間近い会談の後の共同メディア発表で、同協定に「『侵略された場合の相互支援』条項が含まれた」と発表したことから、朝ロ密着はさらに強化されたものとみられる。プーチン大統領は「韓米日軍事演習の拡大は地域の安全保障を脅かし、平和を弱める」と述べた。金委員長も新協定は「平和的かつ防御的」だと主張した。

 カギとなるのは「相互支援」の具体的条件と内容だ。今回の「協定」署名以前に両国関係の法的基盤文書の役割を果たしてきた2000年2月19日締結の「友好善隣協力条約」(新条約)も、今回の新協定のようにまだ全文が公開されていない。朝ロ両国はプーチン大統領の2000年7月19日の初訪朝の際に採択した「朝ロ共同宣言」第2条で、「協議と相互協力をする必要がある場合、直ちに互いに接触」することを約束した。一方、冷戦期の1961年7月6日に締結した「友好協力相互援助条約」(旧条約)は、一方が侵略またはその危険に直面した場合、「あらゆる措置を共同で取る義務」(軍事的自動介入)を第1条に明示した。

 金委員長が共同メディア発表の際、朝ロが「同盟関係に上がった」とし、「偉大な朝ロ同盟関係は今日、この場で初めて歴史の錨を上げて出港を知らせた」と繰り返し強調したことから、新協定の方向性は2000年の新条約より1961年の「同盟」条約に近い可能性がある。しかし、金委員長と違って、プーチン大統領が共同メディア発表の間に一度も「同盟」という言葉を使っていない事実も見逃してはならない。対内外的にロシアとの超密着ぶりを誇示しようとする北朝鮮と、韓国や中国など北東アジア周辺国との関係を管理しようとするロシアの認識の相違が明らかになったとみることができる。

 問題は「相互支援」に法的拘束力を持つ「自動介入」義務があるかどうかだ。同じ「相互支援」でも自動介入義務があるかないかの違いは明らかだ。例えば、韓米同盟条約には自動介入義務がなく、朝中条約には自動介入義務条項がある。韓米相互防衛条約は第3条に「共通の危険に対処するために各自の憲法上の手続きに従って行動すること」を明示し、「自動介入」の義務を排除した。「憲法上の手続き」とは、米軍が韓国を支援して戦争行為をするには議会の承認を受けなければならないという意味だ。一方、1961年7月11日に締結された朝中「友好協力相互援助条約」は、「あらゆる力を尽くして直ちに軍事的およびその他の援助を提供する」という文言で「自動介入義務」を明示した。

 韓国国家情報院と大統領府で長く働いた元政府高官は「海外メディアの報道を見る限り、朝ロ新協定は1961年の『同盟』条約より2000年の新条約に近いように思えるが、確実なのは前文を見ないと分からない」と語った。韓国国防研究院のドゥ・ジンホ国際戦略研究室長も「相互支援が直ちに自動介入条項を意味するわけではない」とし、「金正恩委員長は数回にわたり強力な同盟を強調したが、プーチン大統領が同盟という言葉を一度も使わなかった点に注目する必要がある」と指摘した。もし、朝ロ新協定に「自動介入条項」が明示されたとすれば、これは1990年9月30日に行われた韓国とソ連の国交正常化以後、30年以上蓄積されてきた南北ロ3カ国関係を根本から揺るがす恐れがある。

イ・ジェフン先任記者、パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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18日~19日に予定されているロシアのウラジーミル・プーチン大統領の北朝鮮訪問の歴史的・戦略的・情勢的意味を読み解くキーワードは「9カ月」と「24年」だ。

2024-06-18 20:02:48 | 朝鮮を知ろう。
 

朝ロ首脳会談、

「有事の際の自動軍事介入」復活するかが最大の関心事(1)

登録:2024-06-18 06:15 修正:2024-06-18 10:47
 
プーチン大統領の24年ぶりの訪朝の意味 
朝ロ首脳、9カ月ぶりに再び会談 
ウクライナ戦争の渦中で、朝ロの密着が急速に進む
 
 
昨年9月、ロシア・アムール州のボストーチヌイ宇宙基地で会った北朝鮮の金正恩国務委員長(右から2番目)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(左から2番目)/タス・聯合ニュース

 18日~19日に予定されているロシアのウラジーミル・プーチン大統領の北朝鮮訪問の歴史的・戦略的・情勢的意味を読み解くキーワードは「9カ月」と「24年」だ。

 まず、昨年9月13日、ロシア・アムール州のボストーチヌイ宇宙基地で金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と会ってから9カ月ぶりの首脳会談だ。ロシアとウクライナ戦争の渦中に進んだ朝ロ密着の強さと趨勢を示している。

 24年ぶりの訪朝という事実はさらに重要だ。プーチン大統領はロシア連邦第2代大統領に正式に就任(2000年5月7日)して2カ月後の2000年7月19~20日に訪朝した。1922年のソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)建国以来、北朝鮮の地を踏んだ唯一無二の旧ソ連・ロシアの最高指導者だ。少なくとも北朝鮮にとってプーチン大統領の24年ぶりの訪朝は「歴史的」なものにならざるを得ない。

 「9カ月ぶりの会談」に込められた情勢対応、「24年ぶりの訪朝」の歴史的・戦略的布石の交差点から導き出される朝ロ首脳会談の結果は、朝ロ関係の行方はもちろん、北東アジア情勢とグローバルな国際政治に重大な含意を持つ。

■ 朝ロ関係の再設定

 最大の関心事は、金正恩委員長とプーチン大統領が2国間関係をどのように再設定するかだ。2000年2月19日に採択した朝ロ「親善・善隣・協調条約」(新条約)を改正するかどうか、するならどのように変えるかに関心が集まっている。北朝鮮のチェ・ソンヒ外相は1月にモスクワでプーチン大統領への表敬訪問と外相会談を行ってから帰国した直後、北朝鮮官営の「労働新聞」に掲載された「公報」で、朝ロ関係を「新たな法律的基礎」の上に築くことで「満足のいく合意」をしたと発表した。したがって「双務関係全般の基本法的文書」である「新条約」を改正する可能性もある。

 韓ロ関係のような「戦略的協力パートナー関係」のレベルに合わせるのか、「有事の際の自動軍事介入」の義務を復活させ冷戦期の同盟関係を復元するのかをめぐり、様々な予測が飛び交っている。朝ロは旧ソ連時代の1961年7月6日に結んだ「友好・協調・互援助条約」(61年条約)では「自動介入」と「核の傘」が第1条と第2条に明示されたが、新条約ではいずれも除外された。「自動介入」条項の存廃をめぐる朝ロの対立で、条約満了期限の1996年に条約延長が中断されたためだ。新条約の全文は公開されなかったが、新条約の採択から5カ月後の2000年7月、プーチン大統領の訪朝時に発表した「朝ロ共同宣言」は第2条で、「協議と相互協力が必要な場合、直ちに互いに接触」すると明示した。「自動介入」が「直ちに接触」へと弱まったのだ。

 ところが、チャン・ホジン国家安保室長は16日の放送でのインタビューで、プーチン大統領の訪朝を控えて「『一定の線を越えるな』という警告を込めて意思疎通を(ロシア側と)行った」と述べており、韓国政府高官は「同盟に似た条約になるかもしれない」と語った。「自動介入」が含まれた同盟条約に改正される可能性があるという話だ。

 だが、多数の元高官や専門家たちは「自動介入」条項が含まれた同盟条約が結ばれる可能性は低いとみている。「ロシアの対外戦略と国家利益に合致しない」ということだ。実際、プーチン大統領は5日、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムの開幕記者会見で「韓国政府との協議で、ロシアに対するいかなる嫌悪的態度も見られなかった。朝鮮半島全体と関連し、両国関係の発展に関心がある」と述べた。韓国とも北朝鮮とも関係発展を追求したいという意味だ。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の懸念とは裏腹に、北朝鮮も「自動介入」条項の復元を望んでいないという指摘もある。国家情報院の北朝鮮情報分析局長を務めたチャン・ヨンソク・ソウル大学統一平和研究院客員研究委員は、「自動介入条項の復元は、北朝鮮がロシアに軍事的に従属するという意味だが、『核武力の強化で戦争を抑止できるようになった』と人民に宣伝してきた金正恩委員長の選択肢になるとは考えにくい」と語った。

■ 朝ロ協力の拡大

 朝ロは昨年9月の首脳会談以後、経済、議会、外交、政党、地方政府、農業、文化、教育、保健、林業、青年、情報分野などの高官級の相互訪問を通じて協力を模索してきた。プーチン大統領の訪朝を機に、様々な分野の協力文書が発表される可能性がある。

 中でも軍事協力の内容が、南北ロ関係においてもっとも敏感な問題だ。朝ロの軍事協力は、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議違反であるだけでなく、韓ロ関係に否定的な影響を及ぼす。ただし、ロシアが北朝鮮に攻撃用兵器を提供し、核・ミサイル関連の先端軍事技術を支援するのは韓ロ関係の「レッドライン」(禁止線)を越えるものであり、実行可能性は高くないというのが大方の専門家たちの見解だ。外交安保分野の高官は「ロシアは旧ソ連時代にも北朝鮮に先端戦略軍事技術・兵器を提供したことがない」と語った。チャン・ホジン国家安保室長も4月27日の放送でのインタビューで、「懸念の均衡」という表現で、韓ロいずれも相手の「レッドライン」を意識していることをほのめかした。

 そのため、経済分野ではロシアがより協調的な姿勢を見せる可能性が高い。エネルギー不足が深刻な北朝鮮に天然ガス・原油を提供したり、人材不足である極東地方の開発に北朝鮮の労働者を使ったりする案だ。いずれも国連の対北朝鮮制裁の対象だが、制裁の境界線すれすれの協力を模索する可能性がある。朝ロは昨年9月の首脳会談後、沿海州政府代表団の訪朝(2023年12月、2024年3月)と羅津・先鋒市の人民委員会代表団の沿海州訪問(5月12~18日)などで国境地域の協力を模索してきた。

(2に続く)

 

朝ロ首脳会談、

「有事の際の自動軍事介入」復活するかが最大の関心事(2)

登録:2024-06-18 06:11 修正:2024-06-18 11:01

 

プーチン大統領の24年ぶりの訪朝の意味 
朝ロ首脳、9カ月ぶりに再び会談 
ウクライナ戦争の渦中、朝ロの密着急速に進む
 
 
5月16日に北京を訪問したロシアのウラジーミル・プーチン大統領が中国の習近平国家主席と共に儀仗隊を査閲する姿=ロシア大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 

■「北朝鮮の核」問題への対応は

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、昨年9月の北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との首脳会談の際、非核化に触れることも、北朝鮮の核を容認するような発言もしなかった。ただし、3月13日の大統領選挙直前、自国メディアとの会見で「北朝鮮に核の傘を提供する用意があるか」という質問に、「朝鮮民主主義人民共和国は独自の核の傘を持っている。彼らはわれわれに何も要請していない」と答えた。公の場で北朝鮮を「核保有国」として認める初の発言だという分析が多かったが、「核の傘」を提供するつもりはないという意味ともとれる発言だ。

 「北朝鮮の核」問題に関するプーチン大統領のより直接的・公式的な態度は、5月16日に中国の習近平国家主席と北京での首脳会談後に発表した共同声明に、「米国とその同盟国による朝鮮半島の緊張を高める動きに反対」すると共に「北朝鮮と関連国家の交渉過程再開の要求」を明示することで明らかになった。核をめぐり「交渉はない」という金正恩委員長に「交渉の再開」を求めたのだ。ある外交筋は「ロシア側の関係者は『朝鮮半島の非核化はロシアの揺るぎない路線』だとし、『北朝鮮との関係強化を核武装への賛成と取り違ってはならない』という話をよく聞く」と伝えた。核をめぐる朝ロ首脳の協議が公開されるかどうか、見守る必要がある。

 
 
中国の吉林省防川の龍湖楼から眺めた豆満江の下流。遠く「朝ロ友好橋」(鉄橋)の向こうが東海に出る豆満江下流だが、中国は法的権限を行使できない朝ロ国境が東海まで15~17キロメートル=イ・ジェフン記者//ハンギョレ新聞社

■ 朝中ロ、豆満江河口をめぐる協力は

 金委員長とプーチン大統領が、中国との関係設定、すなわち朝中ロ3カ国の協力問題に関してどんな話を交わすかも関心事だ。これに先立ち、プーチン大統領は5月に習近平主席とともに発表した共同声明で、「双方は豆満江(トゥマンガン)下流を航行する中国船舶問題と関連し、朝鮮民主主義人民共和国と建設的な対話を行うことにした」と明らかにした。

 中国は北朝鮮と鴨緑江(アムノッカン)と豆満江を挟んで1334キロメートルに及ぶ長い国境を接しているが、東海(トンヘ)に流れる豆満江下流15~17キロメートル区間は、中国に法的権限のない朝ロの国境だ。中国が1860年の北京条約で帝政ロシアに60万平方キロメートルに及ぶ沿海州を奪われたためだ。中国は「借港出海」、すなわち港を借りて海に出る戦略を掲げているが、これまで東海に行く航路を開けていないのは朝ロの「非協力」のためだということを示している。中国が東海港を確保できるかどうかが、朝中ロ3カ国協力を計る試金石の一つに挙げられてきたのもそのためだ。今回の朝ロ会談で、中ロ会談での共同声明につながる「豆満江河口をめぐる3カ国協力案」が出るかを見守る必要がある。

 ただし、金委員長とプーチン大統領が中国との「3カ国協力」に速度を上げようとしない可能性もある。金委員長は朝中国交正常化75周年を迎え、1月1日に習近平主席とともに「朝中親善の年」を自ら宣言したが、最近の朝中関係には「異常兆候」が見られる。北朝鮮が今年5月27日にソウルで開かれた韓中日3カ国首脳会議の共同宣言に対し、「乱暴な内政干渉」と非難する外務省報道官談話を発表したことや、プーチン大統領の訪朝時期に中国がソウルで韓国と次官級外交安保対話をすることがそれに当たる。

 プーチン大統領が習近平主席と北京で会談を行った後、ベラルーシ(5月23~24日)→ウズベキスタン(26~28日)→北朝鮮(6月18~19日)→ベトナム(19~20日)を回りながら連続で二国間首脳会談を行うことについて、専門家たちは「従属傾向の強い対中国関係においてバランスを取ろうとする戦略的動き」であり、「北東アジアとインド太平洋地域で戦略的空間を確保しようとする試み」だとみている。北朝鮮、中国、ロシアの3カ国の思惑は依然として複雑だ。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 
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