予備軍に対する部分的動員令を発表する国民向け演説で、「我々の領土的完全性が脅かされるなら、ロシアとロシア人を守るため、可能なあらゆる手段を確実に使う」と警告した。それと共に「これは脅しではない」と

2022-09-30 09:17:06 | ロシア帝国主義とアメリカ帝国主義

ロシア、「防衛」の名分掲げ核脅威のレベル高めるか…

西欧と「チキンゲーム」

登録:2022-09-29 06:10 修正:2022-09-29 08:04
 
ウクライナ戦争、新たな局面に突入
 
 
                              ロシアのウラジーミル・プーチン大統領/ロイター・聯合ニュース

 ロシア軍に占領されたウクライナ4州で23~27日に行われた住民投票で、予想通り「編入賛成」の結果が28日に出たことで、ウクライナ戦争はもはや以前とは全く異なる局面に入ることになった。ロシアがこの地域を編入した後、これらの地域に向けたウクライナの攻勢を「自国」に対する攻撃とみなし、核脅威のレベルを極端に引き上げることも可能になったためだ。ウクライナ東南部4州を巡るロシアと西欧の巨大な「チキンゲーム」が始まったわけだ。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は21日、予備軍に対する部分的動員令を発表する国民向け演説で、「我々の領土的完全性が脅かされるなら、ロシアとロシア人を守るため、可能なあらゆる手段を確実に使う」と警告した。それと共に「これは脅しではない」とも付け加えた。ウクライナがロシアに編入済みのルハンスク、ドネツク、ヘルソン、ザポリージャの4州を奪還するために攻撃してくるならば、核で報復しうると威嚇したのだ。ロシア国家安全保障会議のドミトリー・メドベージェフ副議長も27日、「大規模な攻撃行為で我が国の存立を脅かしたウクライナ政権に、最も恐ろしい兵器を使うことを想像してみよう」と述べ、改めて露骨な核脅威を加えた。しかし、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は21日、国連総会の演説で、失われた領土の回復だけでなく侵攻の責任があるロシアとプーチン大統領に対する処罰まで求めている状況だ。

 住民投票に対する立場もはっきり分かれている。ロシアは住民の意思が適法に表現された結果という立場である一方、米国など主要7カ国(G7)の外相らは21日に発表した共同声明で、「すべての国に投票結果を認めないよう求める」と呼びかけた。米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は同日、さらに一歩進んで投票の効力を認めないという安全保障理事会決議を進める方針を示した。

 表には出さないが、今回の住民投票により西欧とウクライナは事実上、核戦争の危険性を受け入れてまで戦争を続けるべきかという大きな実存的な悩みを抱えることになった。これまでプーチン大統領とロシア当局者の発言を踏まえると、これを単なる脅しとは言い切れないからだ。

 米国と欧州同盟国はまず、ロシア軍に対する偵察と情報活動の強化に乗り出した。「ポリティコ」は27日、ロシアの核戦力および使用戦略に関する情報にアクセスできる匿名の米当局者の話として、米国が「(ロシアを)より密着して監視している」と報じた。彼らが注意深く観察する地域は、ポーランドとリトアニアの間に挟まれたロシアの域外領土であるカリーニングラードだ。米軍偵察機が先週、偵察活動を強化するため、この周辺地域を飛行した。ここにはロシアのバルト艦隊の司令部があり、通常弾頭と核弾頭をいずれも搭載できる「二重用途」の兵器が配置されている。ロシアは今年5月、ここで核搭載が可能な「イスカンデル」ミサイルの模擬発射訓練を実施した。

 米国軍・情報当局は、ロシアがメガトン級の爆発力を持つ戦略核兵器を使用し、全面的核戦争の危険を冒す可能性は極めて低いとみている。しかし、ウクライナの軍事的標的や都市、または荒れ地に戦術核兵器を使用して抗戦の意志をくじき、西欧の支援を遮断する可能性は完全に排除できない状況だ。 ロシアは戦術核弾頭約1900発を保有していると推定される。 さらに大きな問題は、戦術核兵器の発射可能性を事前に探知することが事実上不可能だという点だ。軍用機だけでなく野戦砲やクルーズミサイル、魚雷など他の多様な運搬装置を使うことも考えられる。

キル・ユンヒョン記者、ワシントン/イ・ボニョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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キム大使は「いま朝鮮半島の安保環境は、米国とその追従勢力のますますひどくなる対朝鮮敵対施策によって緊張の激化と対決の悪循環から抜け出せずにおり、最近はさらに厳しい危険へと突き進んでいる」

2022-09-29 10:00:22 | 北朝鮮:国連の舞台へ

北朝鮮の駐国連大使

「韓米合同演習、戦争の導火線に火をつける行為」

登録:2022-09-27 09:11 修正:2022-09-27 13:05
 
東海での米空母を投入した合同海上演習を強く非難 
「米国がわが国の核兵器法令を採択させた」
 
 
北朝鮮のキム・ソン国連大使/聯合ニュース

 北朝鮮のキム・ソン国連大使は26日、第77回国連総会の一般討議演説で、この日から韓米が東海(トンヘ)で行っている合同海上演習について「明白に朝鮮半島情勢を戦争の接境へと追い込む導火線に火をつける、非常に危険千万な行為だ」と非難した。

 キム大使は「いま朝鮮半島の安保環境は、米国とその追従勢力のますますひどくなる対朝鮮敵対施策によって緊張の激化と対決の悪循環から抜け出せずにおり、最近はさらに厳しい危険へと突き進んでいる」と話した。さらに「米国はこの時刻にも朝鮮半島周辺で非常に深刻な憂慮を生む合同軍事演習を展開しようとしている」とし、今回の演習を非難した。韓米はこの日から29日まで、東海で米空母ロナルド・レーガンをはじめとする艦艇を投入し、合同演習を行う。

 キム大使は、北朝鮮が今月8日に先制攻撃の可能性を開いた「核武力政策」法令を採択したことについて、「米国とその追従勢力の変わらぬ敵視政策と軍事的脅威から自己の主権と根本利益を守り、朝鮮半島と地域の平和と安全を保障するための正解を見出したもの」と述べた。また「米国は朝鮮民主主義人民共和国が米国の敵視に抵抗し、核武力政策法令まで採択せざるを得ないようにした」と述べた。

 また「数日前にも米大統領はまさにこの席で、いわゆる真剣で持続的な外交を始めようとする努力にもかかわらず、朝鮮民主主義人民共和国が国連制裁に露骨に違反していると述べた」とし、21日のジョー・バイデン大統領の国連総会演説に言及した。同大使は「我々は、米国が一方的に作っておきながら規定を守らないとして圧迫を加えるような国連制裁は認めたことがなく、今後も認めない」と述べた。また、安保理制裁は多くの核保有国の中で「朝鮮民主主義人民共和国だけに反対する、最も極悪な制裁」だと非難した。

 キム大使は演説で、韓国に直接言及しなかった。ただ「米国とその追従勢力」という表現で韓国を非難した。

 一方、キム大使は北朝鮮が「100日余りという非常に短い期間」に新型コロナウイルスに対して「決定的な勝利を成し遂げた」と明らかにした。また「私はこの機会に(北朝鮮政府の)委任により、わが国の防疫事業に深い関心を持ち、積極的な意向を明らかにした多くの国々と国際機関に謝意を表する」と述べた。韓国や米国、国際機関などが北朝鮮の防疫に対する支援の意思を明らかにしたことに感謝の意を表したものと受け止められる発言だ。ただし、支援の意思を表明した国の名を挙げていないため、包括的レベルの謝意と理解される。

ワシントン/イ・ボニョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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英国BBCなどは、武装したロシア兵が住民投票の実施されている東部のルハンスク州とドネツク州、南部のヘルソン州、ザポリージャ州で住民の家を訪れ、投票を勧めていると24日に伝えた。

2022-09-28 08:48:24 | 問題がないは、大問題

「併合問う投票に参加せよ」…

銃を持ったロシア兵、ウクライナで「恐怖の家庭訪問」

登録:2022-09-27 02:37 修正:2022-09-27 08:29
 
 
25日(現地時間)、ロシアが占領しているウクライナのドネツク州の都市マリウポリで、ロシアが占領地域の併合に向けて実施している住民投票にある男性が参加している/EPA・聯合ニュース

 ロシアがウクライナにおける4つの占領地域をロシアに編入するために、併合の賛否を問う「住民投票」を26日も強行している中、武装したロシア兵が住民宅を訪ねて賛否を問うなど、公正さが疑われる事態が起きている。

 英国BBCなどは、武装したロシア兵が住民投票の実施されている東部のルハンスク州とドネツク州、南部のヘルソン州、ザポリージャ州で住民の家を訪れ、投票を勧めていると24日に伝えた。ザポリージャ州の都市エネホダルに住むある女性は「兵士たちに言葉で(編入の)賛否を答えなければならない。兵士が答えを紙に書いて持っていく」と述べたとBBCは伝えた。住民投票は23日から始まっており、27日まで行われる予定だ。

 ザポリージャ州第2の都市メリトーポリに住むある女性はBBCに「2人の現地『協力者』が2人のロシア兵と一緒に両親の住むアパートにやって来た」、「うちの父は(住民投票で)反対の立場を表明し、近くに立っていた母が『反対すればどうなるか』と聞いたところ、兵士軍人たちは『何も(起きない)』と言った。母は(家族が編入に反対したことを理由に)ロシア軍に何かされるのではと心配している」と述べた。この女性は、投票は1人1票ではなく「世帯当たり1票」で行われたと語った。BBCは「このような証言が事実かどうかは確認されていないが、武装した兵士によって投票が実施されていることは、自由で公正な手続きだというロシアの主張と矛盾する」と指摘した。

 投票開始日の23日、タス通信などのロシアメディアは、武装兵が各家庭を訪問しての投票について「安全」のためだと説明した。同メディアは、直接投票は27日にのみ行われる予定であり、別の日には村落共同体で、そして家庭訪問によって行われるだろうと報道している。

 住民投票の結果は27日夜ごろに発表されると見られるが、西側諸国と外国メディアは事実上「答えは決まっている」と考えている雰囲気だ。英国外務省は、すでにロシアは目標値を設定していると主張している。

 またルハンスク、ドネツクの両州は親ロシア系の分離主義者が自称「独立国」を建設しており、南部のザポリージャ、ヘルソンの両州もロシア軍が占領しているため、ウクライナ市民のかなりの数が避難しており、残った人々の中には親ロ系の住民が多い。実際の投票結果でもロシア編入に賛成する意見が多いと予想される理由はここにある。

 ロシアメディア「RIAノーボスチ」は、ドネツク、ルハンスク両州の選挙当局が25日にこの日までの3日間の同地域の投票率がそれぞれ76%、77%を記録したと発表したことを伝えた。選挙当局は、国際規定に則り登録有権者の50%以上が投票に参加すれば、住民投票は成立したと考えていると主張している。選挙当局の主張どおりなら、投票3日目のザポリージャ州の投票率は51%、ヘルソン州は48%。

 タスは、4州の住民が「ウクライナによる攻撃」のせいで都市から脱出しているとし、彼らが投票できるようにするためにロシアにも投票所を設置したと報じた。投票は基本的にドネツク、ルハンスク、ザポリージャ、ヘルソンの各州で実施されるが、その他にもロシアが支配しているクリミア半島や、モスクワなどのロシア領でも行われているとみられる。

 2014年に親ロシア勢力が自称「独立国」を建てたルハンスクとドネツクでは、住民に「共和国はロシアへ編入されるべきか」を問うており、ザポリージャとヘルソンでは「ウクライナからの分離独立、独立国建設、そしてロシアへの編入」の賛否を問うている。

 ロシアは2014年3月に、クリミア半島を強制併合するための手続きとして住民投票を実施した。ロシアは当時、153万人の有権者の83%が投票に参加し、うち96.7%がロシアへの編入に賛成したと発表している。

 その後、併合は迅速に行われた。3月17日、クリミア自治共和国議会は独立を宣言する決議をあげ、ロシアのプーチン大統領は18日、直ちにクリミア併合条約を締結するなど、迅速に後続措置を取った。今回も同様の手続きを踏むとみられる。27日夜ごろにウクライナ4州で住民投票の結果が出れば、ロシア政府は28日から29日にかけて併合法案を上下両院に提出すると予想される。法案が可決されれば、30日ごろにプーチン大統領が公式に併合を宣言する見通し。投票結果が圧倒的賛成多数であっても「国際的」に認められることはないだろうが、ロシアは投票結果をこれらの地域がロシア領であることを主張するための口実にするとみられる。

ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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「日本の首相は今回の国連演説で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に条件なしに会うという提案をしたにもかかわらず、韓国との関係改善には一言も触れなかった。

2022-09-27 09:40:27 | 韓国を知ろう
 

尹大統領の「外交エンディング」…

米大統領への暴言から日本首相を“訪ねる”会談まで

登録:2022-09-26 06:30 修正:2022-09-26 07:58
 
[ハンギョレ21] 
英国女王への拝礼の取り消し、30分の韓日懇談、48秒の韓米対面 
大統領室の混沌の外交プロトコール…拙速な意欲、ブーメランとして戻ってくる
 
 
尹錫悦大統領と米国のジョー・バイデン大統領が9月21日(現地時間)、米国ニューヨークのビルで開かれたグローバルファンド第7次増資会合を終えた後、話を交わしている//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、2回目の海外歴訪でも「準備されていない」外交力をそのまま示した。エリザベス女王の弔問に行った英国ロンドンでは弔問できず、「快く合意した」という韓日首脳会談は、尹大統領が岸田文雄首相のいる会場を訪れ、非公開で行われた。米国ニューヨークで面会した米国のジョー・バイデン大統領との話は「48秒」で終わった。48秒は、米国における韓国の電気自動車(EV)への補助金差別問題などを議論するにはまったく足りない時間だ。

#英国 ロンドン

 2022年9月18日(現地時間)午後3時30分、尹大統領と夫人のキム・ゴンヒ女史、英国スタンステッド空港に到着

 18日午後6時、エリザベス女王への拝礼は「交通事情」のために行くことができず、チャールズ国王主催のレセプションに参加(1時間進行)

 19日午前11時、ウェストミンスター寺院で開かれたエリザベス女王の葬儀に参加後、弔意を記帳

#米国 ニューヨーク

 9月19日午後8時30分、尹大統領とキム女史、米国ニューヨークのJFK空港に到着

 20日午後12時20分、尹大統領、国連総会の会場に入場し、12時51分から11分間、「北朝鮮への言及なし」の演説

 20日午後3時45分、アントニオ・グテーレス国連事務総長と面談

 21日午後12時23分、尹大統領、日本の岸田文雄首相がいる会場を訪れ30分間の略式会談

 21日午後2時20分、ドイツのオラフ・ショルツ首相と首脳会談

 21日午後5時15分、尹大統領、予定になかった「グローバルファンド第7回財政公約会議」に参加し、米国のジョー・バイデン大統領と48秒間対話

_____________________ 
英国の最初のスケジュールから不確実性の連続

 尹大統領の歴訪日程をみると、いわゆる外交の「プロトコール」(外交用語で約束や規律、儀典)が混沌に陥っていることがわかる。まず、ロンドンに到着した最初のスケジュールから不確実だった。尹大統領は、英国に向かう大統領専用機の中で「朝鮮戦争に参戦した勇士に献花しにいき、その次に(女王への)追悼、その次にレセプションの3つだが、3つすべてをできるかどうかは正確には分からない」と述べた。エリザベス女王の棺が安置されたウェストミンスターホールを訪問し拝礼する計画が可能かどうか分からないまま、ロンドンに到着したということだ。結局、大統領室は「ロンドン現地の交通問題のため、拝礼できなかった」と明らかにした。野党「共に民主党」は、専用機の出発時間を早めるべきだった、尹大統領が歩いてでもできる「弔問外交」をしなかったと非難した。

 ニューヨークでも尹大統領の動向は、プロトコールが正常に進められなかった。これに先立ち9月15日、大統領室のキム・テヒョ国家安全保障室第1次長は「(海外歴訪期間中に)韓米首脳会談と韓日首脳会談を行うことで合意しており、時間を調整中だ」と発表した。しかし、首脳会談はまともには行われなかった。尹大統領は9月21日、日本の岸田文雄首相が参加する「包括的核実験禁止条約フレンズ首脳級会合」の会場がある建物を訪れ、両国の国旗も取材陣もなしに非公開で会談した。大統領室は、会談の結果について「韓日間の対立が存在するなか、解決のための第一歩を踏んだという意味がある」と意味づけた。しかし、懸案の中心である強制動員被害者賠償問題などへの言及はなかった。日本は尹大統領との面談を首脳会談ではなく「非公式の懇談」と表現した。

 尹大統領は続いてこの日午後、バイデン大統領が主催したイベントを訪れた。イベントが終わった後、各国首脳らが団体写真を撮り自由に話しあうなか、バイデン大統領を探し、48秒間の対話を交わした。バイデン大統領がニューヨークの滞在日程を減らしたため、短い「対面」をすることで終わったのだ。尹大統領が会場を出て、同行していたパク・チン外交部長官とキム・ソンハン安全保障室長のほうをみて、「国会でこのXX(野郎ども)が承認しなければ、バイデンは赤っ恥をかくだろうな」と話す場面が放送局のカメラに撮られ、悪口・卑俗語の議論も起きた。これについてキム・ウンヘ広報首席は、15時間後の22日午前(現地時間)に会見を開き、尹大統領の発言は「国会でこのXXが承認しなければ、バイデンは赤っ恥をかくだろうな」ではなく、「(韓国の)国会でこのXXが承認ぜず棒に振れば(反対すれば)、赤っ恥をかくだろうな」だと反論した。野党「共に民主党」に対して語ったものだという趣旨だ。

_____________________ 
基本から崩れた外交

 外交安全保障の専門家らは、これについて「外交の基本から崩れた状況」だと述べた。首脳会談は、第三国で行われる場合でも会談を行う主催国があり、両国を象徴する国旗を置いて進行する。会談に先立ち、挨拶の発言を公開し両国の同席者を同じ人数に合わせるなど形式を整えるのは、「国家」対「国家」という対等な関係のもと首脳間で話を交わすという意味も含まれている。

 今回の韓日首脳の面会は、事前予告なしに尹大統領が岸田首相を訪ねる形式で進められた。国旗もない場所で非公開で行われた。文在寅(ムン・ジェイン)政権で仕事をしたある外交関連担当者は「プロトコールは外交では本当に重要で、形式と過程が(会談の)内容にまで影響を及ぼす。あのようにしてしまうと、基本的に強者と弱者になってしまう」と述べた。

 
 
尹錫悦大統領が2022年9月21日(現地時間)、日本の岸田文雄首相がいる米国ニューヨークの建物に会いに訪れ、握手を交わしている/聯合ニュース

 今回の英国・米国・カナダ訪問は、大統領室を改編した後、尹大統領が披露した初の外交舞台だった。特に、キム・テヒョ第1次長は、両国が同時に発表する慣例を壊し、先に韓日・韓米首脳会談の開催を公式発表する“意欲”をみせた。尹大統領も歴訪出発前、ニューヨークタイムズのインタビューで「大妥協」を口にして、韓国と日本の外交問題の解決に言及した。しかし、拙速な意欲はブーメランとして戻ってきた。日本は、韓国政府が外交慣例を壊したことに不快感を示し、首脳会談のスケジュールを最後まで発表しなかった。これに対し、首脳会談に先に言及した韓国は、日本側に引きずられていかざるをえない状況に置かれた。

_____________________ 
外交の司令塔の総体的不良

 延世大学統一研究院のキム・ジョンデ客員教授は「日本の首相は今回の国連演説で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に条件なしに会うという提案をしたにもかかわらず、韓国との関係改善には一言も触れなかった。尹錫悦政権は屈辱感を感じなければならないのが正常であり、外交の司令塔の問題点が深刻であることを示した」と述べた。

 EVの補助金差別や通貨スワップなど、韓米間の懸案を首脳会談で解決するという尹錫悦政権の構想もあてが外れた。ホワイトハウスは報道資料を出し、「両指導者は韓米同盟を強化した」と明らかにしたが、EVの補助金などには言及しなかった。共に民主党のパク・ホングン院内代表はこの日、「首脳外交の目的も成果もまったくない国際的な恥さらしであり、外交惨事には必ず責任を負わなければならない。外交実務者の全面的交替は不可避とみられる」と述べた。

 9月22日に公開された世論調査(9月19~21日に全国満18歳以上の男女1000人を対象に実施の全国指標調査、信頼水準95%標本誤差±3.1ポイント)の結果によると、尹大統領の海外歴訪の成果について、「成果なし」という回答は55%にのぼった。「成果あり」という回答は40%だった。尹大統領が「外交的ショー」を通じて懸案の解決と低支持率に対する突破口を用意する可能性はほとんどないように思われる。

イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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「現在は50人以上が集まる野外集会と公演、スポーツ競技観覧時にはマスクを義務的に着用することとしているが、相対的に低い屋外感染の危険を考慮し、行政手続きを経て来週月曜日から解除する」と明らかにした。

2022-09-26 08:38:48 | 韓国を知ろう

韓国首相「月曜日から野外マスクを全面解除…

国内で97%が抗体保有」

登録:2022-09-24 10:02 修正:2022-09-24 12:41
 
新型コロナ感染症中央災害安全対策本部会議
 
 
ハン・ドクス首相が23日、政府ソウル庁舎で開かれた新型コロナウイルス対応中央災害安全対策本部会議を主宰している/聯合ニュース

 韓国で26日から野外でのマスク着用義務が全面解除される。

 ハン・ドクス首相は23日、政府ソウル庁舎で開かれた新型コロナウイルス感染症中央災害安全対策本部会議で「来週月曜日から野外でのマスク着用義務を全面解除する」とし「現在は50人以上が集まる野外集会と公演、スポーツ競技観覧時にはマスクを義務的に着用することとしているが、相対的に低い屋外感染の危険を考慮し、行政手続きを経て来週月曜日から解除する」と明らかにした。

 ただし、屋内でのマスク着用義務は当分維持される。ハン首相はこれについて「インフルエンザ患者の増加と冬季の新型コロナウイルス再流行の可能性などを考慮した措置」とし「感染予防のために屋内でのマスク着用と手洗い、周期的換気などの防疫規則は依然として最善の防疫手段」だと強調した。

 一方、政府が国民約1万人を対象に抗体陽性率を調査した結果、ワクチン接種と自然感染を通じて約97%が抗体を保有していることが分かった。ハン首相は「自然感染による抗体陽性率は約57%で、同期間の感染者の累積発生率より約19ポイント高いことが分かった。20%前後の未確認感染者が存在するという意味」だとし、「今後、抗体水準の変動に対する長期の追跡調査を実施するなど、データを持続的に蓄積し対策樹立に活用する」と述べた。

ソン・チェ・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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