新華社通信によると、中国の疾病予防統制局もこの変異が新型コロナウイルス感染症全体に占める割合が4月には0.6%に過ぎなかったが、最近は71.6%まで増えたと発表した。

2023-08-22 08:41:39 | コロナ対策:国民の命を守れ!

突然変異が激しいコロナ変異株、

3大陸で登場…緊張高まる

登録:2023-08-20 19:56 修正:2023-08-21 08:03
 
36カ所で突然変異が生じたBA.2.86、米欧・イスラエルで確認
 
 
突然変異が激しい新型コロナウイルスの下位変異株が米国など3大陸で確認され、各国の保健当局が注視している。様々な新型コロナウイルス感染症のワクチンが並べられている/ロイター・聯合ニュース

 「エリス」と呼ばれる新型コロナウイルス感染症の変異株が米国・中国などで拡散している中、既存のウイルスから多くの突然変異が生じたもう一つの変異が登場し、各国保健当局を緊張させている。

 オミクロンウイルスの下位変異であるBA.2.86が最近、米国、英国、デンマーク、イスラエルで相次いで確認されたことを受け、保健専門家たちが注視している。ロイター通信などが19日(現地時間)報じた。この変異は、オミクロンウイルスの変異であるBA.2から分かれたもので、36カ所で突然変異が起きたことが確認された。

 突然変異が多く発生すると、既存のワクチンがまともに作用しなくなる可能性もある。これに伴い世界保健機関(WHO)がこの変異を監視対象に含め、米国の疾病予防管理センター(CDC)もこの変異の追跡に乗り出した。

 世界の遺伝体序列データベースである「GISAID」に登録された資料によれば、この下位変異は先月24日にデンマークで初めて確認され、続いて31日にはデンマークとイスラエルで再確認された。また、今月初めには米ミシガン州でも確認された。米ABC放送などが報じた。

 CDCの広報官は、「科学者たちが新たに確認されたウイルスの系統を正確に理解するため研究作業を行っている」とし「今までに確保された証拠によると、この変異が既存の変異より公衆保健により大きなリスクを与えるかはまだ分からない」と述べた。

 専門家らは、実験室で確認された事例は多くないとはいえ、3大陸で相次いで確認されたという点でこの変異の伝染力が強く、すでに多くの感染事例が存在する可能性もあるという懸念を述べたとABC放送が報じた。ボストン小児病院の感染症学者ジョン・ブラウンスタイン博士は「科学者たちが心配しているのは、3大陸で変異が発見されたうえに、この変異が多くの突然変異を起こした点にある」と指摘した。また「こうした事実は(ワクチン接種などを通じて確保した)免疫システムを回避する能力を備えているという意味かもしれないが、その水準がどの程度かはまだ分からない」と付け加えた。

 ヒューストン・メソジスト病院のウェズリー・ロング博士(診断微生物学)は、この下位変異が新型コロナウイルス拡散初期に分かれた変異であり、現在広く使われているワクチンが対象にしている変異とは大きく異なると説明した。米スクリプス研究所のゲノム学専門家のエリック・トポル博士も、この下位変異の構造が他の変異とは根本的に違うとし、多くの国が新型コロナウイルス感染症検査を減らしていることを考慮すると、状況は良くないと指摘した。

 BA.2.86下位変異は、オミクロンの別の下位変異であるEG.5(別名エリス)が急速に広がり、米国などで入院患者が増えている中で現れたもので、保健当局を特に緊張させている。

 昨年11月に初めて確認されたEG.5は、今月8日までに米国など世界50カ国以上で確認された。この変異の拡散の影響で病院入院患者も再び増え始め、米国の場合は8月第1週の入院患者が1万320人と前週より14.3%増えたとCDCが明らかにした。これは入院患者数が最低を記録した6月より40%ほど増えた数値。新華社通信によると、中国の疾病予防統制局もこの変異が新型コロナウイルス感染症全体に占める割合が4月には0.6%に過ぎなかったが、最近は71.6%まで増えたと発表した。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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 救急車の搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」は25日までの1週間で6800件と過去最多になりました。

2022-12-30 09:37:41 | コロナ対策:国民の命を守れ!

2022年12月30日(金)

1日の死者数・クラスター・搬送困難

軒並み過去最悪

コロナ第8波 医療逼迫

 新型コロナウイルス感染症の第8波は、政府が患者の全数把握を放棄して新規感染者数こそ第7波を下回るものの、1日当たり死者数、高齢者施設のクラスター(感染者集団)発生件数、「救急搬送困難事案」が軒並み過去最多を記録、医療の逼迫(ひっぱく)は極めて深刻です。危機的状況を国民に発信することすらしない無為無策の岸田政権に医療現場から怒りの声が上がっています。(内藤真己子)

 救急車の搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」は25日までの1週間で6800件と過去最多になりました。

 「コロナも一般救急も、最近はインフルエンザの患者さんも増え、一晩中救急要請の電話が鳴り続けています」。そう語るのは埼玉県川口市にある埼玉協同病院(399床)の守谷能和内科部長です。同病院は内科や外科の2次救急病院で、年間約3500件の救急患者を受け入れる地域の中核病院です。

 守谷さんが当直だった24~25日には24時間で46台の救急車から受け入れ要請がありました。通常のおよそ2倍以上です。しかし受け入れられたのは15件。31件は断らざるを得ませんでした。「ベッドが満床で、外来処置で帰せる患者さんしか受けられませんでした」と守谷さん。軽症より重症者を断らざるを得ない異常な事態です。

 28日も介護施設で発熱した高齢者が搬送されコロナと分かりましたが、点滴治療をして施設に帰しました。11月以降、50床規模の各病棟でコロナ患者が連続して発生し、入院を制限せざるを得なくなっているのです。コロナ受け入れ病床は超過入院状態です。

 近隣の中規模救急病院でも大規模クラスターが発生。「おそらくどこも似たり寄ったりではないでしょうか。コロナ前はこんなことが1件あれば大問題だったのに医療崩壊が日常になってしまった」と守谷さん。岸田政権は、3年ぶりに季節性インフルエンザの流行期に入ったと発表しましたが、医療逼迫の現状を積極的に国民に伝えていません。

 「第8波ほど医療現場と社会の乖離(かいり)を感じたことはありません。医療崩壊でコロナ患者だけでなく、一般の疾患やケガした人が救急医療を受けられず命を失ったり縮めたりしている。政府が必要な対策をしないと失われる命が増えていく」。危機感を募らせます。

患者42%が救急搬送されず 看護師休業 ベッド減に

 コロナ病床使用率は全国的に上昇傾向で全都道府県の4分の3弱で5割を上回り、神奈川、滋賀両県では8割を超えています。東京都ではコロナ陽性者が119番通報で救急要請しても42%が搬送されず不救護になっています。

 東京都北区の王子生協病院(159床)もクラスターが複数の病棟で発生しコロナ病床(12床)の定員を上回る陽性者が入院しています。佐藤未智子総看護師長は「救急で受け入れても外科や専門科の受け皿がない」と訴えます。介護施設で転倒し搬送されてきた患者は骨折していましたが整形外科の受け入れ病院がなく施設へ。腹痛で外科処置が必要な患者も受け入れ先が見つかりません。

 千葉県北部の流山市にある東葛病院(許可病床366床)は内科や外科の2次救急病院です。15床のコロナ病床には千葉県全域からの要請があります。

 大きなクラスターは起きていませんが、家庭内で感染したり濃厚接触者になって休業する看護師が常時1割前後います。そのためベッドの25%が稼働できていません。救急搬送の受け入れ率は通常8~9割のところ6割に低下しています。「かかりつけか、受診歴のある患者さんしか受け入れられないときもある」と阿部純一副事務長。1日30人枠の発熱外来はネット予約に切り替えましたがすぐに埋まり、「連日、倍以上のキャンセル待ちが出ている」と言います。

都の病床使用率 限界近く

 首都圏の複数の病院で働く日本共産党東京都委員会コロナ対策本部長の谷川智行医師の話 医療崩壊は深刻です。12月中旬に都内の救急病院で当直した時には、一晩で7件の救急車を受け入れました。激しいがん性疼痛(とうつう)の患者さんは化学療法中の大病院が対応できず、別の病院で鎮痛剤を注射。それでも痛みがとれず当院で入院を受け入れましたが、翌朝亡くなりました。手術の傷口が開き大量出血している方も、外科の受け入れ病院がなく搬送困難例として受け入れ、内科の私が縫合しました。かかりつけ患者さんさえ受け入れられない救急医療の現状は異常です。

 コロナ死者数の増え方を見ると、実際の感染者数は第7波を超えているでしょう。東京都のコロナ病床使用率は表向き50%程度ですが、過去の実績の最多は4459床で、限界に近づいています。

 政府はコロナだけでなく一般の救急医療も逼迫(ひっぱく)し医療崩壊が起きている現状を国民に正確に伝え、感染防止を徹底するよう繰り返し呼びかけるべきです。病床確保や発熱外来の拡充、高齢患者に特化した療養施設設置へ、大軍拡をただちにやめ財政支援を強めることが欠かせません。

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英国のオックスフォード大学の研究チームが世界125万人の健康記録を分析した結果、新型コロナに感染してから2年間で認知症など精神関連疾患のリスクが高まることが分かった

2022-08-22 08:59:29 | コロナ対策:国民の命を守れ!
 

新型コロナ感染者、物忘れ・集中力不足・認知症のリスク高い

登録:2022-08-20 06:37 修正:2022-08-20 11:32
 
最近の新型コロナによる死者、韓国や日本などアジアで急増 
世界で6%減少したのに、西太平洋では31%増加
 
 
東京の地下商店街でマスクをつけた市民たちが歩いている。世界保健機関は、韓国や日本などアジアで最近新型コロナウイルス感染症の死亡者が特に増えていると発表した=東京/AFP・聯合ニュース

 世界保健機関(WHO)が18日(現地時間)、世界で新型コロナウイルス感染症の患者が1週間で24%減少し、死者も6%減少したが、アジアだけは特に死者が大幅に増えたと発表した。アジアでは韓国と日本の死者数が特に多かった。

 AP通信などの報道によると、WHOは先週、世界の新型コロナの新規感染者が540万人報告され、死者は1万5千人水準だったと発表した。死者の数は全世界のほとんどの地域で安定的な傾向を示したが、西太平洋地域と東南アジア地域ではそれぞれ1週間で死者が31%と12%増加した。

 国別では日本と韓国の死者が多かった。WHOの集計を基準に、ここ7日間の新型コロナによる死者は、日本が1632人で、米国(1632人)に次いで2番目に多かった。韓国の死者数は372人と報告された。国際統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ」の集計基準で、17日現在1週間の平均一日死者数は、米国が460.71人で最も多く、日本は232.14人だった。韓国は53.14人で、世界で14番目に多かった。

 WHOのテドロス・アダノム事務局長は17日、記者会見を開き、この1カ月で世界での新型コロナによる死者が35%も増えたと発表した。また「感染を防ぎ命を救える手段があるにもかかわらず、最近1週間で死者が1万5千人発生しており、このような事態は容認されない」と嘆いた。さらに、世界各国から送られる新型コロナウイルス分析資料が1週間で90%も減り、科学者が変異の様相を追跡することが困難になっていると指摘した。テドロス局長は「ワクチンをまだ接種していないならすぐに接種し、追加接種が必要な人も再びワクチンを接種すべきだ」と呼びかけた。

 WHOのワクチン専門家集団は18日、高齢者など高危険群に2回目の追加接種(4回目)を勧告した。専門家集団を率いるヨアキム・ホムバッハ博士は、専門家らが一般人を対象にした広範な追加ワクチン接種やオミクロン株に合わせたワクチンの接種を勧告するかどうかはまだ決まっていないと述べた。

 一方、英国のオックスフォード大学の研究チームが世界125万人の健康記録を分析した結果、新型コロナに感染してから2年間で認知症など精神関連疾患のリスクが高まることが分かったと、「フィナンシャル・タイムズ」が報じた。研究チームは学術誌「ランセット精神医学」に発表した論文で、65歳以上の感染者の4.5%が、ウイルスに感染してから2年間で認知症の症状が現れ、非感染者(3.3%)より認知症のリスクが高かったと明らかにした。18~64歳の脳関連の長期後遺症としては、健忘症や集中力不足などの認知欠損が最も多かったと研究チームは指摘した。研究を率いたオックスフォード大学精神医学科のポール・ハリソン教授は「脳関連疾患が津波のように増加するわけではないが、この結果は新型コロナと神経疾患の関連を示す点で、重要な意味がある」と述べた。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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ワクチン接種完了者のBA.5に対する中和抗体生成率は、初期の新型コロナウイルスの21分の1程度だった。自然感染して完治した人々のBA.5中和抗体生成率も18.7分の1に過ぎなかった。

2022-07-15 08:03:18 | コロナ対策:国民の命を守れ!

韓国:すでに100人に3人が再感染…

オミクロン株「BA.5」はどのように免疫回避?

登録:2022-07-13 07:27 修正:2022-07-13 08:04
 
感染力はBA.2より35.1%強い 
免疫回避特性を持ち、再感染の危険性上昇 
重症化率は同程度というが安心できず
 
 
      11日、光州の西区選別診療所で、市民がコロナ検査の順番を待っている/聯合ニュース

 全世界の新型コロナウイルスの再流行を主導しているウイルスは、オミクロン株の下位系統「BA.5」だ。感染力が強く、従来の変異株より免疫回避能力が高いため、再感染の可能性が高いことが知られている。防疫当局もBA.5が韓国国内のコロナ再流行を主導しているとみている。

 中央防疫対策本部(防対本)の資料によると、7月第1週のBA.5検出率は35%で、前週に比べて6.8ポイント上昇。海外からの流入を含む国内のBA.5検出率は、6月第4週の10.4%から6月第5週には28.2%へと跳ね上がったため、今週中に優勢となると予想されていたが、7月第1週は35%と停滞している。政府は1~2週間ほど推移を見守るべきだとしつつも、BA.5がまもなく優勢となって急速な拡散を主導するだろうとの予測を重視している。

BA.5、宿主細胞にくっついて免疫回避し「再感染」

 新型コロナの変異株とは、最初の新型コロナウイルスを基準として遺伝子が一つ以上の突然変異を起こしたもののこと。オミクロン株はBA.1で、BA.2はステルスオミクロン。BA.5はBA系統から出た5番目の子孫系統だということを意味する。

 感染力の強さは、BA.2<BA.4<BA.5の順で高い。英国保健安全保障庁(UKHSA)は、BA.5の方がBA.2より35.1%速く感染すると分析している。BA.2も初期のオミクロンより30~50%速いと評価されていた。変異を重ねるごとに感染力が強くなっている格好だ。世界的にはすでにBA.5が優勢だ。米国はBA.5が全体の53.6%(7月2日現在)、ドイツは65.7%(6月中旬現在)、ポルトガルは94%(6月27日現在)。

 BA.5の拡散が懸念されるのは、免疫を回避するという特性があるためだ。これは、ワクチンや自然感染によって免疫力がついたとしても、BA.5にさらされれば突破感染(ブレイクスルー感染)または再感染の可能性が高くなるということを意味する。韓国もBA.5の流入後は再感染率が高まっている。コロナ再感染率は、5月第1週は0.59%に過ぎなかったが、6月第5週には2.87%へと大きく上昇している。これは、最近の感染者は100人に3人近くが再感染だということを意味する。

 BA.5は宿主の細胞にくっついて免疫細胞による破壊を避けることが知られている。ハーバード大学医学部とボストンの「ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター」の研究陣による分析資料によると、ワクチン接種完了者のBA.5に対する中和抗体生成率は、初期の新型コロナウイルスの21分の1程度だった。自然感染して完治した人々のBA.5中和抗体生成率も18.7分の1に過ぎなかった。中和抗体とはウイルスを無力化して感染を予防する抗体で、中和抗体生成率が高いほど感染予防効果が高い。

 ただし、国内の再感染規模は国外より大きくはならないだろうとする予想もある。カトリック大学医学部のペク・スニョン名誉教授(微生物学教室)は「韓国のオミクロン株の流行期間は3月~4月で、海外より最近だ。(相対的に免疫力が強い状態であるため)再感染例は海外よりは若干少ないと予想される」と語った。

重症化率が高いという証拠はまだない

 BA.5の症状は既存のオミクロン株などと大きな差はないと報告されている。米国では咳、鼻水、頭痛、疲労などの類似の症状が現れており、喉の痛みと鼻づまりがひどいケースもあった。英国キングス・カレッジ・ロンドンの研究チームもやはり鼻水、喉の痛み、頭痛、持続的な咳および疲労などの症状を確認している。ただし、研究チームの調査対象に占める発熱を報告した人の割合が3分の1未満だったことが、これまでの変異株とは異なる。防対本もやはり「重症度が高いかどうかについては、現在のところ確認されていない。海外の事例を見ても、重症化率や死亡率が特に大きく上がっているとは報告されていない」と述べた。

 しかし、警戒すべき点もある。日本の東京大学は最近、BA.5がBA.2に比べて肺での増殖力が18.3倍高いということを動物実験によって確認している。BA.5に感染したハムスターはBA.2に感染したハムスターより体重の減少が顕著で、より多くの肺細胞が損傷していた。既存のオミクロン株が鼻や喉などの上気道を感染させたとすれば、BA.5は下気道にまで浸透して肺炎のリスクを増大させる可能性があるということを意味する。高麗大学九老病院のキム・ウジュ教授(感染内科)は、「一般的に、感染力が強ければウイルスの重症化率は低いが、これは傾向のことであって、必ずそうなるとは限らない」と述べた。

パク・チュニョン、イム・ジェヒ、チャン・ヒョヌン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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ビン・チャオ教授はガーディアンに対し「私たちの研究結果は、コロナ入院患者がウイルス感染から回復したとしても、完全に健康を取り戻すまでには2年以上かかるということを意味する」

2022-05-14 09:03:06 | コロナ対策:国民の命を守れ!

コロナ後遺症は2年以上…「3大症状」を追跡すると

登録:2022-05-13 03:11 修正:2022-05-13 08:09
 
中国の研究チーム、武漢の病院の入院患者を調査 
55%が倦怠感、筋力低下、睡眠障害などの症状 
14%は少し早く歩いただけで呼吸困難 
「健康を完全に取り戻すのに2年以上かかるという意味」
 
 
                                   ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス感染症で入院していた患者の半数以上が、退院して2年経っても長期の後遺症に苦しんでいるとする研究結果が発表された。

 中国の国立呼吸器医学センターのビン・チャオ教授が率いる研究チームは11日(現地時間)、国際学術誌「ランセット呼吸器医学」に発表した論文で、コロナ治療を受けて退院した患者を2年間追跡した結果、全体の55%が2年以上たっても1つ以上の症状に苦しんでいることが分かったと明らかにした。同研究チームは、2020年1月から5月末までに武漢の金銀潭病院で入院治療を受け、その後退院した1192人を長期にわたって追跡し、このような結果を得た。

 英国日刊「ガーディアン」によると、彼らの研究は、コロナの長期後遺症(ロングコビッド)の研究の中で追跡期間が最も長い。

 研究チームは2年間にわたり、対面インタビューによって患者の状態を追跡し、退院して6カ月が過ぎた時点で68%の人が1つ以上の症状を訴えたと明かした。研究チームは、退院から1年後と2年後にも彼らの状態を確認しており、2年が過ぎた時点でも1つ以上の症状を示した人の数は全体の55%に当たる650人だったと説明した。

 
 
米国のあるコロナ患者が病院で治療を受けている。コロナで入院していた患者の半数以上が2年以上にわたって1つ以上の後遺症に悩まされているとする研究結果が発表された= ジェファーソンパリッシュ/ロイター・聯合ニュース

 コロナ患者の後遺症で最も多いのは倦怠感、筋力低下、睡眠障害などだった。患者の31%が倦怠感や筋力低下を訴えたが、これはコロナに感染していない対照群(倦怠感は5%、筋力低下は14%)に比べてはるかに高い割合だった。なかなか眠れないという人も、研究対象者の31%を占めた。

 研究チームは、患者のうち退院から6カ月後に呼吸困難を感じていた人は、調査対象1104人の26%に当たる288人で、2年が過ぎた時点でも呼吸困難が続いていた人は168人だったと明かした。研究チームの説明によると、彼らは速く動いたり、低い丘を歩いて登ったりする時に、呼吸がしづらい状態になるか、またはそれよりひどい症状を示した。コロナ患者には関節の痛み、動悸、めまい、頭痛も非感染者より多く見られたと研究チームは説明した。

 研究対象者は平均年齢が57歳で、男性が54%、女性が46%だった。また、全体の82%は非喫煙者で、34%は高血圧の症状があった。

 ビン・チャオ教授はガーディアンに対し「私たちの研究結果は、コロナ入院患者がウイルス感染から回復したとしても、完全に健康を取り戻すまでには2年以上かかるということを意味する」と述べた。研究チームは、研究を行ったのはコロナ大流行の初期で、対象とした病院もひとつだけという限界があるため、デルタやオミクロンなどの変異株に感染した人にも研究結果をそのまま適用するのは難しいだろうと指摘した。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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