過去の侵略戦争と植民地支配に対する反省どころか、これらの内容について一切言及しなかった。「歴史修正主義」で批判を受けた安倍晋三元首相の9年前の演説よりも後退したものだ。

2024-04-15 11:35:38 | これが岸田・元安倍内閣の本質

安倍元首相よりも後退した岸田首相

米議会演説で「歴史問題」に一切言及せず

登録:2024-04-13 06:06 修正:2024-04-13 07:07

 

9年前、安倍首相は「先の大戦に対する痛切な反省」に触れたが 
尹錫悦政権、何も対応せず「沈黙」守る
 
 
米国を国賓訪問中の日本の岸田文雄首相(中央)が11日(現地時間)、ワシントンの連邦下院本会議場で演説をしている途中、カマラ・ハリス米副大統領(左)とマイク・ジョンソン米下院議長が拍手を送っている=ワシントン/AFP・聯合ニュース

 米国を国賓訪問中の日本の岸田文雄首相が11日(現地時間)、米連邦議会上下両院合同会議で演説したが、過去の侵略戦争と植民地支配に対する反省どころか、これらの内容について一切言及しなかった。「歴史修正主義」で批判を受けた安倍晋三元首相の9年前の演説よりも後退したものだ。

 岸田首相は同日、ワシントンの連邦下院本会議場で、「未来に向けて~我々のグローバル・パートナーシップ~」という題名で34分間にわたり英語で演説を行った。米国を訪問する外国指導者に対する最高の礼遇である上下両院合同会議での演説は、2015年4月の安倍元首相以来、日本の首相として2度目。

 岸田首相は長い演説で、過去の日本の侵略戦争と植民地支配など歴史的過ちについては一言も触れなかった。首相は幼い頃家族と共に米国で過ごした経験から、中国・北朝鮮・ロシアに対する批判、米日同盟、米国経済のための日本の努力などだけを具体的に説明した。

 岸田首相は中国を名指しし、「現在の中国の対外的な姿勢や軍事動向は、日本の平和と安全だけでなく、国際社会全体の平和と安定にとっても、これまでにない最大の戦略的な挑戦をもたらしている」と批判した。北朝鮮については「核・ミサイル計画は、直接的な脅威」だとしたうえで、ロシアのウクライナ侵攻と結びつけて「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と警告した。さらに、「米国は、助けもなく、たった一人で、国際秩序を守ることを強いられる理由はない。『トモダチ』として、日本国民は自由の存続を確かなものにするために米国と共にある」と述べた。また「(日米)両国のパートナーシップは二国間にとどまらない」とし、韓国、オーストラリア、インド、フィリピンなどを取り上げ、多国間協力を強調した。

 今回の演説は日本軍「慰安婦」など歴史的事実を歪曲し、「歴史修正主義」と批判された安倍元首相の演説よりも退行的という批判を免れないものとみられる。2015年4月に米国を国賓訪問した安倍首相は米議会演説で「戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻んだ。自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない。これらの点についての思いは、歴代総理と全く変わるものではない」と述べた。しかし、韓日関係の争点だった日本軍「慰安婦」について言及せず、過去の侵略と植民支配に対する明確な反省も盛り込まなかったため、批判を受けた。

 当時、朴槿恵(パク・クネ)政権は外交部報道官声明を発表し、米議会での安倍首相の演説が正しい歴史認識を通じて周辺国と真の和解と協力を成し遂げられる転換点になり得たのに、そのような認識も心からの謝罪もなかったことを非常に遺憾に思うと指摘した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、その時よりも深刻な認識が盛り込まれた今回の演説に対し、何の対応も示していない。

 岸田首相の演説は、国際社会でこれ以上歴史問題に言及しないという日本政府の意志を示したものといえる。日本の反省を求めてきた韓国で、尹大統領が就任して以来、このような要求が消えたことと関係があるものとみられる。尹錫悦政権は昨年3月、韓日関係の最大争点である強制動員被害者賠償と関連し、最高裁で敗訴した日本企業の賠償金を韓国の日帝強制動員被害者支援財団が肩代わりする「第三者弁済」案を発表し推し進めている。尹大統領は就任後、三一節記念演説や光復節記念演説などでも日本の過去の歴史に対する反省を全く求めていない。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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塩川氏は、機密費の支出が「機動的に使用する経費であり、官房長官という政治家による優れて政治的な判断のもとで決定されるもの」と国が説明してきたと指摘。林芳正官房長官も「そういうものと承知している」

2024-02-17 13:46:35 | これが岸田・元安倍内閣の本質

2024年2月17日(土)

菅氏91% 加藤氏95% 松野氏96%

機密費 年々闇ガネ化

塩川氏が指摘

 日本共産党の塩川鉄也議員は16日の衆院内閣委員会で、官房機密費(報償費)について質問し、機密費が年々、闇ガネの度を深めていることを指摘しました。

 塩川氏は、機密費の支出が「機動的に使用する経費であり、官房長官という政治家による優れて政治的な判断のもとで決定されるもの」と国が説明してきたと指摘。林芳正官房長官も「そういうものと承知している」と認めました。

 塩川氏は「(2012年度以降)毎年、ほぼ全額使い切っている。『機動的に、その都度の判断で使用する』といいながら、きれいに使い切っているのは全く納得がいかない」とのべ、「(年度末の)最後はつかみ金として引き出したとしか思えない」と指摘しました。林氏は「官房長官の判断と責任のもとに厳正で効果的な執行を行っている」と繰り返しました。

 松野博一前官房長官が昨年12月の更迭直前に持ち出した4660万円は、機密費のうち「政策推進費」と呼ばれるもの。これについて林氏は「官房長官としての高度な政策的判断により機動的に使用することが必要な経費であり、長官が直接相手方に支払うもの」と答弁しました。

 「政策推進費」が機密費に占める割合について林氏は、過去3人の官房長官で菅義偉氏が91%、加藤勝信氏が95%、松野氏が96%と明らかにしました。

 塩川氏は「闇ガネとも言える政策推進費の割合が高くなり、一層不透明なお金の使い方が問われる」とのべ、機密費の使途開示と、私的・党略的な流用の禁止を求めました。

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日本共産党の山添拓政策委員長、立憲民主党衆院議員、社民党の代表があいさつし、「沖縄の風」がメッセージを寄せました。山添氏は「自民党は派閥の解散より裏金疑惑の解明が求められている。

2024-01-20 19:29:57 | これが岸田・元安倍内閣の本質

金権政治終わらせよう

総がかりなど「19日行動」

写真

(写真)金権腐敗の自民党政治糾弾、パレスチナに平和をと声を上げる総がかり行動参加者=19日、衆院第2議員会館前

 金権腐敗の自民党政治、岸田政権による「戦争する国」づくりを許さず、パレスチナ・ガザ地区での即時停戦を求める「19日行動」が19日夜、衆院第2議員会館前を中心に取り組まれました。主催は総がかり行動実行委員会、9条改憲NO!全国市民アクション。

 「辺野古埋め立て不承認」「改憲発議・大軍拡やめろ」などボードを掲げ、800人(主催者発表)が参加しました。

 戦争をさせない1000人委員会の谷雅志さんは、能登半島地震犠牲者を悼むとともに、原発に想定外はすまされないと指摘。「岸田政権は原発回帰政策で命を軽んじている。金権腐敗の自民党政治を一刻も早く終わらせ、命が大切にされる社会を実現しよう」と強調しました。

 オール沖縄会議の福元勇司事務局長はリモートで、名護市辺野古の新基地建設をめぐる福岡高裁の判決が「代執行」ありきの政府と結託したもので破たんしていると批判。住民自治の圧殺は許さないと述べました。

 日本共産党の山添拓政策委員長、立憲民主党衆院議員、社民党の代表があいさつし、「沖縄の風」がメッセージを寄せました。山添氏は「自民党は派閥の解散より裏金疑惑の解明が求められている。暮らしも平和も破壊する自民党政治を終わらせ、憲法が生きる希望ある政治の実現へ、第一歩を踏み出す通常国会にしていこう」と訴えました。

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初めて配備されてからも15年が過ぎました。73年に米空母の母港が海外に置かれたのは史上初めてでした。それから半世紀たった今も、横須賀は世界で唯一の米空母の海外母港という、異常な状態・・

2023-10-06 13:53:44 | これが岸田・元安倍内閣の本質

空母母港化半世紀

世界に類例なき異常ただそう

 米海軍の航空母艦(空母)が1973年10月5日に横須賀基地(神奈川県横須賀市)を母港にするため入港してから、きょうで50年です。2008年9月25日に原子力空母が、原子力ではない通常動力型空母に代わり、同基地に初めて配備されてからも15年が過ぎました。73年に米空母の母港が海外に置かれたのは史上初めてでした。それから半世紀たった今も、横須賀は世界で唯一の米空母の海外母港という、異常な状態に置かれ続けています。

“殴り込み”の一大拠点

 米海軍は現在、空母を11隻保有しています。いずれも原子力空母です。うち1隻(艦名=ロナルド・レーガン)だけが横須賀を母港にしています。残り10隻はすべて、米本土に母港があります。

 原子力空母ロナルド・レーガンは、西太平洋とインド洋を管轄する米第7艦隊に所属しています。

 横須賀には、ロナルド・レーガンのほか、第7艦隊の旗艦ブルーリッジ(揚陸指揮艦)をはじめ、地上攻撃用の長距離ミサイル(トマホーク)や弾道ミサイル迎撃用のミサイルなどを搭載したミサイル巡洋艦2隻とミサイル駆逐艦9隻の計13隻が配備されています。

 ロナルド・レーガンは、これらのミサイル巡洋艦やミサイル駆逐艦と、岩国基地(山口県岩国市)に配備されている艦載機で、「空母打撃群」と呼ばれる戦闘部隊をつくります。横須賀は文字通り、地球規模で“殴り込み”をかける米空母打撃群の一大出撃拠点となっています。

 米海軍は、空母を除けば日本以外にも所属艦船の海外母港を持っています。スペインのロタ、イタリアのガエタ、ギリシャ・クレタ島のスダ湾、バーレーンのマナマ、サイパン、グアムです。米領であるサイパンとグアムを除けば4カ所です。

 これら4カ所の配備艦船は、▽スペイン・ロタがミサイル駆逐艦4隻▽イタリア・ガエタが揚陸指揮艦1隻(地中海などを管轄する米第6艦隊の旗艦)▽ギリシャ・スダ湾は、補給など後方支援の拠点となる遠征海上基地艦1隻▽バーレーン・マナマは機雷除去を行う掃海艦4隻と遠征海上基地艦1隻―です。横須賀に比べれば、はるかに小規模です。

 加えて日本では、佐世保基地(長崎県佐世保市)も米艦船の海外母港になっています。配備艦船は、米海兵隊の部隊や装備、航空機を搭載する強襲揚陸艦アメリカなど揚陸艦4隻と掃海艦4隻です。沖縄県にある多数の基地や岩国基地に米海兵隊の部隊が海外で唯一、大規模に駐留しているためです。「米軍基地国家」と言うべき日本の異常さを際立たせています。

自衛隊が参戦する危険も

 日米両政府は、米空母の横須賀配備を「日本防衛」のためなどと繰り返します。しかし、横須賀を母港にした空母はこれまで、アフガニスタンやイラクでの戦争などで出撃を繰り返してきました。現在は、中国などを軍事的に封じ込める米国の戦略を最前線で実行する部隊になっています。

 岸田文雄政権は、米国の軍事戦略に追随し、敵基地攻撃能力の保有を進めています。米軍と自衛隊が一体化して海外で戦争する危険が高まっています。そうさせないためにも、横須賀の空母母港化をやめさせることが必要です。

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あれこれの緊急事態を想定し、議員任期の延長を当然視する議論には、国民の選挙権を保障する立場が全く欠落しています。

2023-06-05 11:04:16 | これが岸田・元安倍内閣の本質

 

緊急事態と改憲

民主主義破壊する企て許すな

 衆参の憲法審査会が毎週のように開催されています。自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党などが、緊急事態条項を憲法に設けることを主張し、緊急時の国会議員任期の延長が議論されています。時の政権が「緊急事態」を口実に意図的に議員任期を延長し、国民から選挙で信任を得ていない議員が長期にわたって居座ることは、国民主権と議会制民主主義を根底から揺るがすもので到底認められません。

国民の選挙権奪う危険

 緊急事態条項創設は、9条への自衛隊明記とともに、自民党など改憲を進める各党が、柱の一つに位置付けています。自民党改憲案は「武力攻撃」「内乱・テロ」「大災害」などの緊急時に、内閣が政令で国民の自由や権利を制限することができるなどとしています。

 その中で改憲推進勢力が求めているのが国会議員の任期延長です。大地震などで総選挙の実施が困難になる事態を次々に想定し、国会の機能が失われると称して、衆院議員の4年の任期を延長する仕組みづくりを提起しています。

 この問題を考える上で大事なのは、憲法前文で国民に主権が存在することを宣言し、「国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動」すると明記していることです。これは憲法の基本原理であり、国民の選挙権は最大限保障されなければなりません。

 憲法54条は衆院議員が不存在の場合、臨時の暫定的措置として参議院の緊急集会で対応し、その後に国民から選ばれた衆議院がその当否を判断する仕組みを定めています。いかなるときも権力の乱用を起こさないための民主的な仕組みです。あれこれの緊急事態を想定し、議員任期の延長を当然視する議論には、国民の選挙権を保障する立場が全く欠落しています。

 議員任期延長は、権力乱用と政権の恣意(しい)的延命につながります。衆参の憲法審査会で参考人として陳述した長谷部恭男・早稲田大学教授は、衆院議員の任期が延長されると、総選挙を経た正規の国会と異なる「異形の国会」が、国会に付与された全ての権能を行使し得ることになると警告し、「緊急時の名を借りて、通常の法制度そのものを大きく変革する法律が次々に制定されるリスク」の重大さを指摘しました。

 民意を反映していない政権が存続することで、緊急事態の恒久化を招くことになりかねません。

 日中戦争下の1941年、衆院議員の任期が1年間延長されました。短期間でも国民を選挙に没頭させることは「挙国一致体制」の整備と相いれないと政権が判断したためです。その間、戦争準備が進められ対米英戦争への戦端も開かれ、無謀な戦争は拡大の一途をたどることになります。

歴史の痛苦の教訓想起し

 戦後制定された憲法は、権力者の都合で議員任期が延長できないよう、憲法に議員任期を規定しました。歴史の痛苦の教訓を忘れてはなりません。

 5月26日の改憲派議連の大会に自、公、維新、国民の各党代表が結集し、岸田文雄首相は改憲への「強い思い」を表明しました。しかし、国民の多くは改憲を政治の優先課題と考えていません。

 いまこそ9条改憲を許さず、違憲の大軍拡に反対するたたかいを大きく広げましょう。

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