goo blog サービス終了のお知らせ 

心と神経の哲学/あるいは/脳と精神の哲学

心の哲学と美学、その他なんでもあり

有島武郎の農場解放

2013-02-22 10:35:49 | 作家・文学

有島武郎は北海道ニセコに父から譲渡された450町歩の農場を所有し、小作人たちに貸していた。

この農場は、彼の父が、息子たちが何らかの不幸で食べていけなくなったときの救済策として自ら開拓したものであった。

武郎は父の死の六年後(これは心中の前年である)にこの農場を小作人たちに無償で譲渡した。

武郎は既に北大教授であり、また作家として食べていけるようになっていたので、必要なくなったのである。

十分食べていけても、さらに資産を増やそうとする現代の政治家や実業家とは偉い違いである。

譲渡した土地の資産価値を現代の価格に換算すると数十億円になる。

それを武郎は、クロポトキンの利他的自然主義の哲学の影響下、小作人たちに無償で譲渡したのである。

この武郎の行為は当然尊敬されもしたが、バッシングも多々受けた。

「好いお道楽  有島武郎氏の財産放棄について」というエッセイを書いた近松秋江などはその代表である。

つまり、武郎は近松などから「偽善者」というレッテルを貼られたのである。

はたして有島武郎は偽善者であったのだろうか。

もちろんそうではない。

偽善者とはむしろ財産放棄を実践する博愛主義者や人道主義者を偽善者呼ばわりするシラケ人間の方なのである。

このことについては拙著『心・生命・自然  哲学的人間学の刷新』(2009年、萌書房)の第7章と第8章で論じた。

そもそも近松秋江という男は売れない三流作家で、もてないくせに女好きで、ストーカー行為を繰り返すような、不道徳な輩だったのである。

そういう人が有島的行為を偽善とこき下ろすのは、いつの時代でもどこの国でも変わらない傾向であろう。

これが犯人・近松秋江である。

何となく品がないのが分かる(偽善者度診断テストで満点でも取りそうな風貌だ)。

それに対して威厳に満ちたイケメンの有島。

農場事務所前での作業着姿も決まっている。

外貌もその人格性も、とにかくかっこいい。

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

有島武郎の妻 神尾安子

2013-02-22 09:28:33 | 作家・文学

有島武郎の妻・神尾安子は陸軍中将・神尾光臣の次女。

明治22年(1889年)生まれで、有島より11歳下であった。

1909年に武郎と結婚して三子を設けたが、1916年に肺結核で逝去した。

27歳の若さであった。

本人も「人より若く、子供に見られる」と言っている通り、可憐な美貌の持ち主であった。

現代のアイドル並みの可愛さ、美貌である。

この人がイケメンの有島と結婚。

↑ 結婚式の記念撮影。↓

こうして長男の超イケメン俳優・森雅之(有島行光)が生まれたのである。

安子と波多野秋子(武郎の心中相手)を比べると、同じ美人でもタイプが異なることが分かる。

秋子の方がグラマーでセクシーな「大人の女」タイプであった。

↑ 波多野秋子

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

京大哲学科中退のイケメン俳優 森雅之

2013-02-21 14:55:08 | 作家・文学

森雅之(1911-1973)は、有島武郎の長男で本名は有島行光。

京大哲学科中退のイケメン俳優である。

彼は武郎が北大に勤めていたとき白石村(現 札幌市白石区)に生まれた。

3歳まで札幌で過ごし、1914年に東京麹町の有島邸に一家で引っ越してきた。

父の死後、1931年に旧制成城高校を卒業し、京都帝国大学哲学科美学美術史専攻に入学した。

しかし、その後中退し、俳優となった。

彼は、高校生のときから舞台俳優を目指していたのだ。

出演代表作は『安城家の舞踏会』(1947)、『羅生門』(1951)、『白痴』(1951)、『雨月物語』(1953)、『或る女』(1954)など。

このうち『安城家の舞踏会』は武郎の弟・里見が武郎の心中を題材にした小説『安城家の兄弟』の改作版であるが、森は長男の役、つまり武郎を演じたのである。

また『或る女』は武郎の代表作の映画化であるが、森は船の事務長・倉地三吉役を演じた。倉地は荒々しい野性的な男である。

森は父親がイケメン、母親が美人だったので、類まれなるイケメンになった。

そのイケメンぶりを見てみよう。

有島武郎の息子で京大哲学科中退→知性の憂い、官能の惑わし→父親譲りがさらにエスカレート、である。

これは『羅生門』の一コマ。文芸作品がよく似合う。

原節子と。『安城家の舞踏会』で共演した。

淡島千景と。

最初の写真は高峰秀子とのツーショットだった。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダンディなイケメン作家・五木寛之の多面性

2013-02-17 10:56:54 | 作家・文学

先日、五木寛之(1932-)の『不安の力』(集英社文庫)を買った。

私は不安の問題には前から興味があり、2000年には精神医学者メダルト・ボスの『不安の精神療法』という本を翻訳して上梓した。

五木さんは自らうつ病を経験し、また仏教に並々ならぬ興味をもちそれに没頭した。

『不安の力』はそうした彼の経歴を反映したエッセイ集である。

その詳しいレビューは後に譲ることにして、ここでは五木さんの多面性を、画像を見ながら追ってみよう。

まず、戦後闇市派にして早稲田大中退の無頼派の面目躍如の画像。

これは新宿ゴールデン街のゲート前で写したものだが、彼の主著『青春の門』のイメージが湧き上がります。

次に彼のイケメンさが最高に表れた画像。

当時のイケメン(ハンサム、美男)俳優にも勝る男前ですね。

次は美術を愛する五木さんの素顔が表れた展覧会での1ショット。

次にスーツ姿が決まった紳士的な五木さん。

これはヨーロッパ旅行の際に井上靖(右)と尾崎秀樹(左)にはさまれて撮られたものです。

こうして画像を並べてみると、五木さんは有島武郎、太宰治、芥川龍之介、志賀直哉といった並居るイケメン作家を抑えて、日本一のイケメン作家かもしれませんね。

もともと五木さんは、「イケメン」という言葉ができてから、「元祖イケメン作家」と言われているですから。

画像は『別冊1億人の昭和史 昭和文学作家史』(毎日新聞社)から転載したものです。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もてる男・有島武郎 もてない男・里見

2013-01-27 19:05:20 | 作家・文学

有島武郎と里見は兄弟だったが、兄の武郎は超絶モテたのに対して、弟のはもてない遊郭通いの男だった。

『安城家の兄弟』で里見は、兄武郎を暗示しつつ、「女の本性を知らない世間知らずの兄」というような表現をしている。

しかし、次の画像を比較してみれば、どちらがもてるかは一目瞭然であろう。

まず里見。

次に有島武郎。

もう一枚。

兄弟だから、たしかに少し似てるが、イケメン度は比べ物にならないね。

もともと「もてる」というのは遊郭で娼婦に惚れられるという意味だったらしいが、そんなのどうでもいい。

遊女に惚れられて喜んでるのと、絶世の美女の婦人公論の記者に惚れられて当然という顔をしていたのと、どっちが上かは言うまでもないと思うけど。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

太宰と芥川

2012-12-18 10:32:34 | 作家・文学

周知のように太宰治は芥川龍之介に心酔していた。

次の写真は太宰が弘前高校時代に芥川のポーズをまねて撮ったものである。

まねられた芥川

太宰は志賀直也に対して「お前は芥川の苦悩が全く分かっていない」と「如是我聞」で罵倒した。

ちなみに芥川は志賀の短編小説を最高の文学作品と評価していたが、その発言には中身がないものと断定できる。

志賀の作品は多くの作家や文芸評論家が述べているように、随筆、日記まがいの推敲マニア的文章にすぎないのである。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

芥川親子

2012-12-11 20:12:21 | 作家・文学

芥川龍之介と彼の三男・也寸志

也寸志は作曲家であった。

親子してイケメンの芸術家である。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

帰ってきたモテる男

2012-12-08 09:04:42 | 作家・文学

「もてる男 有島武郎と森雅之」のページへのアクセスがものすごいので、二人に帰ってきてもらいます。

まず有島武郎

うーん男前やな。

なんか威厳ある。

そりゃそうだ北大教授だもん。

里見 t じゃ相手にならない(イケメン度は大学院生と小学生ぐらい差がある)。

そんで、有島の長男・森雅之

髭を生やした森雅之は父を想わせる(寄り添う女性は若尾文子?)。

父よりも彫が深いが、威厳と知性はやはり父・武郎の方がある。

結論として、職業と役柄からもてた森雅之と天性のもて男・武郎では、やはり後者に軍配が上がる。

もてようとしてもてた森ともてたくなくてももてまくった武郎の違い。

遊郭通いの里見 t とは次元が違いすぎる。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小谷野敦の『もてない男』

2012-12-04 08:51:24 | 作家・文学

先日、ブックオフで小谷野敦の『もてない男』(ちくま新書)が105円で売られていたので買った。

くだらない本の見本だから手元に置いておこうと前々から思っていたのだが、きもいから躊躇していたのである。

それにしても、よくこんなこと書くなー、と思う。

小谷野敦は秀才だけど天才ではないな。

この点は茂木健一郎も同じ。

目先の売り上げに目が行って、独創性を放棄している。

小手先の技術、器用さに頼って、魂がこもっていない。

東大出身で頭の回転は速いが、立ち止まって考えることが苦手なんだろう。

誰か『もてる男』という本を書く人はいないのかなー。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『人間失格』と『或る阿呆の一生』

2012-11-19 21:16:50 | 作家・文学

太宰治と彼が崇拝した芥川龍之介はどちらもナルシストであった。

まさか太宰の『人間失格』と芥川の『或る阿呆の一生』をどちらとも文字通りに受け取ってる人いないよね。

プライドの高さがこういうタイトルを生み出すのである。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

別の写真

2012-10-28 21:49:11 | 作家・文学


有島の別の写真。
やはり男前。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする