どこ吹く風

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廃仏毀釈

2007年07月21日 07時17分57秒 | 能登
 墓参りが済んだあと先祖縁の地坊津を廻ることになっていた。薩摩半島を斜めに横断するように山の中を走る。有料道路として切り開かれた道なので整備は行き届いている。しかし景色を眺める点では一般道路を走るのが楽しい。

 海が見えた東支那海だ、遣唐使の船乗り場という案内板がある漁港へ着く。台風対策で船を固定する為に漁師がロープを泳いで引いている、ちょっと離れた所に遣唐船を模した遊覧船が繋がれている。ここはその昔から交易の地であることが窺われる。
歴史資料館で説明を読むと遣唐使が出た場所であり又密貿易で栄えた場所だった。密貿易とは御朱印船のように割符を持たずに交易したということでしょう。薩摩藩が利益を独り占めするために取り締まるまで交易で栄えた地であったようだ。

 豊かな場所だったので由緒あるお寺があったようだが、明治初期の廃仏毀釈運動で跡形も無く取り崩されて小学校になっている。
文化大革命による寺の破壊や最近ではタリバンによるバーミヤン仏像遺跡破壊など文化遺跡が狂信的な人たちによって行われた。非難されて然るべきだが近代国家になったばかりの日本でも寺の破壊が行なわれたことを忘れるべきではない。何故ならこれらの破壊が全て時の権力が大きな影響を与え実行し、若しくは破壊を黙認したからだ。

 薩摩藩は討幕運動の中心的な藩だったので尊皇思想が強く、廃仏毀釈運動がスムーズに広がり其処にあった由緒あるお寺の徹底的は破壊が行なわれたのだろう。と考えながら指宿を目指して車を走らせた。

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