ふと、思い出すことがある。
何年か前、いや、20年以上も前になろうか。
母が私のいない所で、妹たちに言っていた事を、妹の旦那から聞いてしまったのだ。
それは、妹達に向かって、お前達は美人なのに、何でM子(私の事)は肌が汚いんだろうね、と笑いながら言っていたそうなのだ。
その話をしながら、可笑しくてしょうがない、というふうに、妹の旦那も笑っていた。
確かにその頃の私は、まだアトピー がちゃんと治らず、肌が汚かったと思う。
だけど、私はその話を聞いてショックを受けた。
母親なのに、病気で悩んでいる娘を馬鹿にするなんて、よくできるものだ、と思った。
私の娘達もアトピー の時は肌が汚かったが、私はだからといって娘を馬鹿にしたり汚いとなどと思った事は一度もない。
逆に、心配でたまらなかったし、かわいそうで愛おしくてたまらなかった。
そして、治って綺麗になった娘を見て、本当に良かったと思っている。
母親とはそういうものだと思うのだが、私の母は違っていた。
まだ20代の前半で、ステロイド剤からの離脱で顔がものすごい状態になった時、母は私にこう言った。
うちの実家の家系には、こんな肌の人は誰もいない、きっと父親の家系が悪いのだ、と。
すると、父も負けずに、
俺の家系にもこんな肌の人はいない、と言って、喧嘩していたのだ。
自分たちの娘が、離脱症状で苦しんでいる時に、2人とも自分は関係ないみたいな顔をしていたのである。
誰も私の苦しみなど解ろうともせず、私は1人で耐えていた。
もし、私なら、娘と一緒に苦しみ、ひどい肌の娘をいたわり愛おしいと思ったと思う。
そんな母の事を見ていた、父の姉、つまりおばさんが、母に注意してくれたようだった。
自分の娘なら、もっと心配してあげたら、と言われて、母は憤慨していた。
母にとっては、娘よりも自分が大事で、美人の娘なら自慢できるが、醜い娘は恥ずかしいのだ。
こんな事を、ふと思い出してしまった。
また、小学生になってもおねしょの治らない妹を怒って叩いていた鬼のような母も思い出す。
だからなのか、妹は母に冷たく当たることが多い。
情けない母だが、親の面倒は見るつもりだ。
ちゃんと食べさせてもらった恩はあるし、別の意味で心配してくれることもあるからだ。
だけど、どこかで一線を引いている私がいる。