こぶとりばばぁの鬼退治日記

ぶっそうな題名でスミマセン。

らしい…

2010-10-12 22:40:54 | ひとり言
昨年の4月14日に肝臓がんで亡くなった、作家の上坂冬子氏の闘病生活半年間の手記を図書館で見つけた。
『死ぬという大仕事 がんと共生した半年間の記録』
この題名を見たとき、ルポライターとして生きた上坂冬子氏らしい、と思った。硫黄島とか靖国問題とか戦後史を徹底的に取材し執筆されていたけど、今回がんになって、現状の医療体制の問題について論じている。大学病院などの大病院が最後までがん患者を診ていくことが出来ないことが、医療費を第一に考える医療制度による問題から生じていること。最後まで診てもらえないがん患者は、「がん難民」と呼ばれていること。

「緩和ケア」と言う、死を全面的に受け入れる「ホスピス」とは違う分野があることも初めて知る。「緩和ケア」は痛みや精神的なものも含めた苦痛を取除き、生活の質を高めることを第一としたケアで、末期がん患者やその家族が安らかに死を受け入れるようにするのとはまた違うのだそうだ。

この本は上坂冬子らしい。がん患者として今の日本のがん治療、がん患者への対応の問題点を明示している。一生涯を通して、書くと言う使命を持てた作家らしい死に対する最後のレポート。今日は三浦綾子氏の命日でもあるようだけど、三浦氏も「まだ死ぬと言う仕事が残っている」と闘病中に言い残している。

肝臓がんは苦しまずに死ねるそうで、私も出来れば肝臓がんで死にたい、って言ったら友人が、
「うちのおじいちゃんは肝臓がんだったけど、肺に転移してそれは苦しそうに逝ったよ」
とつぶやく。そうかぁ~。転移されたら意味ないなぁ~。
が、緩和ケアはなるべく最期の痛みを取除くようにしてくれるそう。緩和ケアがどこの病院でも受けられるようになるには…まだまだ時間がかかりそうだ。

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