こぶとりばばぁの鬼退治日記

ぶっそうな題名でスミマセン。

『赤い人』

2016-07-21 22:14:36 | ひとり言
『白い人、黄色い人』と言えば、これで芥川賞を受賞した遠藤周作の作品。
その後、『黒い人』を書けば?と言う話もあったそうで…。腹黒い人って意味ですね。
『笑点』の円楽師匠じゃないけど、遠藤周作の友人、知人からそんな冗談があったそうです。

そんな話を読んだ後、『赤い人』と言う作品を書いている吉村昭の作品を読んだ。
これは明治時代、赤い獄衣の囚人たちが、北海道開拓のために利用され、1014人が命を落とした記録でかなり重い本だった。簡単に死刑に処された方がラクではないか?と思えるような処罰の記録。こんなことが平然と行われて、その結果、北海道の諸々の今日の発展につながっているのかと思うと、「きゃぁ~!北海道、素敵ぃ~」と、無邪気に喜べなくなるような本でした。

国家権力とは恐ろしい…。
あまり知らされていない過酷で悲惨な歴史を紐解いていく…。そんな作品を数々残している吉村昭…。
これからの平和な日本(?)に住む人たちに沢山読まれるといい作家だなぁ~と思うのであります。