元SEALDsの諏訪原健「戦争の始まりはいつも…」
https://dot.asahi.com/dot/2017060500054.html?page=1
かつてドイツのワイツゼッカー氏は「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目になる」と言って、自国の国民と非情で悪辣な政治的指導者たちがこぞって熱狂し、恐るべき人道的犯罪を繰り返した歴史的事実に言及し、こうした過去に学ばない者は多く現在にも未来にも無責任になり、過ちに満ちた行為を無意識に積み重ねることを警告した。現在の安倍晋三以下の政治集団がやっていることの基本はまさに過去に眼を閉ざし、むしろこれを捻じ曲げ歪曲しなかったことにし、却って過ちに満ちた過去を礼賛し、そういう事跡を踏襲しようという流れになってきている。だから恐らくは同じ轍を踏む、と考えた方がしっくりくる。だが、現実にこれを体験してない戦後世代は頭でわかっていてもさほど切迫しての危機感を感じないものだ。筆者の見たところ民度が発達しなかった日本では恐らく二度目の敗戦は避けられまい、と思われる。国民自身が盲目である以上取り返しはつかない。こぞって何も見えない状況下、日本は破滅への一途を辿っていると思っていた方が事態を見誤らずに済むかもしれない。