実質審議に至らず 地方自治の試金石 違法確認訴訟
かつても今も日本人は「ノー」と言えない人種だと言われている。しかしこれは極めて皮相な見方でしかない。我々の見るところこうした言われようは欧米的な立ち位置で発せられた欧米的な評価にほかならず決して日本人の真髄には言及してないものである。ではおまえはその真髄を言えるのかと言えばこのようにしか言えない。つまり、日本人は元々曖昧さを基調として自己主張が苦手な、現状肯定的な生き方が性に合っている人種だと。こういえば、多くの民衆は大概保守的でおとなしく大勢に従う種族であり、日本人と限らず人間の本性がそうなのではないか、と言われるかもしれない。そのとおりでありそれだけを取り上げれば日本人は一般的な大衆的迎合主義を地で行く存在かもしれないのだ。
この一般性という在り様は日本人にはどのように表象されるのかというと、ある単一な選択を迫られた場合、傾向として安全性、無難な選択肢、際立つことのない意見、といったところに手が動く、ということだ。これは勿論統計的なものであり、総合性の強い振り分けではある。勿論、心身に直に迫る感覚に関わる事柄についてはある程度バランスを破って自己主張しないこともないが本音のところを隠し、あるいは曖昧にし、一般性に仮託する傾向は日本人に顕著に見られる。
何故、こうした日本人の、あるいは人間にとって特徴的な表象とは真逆な、民衆の強い自己表出が沖縄県でははっきりと打ち出されるのか、という疑問がある。簡単な話で、それは全て米軍基地の問題性から導かれた、直に生存生活あるいは環境に影響し被害化される実体験が、ここでは絶え間なくあったからであり、放っておけばこのまま未来永劫同じようなことを繰り返すのではないか、と大きく危惧している民衆がいる、ということだ。これは民主主義がどうこういう問題ではなく、まさに人間の差し迫った死活問題である。
一方、島津侵攻で王府が日明(のち日清)両属的な地位に甘んじた(そのこと自体には本質的に重大な隷属実質はなかった)後、琉球処分という明らかに武断的強迫的に行われた一独立国の隷属化が、沖縄の民族的逆境実質を準備したことは恐らく疑いようもない事実だ。
明治維新以降の大日本帝国が欧米風近代化という歴史的進歩主義において失敗した(近代化路線としての帝国官僚体制から生じた机上企画の強国主義が結果として欧米を敵に回しアジアにさえ敗北させられた)のは、琉球沖縄にとっては二重の不幸であった。この錯綜する歴史的境遇(近代化とこれの失敗、アジア独立解放と日本の閉塞的孤立.....米国傀儡化)が現今沖縄の運命を熾烈な悲劇的空間に導いていることは今我々が目撃している通りではある。つまり、近代化の失敗と共に米国の傀儡国家に落ちた日本国の、そのまた一種の属領となっているかつての琉球国沖縄県、という状況では、複相化し縺れ合って様々に入り組んだ関係性が発生し、一筋縄ではいかない将来を暗澹たる予感のうちにぼんやり見ていることになる。
琉球沖縄の最終的な頼みの綱とは一体なんだろうか。ニライカナイ、ノロ、御嶽(ウタキ)信仰、歌舞音曲、エイサー、豊年祭、ダイナミック琉球、月々のウガン(御願)、拝所、......筆者にはこうした異質だが民衆的な諸々の仕草の中に漂っているマブイの息吹が、永続的で果てしなく思え、そこに自らも引き込まれる感覚に時折忘我する。
何事にもにこにこしているおじいおばあを見ると、自分の身を守ろうなど少しも思わなくなる。この人たちの喜ぶ姿を見たくなり羽目を外して踊り出したくなる。(中野重治がどこかで同じようなことを言っていたっけ。)沖縄でそういう心持に成れたのは筆者の唯一の幸運、幸福であった。(つづく)
<社説>違法確認訴訟結審 埋立法を原点に司法判断を
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-339859.html
<社説>高江交付金要望 反対民意封じ込めに使うな
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-339858.html
下劣な体制阿り、情けない地元首長の明らかな失政だ。
地方自治問う試金石 辺野古の違法確認訴訟
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-339876.html
一体に安保に関しては国や司法に不信感がある。砂川裁判には米国政府の明らかな圧力があった。今あの司法の堕落が国の在り様をなし崩しに決していると受け止められている以上、高裁がこれに追随する可能性はかなり高い。つまり安保の国家専権事項扱いが国家の地方自治権侵害実質を正当化する、司法が行政権に屈服する先例を紡ぎ出すという流れだ。このように安倍晋三体制がその横暴を公認されたら国民は否応なく奴隷化される。国がそのように触れ出したらこれに逆らうのは無力な民には至難の業だ。司法が人権を守護しなくて誰が......結局は水際で食い止める不服従の運動が最大の有効性を保持する、ということだ。それ以外に何らの同盟軍も存在しきれない。
翁長知事「民主主義が困難に」 辺野古の違法確認訴訟が結審 9月16日に判決
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-339873.html
国は、和解勧告の正しい解釈を拙速に誤解して「迂回策」(安倍晋三)と米大統領にまで公言し、真摯に「全国的問題」として県側と協議してこなかったことは明らかな不手際であろう。裁判長が安倍の息がかかっていることは
周知の事実だが、司法がこれを県側の不作為と断じるならつまりは司法が死んだ、ということでしかなく、最早この国は終わったということになる。琉球はこの国から速やかに離れるべきだ。
「詩596 琉球新報記事 「高江に交付金を」東村、自民県議団に要請 着陸帯建設巡り」 goo.gl/F4afUY
— yanbar (@nakijinnohosi) 2016年8月19日 - 08:19
「詩596 沖縄タイムス記事 <辺野古訴訟>きょう本人尋問 翁長知事、違法性なし主張へ」 goo.gl/3NbsUY
— yanbar (@nakijinnohosi) 2016年8月19日 - 08:33
「詩596 沖縄タイムス ツイート 辺野古、高江現在」 goo.gl/apMcBx
— yanbar (@nakijinnohosi) 2016年8月19日 - 08:35
「詩596 辺野古浜通信 高江ツイート」 goo.gl/XPZXuf
— yanbar (@nakijinnohosi) 2016年8月19日 - 08:36
「詩622 琉球独立戦争の端緒 10 日本の敗戦 2」 goo.gl/t7OXM3
— yanbar (@nakijinnohosi) 2016年8月19日 - 10:15
「詩596 琉球新報記事 千代田配備「絶対に駄目」 宮古島陸自計画 市議と意見交換」 goo.gl/CITGB6
— yanbar (@nakijinnohosi) 2016年8月19日 - 18:30