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論文のreview

2017年09月05日 | 仕事・研究
reviewの依頼が来て、さてコメントを書こうとし、「この論文はこんなことについて調べていてとても興味深い、が、しかし、以下についてさらなる検討が必要である。」というどんなコメントレターにも必ずついてくる「導入文」、前のときはどんなの書いたかな~と思って以前のものを開いて見ました。で、ついでに自分が投稿してきた論文を最初に投稿したときにもらっているreviewerからのコメントも改めて開いて見てみました。たしか、今の大学に来て最初の論文は初めてコレポン(責任著者)で書いたので、すごく苦労したんです。そして最初に投稿したときはものすごく辛辣なコメントがいっぱいついたので、リバイスをせず、withdrawして他の雑誌に出したのでした。今回の論文はあの時くらい辛辣なコメントになりそうだから、参考に見てみようと思ってひらきました。

が、しかし、あらためて読んで我ながら笑ってしまいました。
当時、「こんなこと書かれてとてもリバイスなんかできない。こんな追加実験はとても無理。」と思ったはずなのに、今だったら、たぶんできないことはできない、理由はこれこれ、って反論できるだろうと思えたからです。最近投稿している論文だってやっぱり辛辣なコメントがいっぱいつくけれど、何とか論破しているのでした。だって、ダメなら最初からrejectなわけで、コメントをくれているということは、それに応えろと期待されてもいるわけなんです。わたしもたぶん鍛えられてきたってことですね。

しかしこのpeer reviewという仕組みは本当にすごい。よく成り立っているものだと思います。時間もそれなりにかかるのに、すべてボランティア。自分の勉強になるということは間違いないけれど、今回わたしが読んでいる論文のように、根本的に実験をやり直したり書き直したりしなきゃならない論文にも丁寧に対応しなきゃいけない。査読を受けて世の中に出る論文だって最初の稿よりずっと洗練されて印刷されているはずで、その陰には必ずreviewerがいるということです。

論文に限らず、文章を書くとき、ヒトの目を経るということは大事なことです。
客観的に見てもらって改訂することで質が上がります。
だからこういう精神的にも非常につらい行程を経ていかねばならんのですね。

にしてもやっぱりショックだな~。最初の論文、もっと頑張ればよかったのに>自分



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