寄り道 まわり道 遠くへ行く道

新しいことを見つけるって楽しい!

負荷をかけて力を伸ばす

2009年01月20日 | アメリカ生活
今日はネタがないので昔の話を。

私が現職に就く前、アメリカで仕事していたことはここにもよく書いています。私は外国で暮らすということに漠然とした憧れがあって、いつかそういう機会があったらいいなあと思っていましたが、実のところ英語は全然だめだし、子どもは小さいしで、あんまり現実味がない夢でした。英語はずっと勉強していたのですが、もともと苦手で、高校時代の勉強量が足りなかったので、いくら勉強してもたいして伸びませんでした。今から思うと絶対量がまったく足らなかったのです。だらだらと少しずつやっていたのですね(英語の習得に関しては、細く長くは絶対に無駄です。ある時期死ぬほど詰め込む必要があります)。それで、アメリカに行った後、大変苦労しました。最初の半年はもう、精神的にかなりしんどかったですねえ。半年たったときに、「もう少し残らないか」という話が出たのですが(もともと1年くらいの予定で渡米していたので)、いやあこれ以上しんどいのはもう勘弁、と思ったのを覚えています。

毎日がプレッシャーでした。
どうしても電話で話さなければならないということが度々あるのですが、電話の英語が一番むずかしくて。顔を見て話せばまだ説明のしようがあるのですが、電話で一方的にやられると本当に大変でした。ビザのこととか、税金のこととか、「生活」する上で熟知しなければならない、あるいは激しく交渉しなければならないことがたくさんあって、常に緊張状態にあり、そういう問題で頭の半分くらいがいつもアクティブに働いていて、心の休まるときがありませんでした。

結局5年以上滞在し、英語だけではわからないアメリカという国のやり方がだんだんわかって、だんだん楽になりました。でも最後まで、プレッシャーはなくならなかった。常に厳しい結果を要求される場所でした。生きるということ全般において。

英語は最後まで「得意」にはならなかったし、必要最低限という感じでしたが、それでも渡米前のレベルから考えれば雲泥のところまで力が伸びました。ひたすら、負荷をかけて力を伸ばしたという感じです。できれば負荷なしに伸びれば楽しいんですが、やっぱり人間は負荷がないとだめなんですね。

何か身につけようとするとき、自分の意思とか目標とか、そんなので習得できる人がいたら超人であろうと思います。わたしは、外因しか自分を伸ばすものはなかろうと思っています。自分にはどうすることもできない、自分を追い込む外的要因。そういうのを意識的に作れれば、自分の能力というものはどんどん伸びていくのでしょう。つらいに決まってますけどね。でも振り返ってみて、あの頃のあのつらさ、これは一生の宝としか言えません。知ってたら行かなかったかもしれないんですけど、知らなかったからこそできたのかもしれません。

子どもが小さくても。
語学力がなくても。
日々とにかく問題解決を続けていけば。
毎日毎日自分の限界が少しずつ先へ先へと進む。
そんな感じでしたね。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 締め切りを守るって | トップ | 行き当たりばったりでいけな... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

アメリカ生活」カテゴリの最新記事