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働き方の見直し

2017年04月03日 | 仕事・研究
最近わたしは、大学で働き方の見直しということに取り組まざるを得ない立場になっています。
私は2年前まで子どもを育てながら仕事をしていたので、いかに効率的に仕事して成果を挙げるかということを常に考えていました。しかも時間の制約の中にあってもやりたいことをほぼあきらめない、という考えでいたので、かなりハードワークできたことは間違いありません。ですからいつももっと時間が欲しい!と思ってました。

でももしかしたら、この「時間の制約」がよかったんでしょうね。
今にして思えば、時間が自由ならもっとあれこれできたかというとそんなことない気がします。
私のパフォーマンスが最大限に引き出されたのは、時間が限られていたからこそでしょう。
そうでなかったらもっとだらだらやって成果も上がらなかったと思います。
ただ、わたしの場合、やりたいことが多すぎて、睡眠時間を削って削ってやってましたし、どこかでつまずいたら全部だめになるようなスケジュールで動いてましたので、あれはちょっと他の人には勧められないなあ、と思います。この度は職場の多くの人にいかに労働時間を減らして仕事の効率を上げるか、ということを考えてもらわなきゃならないのですが、教員・研究者と大学職員さんではまた違う観点が必要なので、ここではまず教員・研究者としてというのをちょっと書いてみます。

大学教員の仕事は多岐にわたります。
管理運営・教育・研究・社会貢献の4分野での仕事が義務です。
一番しわ寄せがくるのが「研究」。最近新聞などでも取り上げられていますが、大学教員には「研究」のためのコアな時間というものは存在しません。
とくにうちくらいの小規模校になるとよほど覚悟がないと事務仕事と会議で忙殺されて一日が終わりますし、研究室も学部生中心なので任せておいて研究が進むということはあり得ません。

私はもういい年なんですが、いまだに「学生が論文を書いて私は添削するだけ」というのは経験していません。同じ市内のT大学では30代の准教授の先生でも「もう自分では書いてないです」ということがあるそうですが(本人談)、ここでは自分が書く以外に道はありません。ですから年がら年中論文を書いています。それでも1年に一本出すのがせいぜい。あとは共同研究者が書いてくれればありがたいなというところ。ちなみに昨年(2016年度)は英語論文(ファーストオーサーにして責任著者)というのが一本、日本語総説一本(単著)、共著英語論文一本というのがわたしの業績です。これでもホントにやっとこさという感じ。

それでも、わたしはとにかく「書かなきゃ」と思ってます。
論文を書く時間はどうやって作ればいいのだろう、とずっと考えてきたんですが、まずは毎日絶対に書く。可能な限りその日の最初の仕事として朝のうちに少しでも書く。そのためには前日帰る前に翌日やることを全部書き出して、優先順位をつける。それから、突発的な仕事はだいたい学生対応なので後回しにできませんから、学生が来ない間に書く(笑)。というわけで、朝なるべく早く出勤することが肝です。夜は疲れてますから、「夜書こう」と思ってもあんまり生産性はあがりませんよ。これは私の体験からも言えることですが。

あと大事なのは締め切り管理のノートを作る。(個々の項目にいつ取り掛かり始めるのか、を決めるのが大事。)
そして、一つの仕事にかかる時間を予測する。いつも時間を意識する。
すべての書類に高い精度を求めず、最低限の時間で仕上げるが、締め切りぎりぎりにならないようにする。文章は寝かせれば簡単に精度を上げられるので、どんどん書いて寝かせて、次の次の日あたりに起こして完成させればよい、くらいの管理で行く。

だいたい忙しすぎる人は自転車操業になっていて、余裕がないから穴があいたり忘れたりするうえ、成果も十分上がらない。
机の上が乱雑だからしょっちゅう探し物をしている。
一度落ち着いて、物も時間も整理する習慣をつければ(たとえ一時的に時間を取られても)、その方が結果につながると思います。

それと、会議は終わりの時間を決めて始めるということにできないものかなと思います。
どんな仕事もとにかくかける時間を先に決めておくようにすれば、きっと労働時間はもっと減らせると思う。
まあ好きで研究してるんだからいくら遅くなったっていいよって人も多いと思いますが、でも時間ができれば他のこともいろいろできて、視野も広がるし研究の新しいアプローチも見つかるかもしれない。なにより人生豊かに生きている人は他の人も幸せにできる。社会全体がきっと変わってくると思うんです。実際、アメリカではどんなに業績がすごいラボでも皆そんなに長時間労働してないし、とにかく生産性が高いってことがすべて。だからホントここらで私たちも考え直したいと思うんですね。






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