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実験は細心の注意で

2011年09月07日 | 仕事・研究
今日、dNTPミックスを作ろうと思って試薬をあけたら中身が「NTP」だったんです。発注した時は絶対にdNTPを指定していますが、納品で間違ったんでしょう。でも確認せずに冷凍庫に放り込んだか、気がつかなかったんですね。ショックでしたが、使う前に「気がついてよかった」。これ、もし学生に「作っておいてね」と言って任せてたら、たぶん彼ら気がつかなかったと思います。

先日も、全血で測定するキットを血清で測定していた事件とかあったんですが、はじめて実験やるような学部生じゃ、気がつかないことありますよね。冷蔵庫に両方入ってて、「血糖測定して」って言われてGluって書いてあったら「あっこれだよね」ってねえ。

でもそう考えるとあれこれ怖くなってくるんですね。
学生の実験は実験ノートまできちんと見ていますが、見逃してることがあったらどうしよう、と。
とくに「先輩から習った」という実験や作業が怖い。伝言ゲームのようになっていて、わたしがみたらびっくりするようなことをやってる場合がこれまでもあったからです。2年くらい前までは外部に出すデータは私が全部同じ実験をやって裏をとってたんですが、試薬が2倍必要なのでやめました。その後は特に注意が必要な実験・作業はわたしがやって、なるべく試薬を無駄にしないように、、、ということにしていたときもあります(科研費がはずれた年だな。あの年は苦しかった。)。今でも絶対にコンタミしたくない試薬は私がつくるんですが、、、。

でもうちは大学院生が中心のラボじゃないものですから、ある程度は学部学生に任せなければ実験室がまわっていきませんので、本当に気をつけなきゃなりません。せっかく実験したデータが、使い物にならないというようなことになったら残念ですし、取り返しのつかない発表などしてしまったら大変です。

研究の現場は、大きなラボでポスドクや大学院生がバリバリ仕事しているところだけじゃありません。うちのような学部生中心のちっちゃな大学もあるんです。それでもちゃんと勝負できる(とわたしは信じている)んですが、そのためには本当にみんなで意識を高めあっていかなきゃいけませんね。私一人がわーわー言っててもだめなんです。

ここにもあれこれ書いていますが、学生は発展途上人。
ここでの研究室生活が社会人への最後の仕上げ時。
自分の行動に対して高い意識をもってのぞむということを何とか理解してもらいたいです。
そういう点では、学部生が主体のうちの大学のような環境は、むしろ大きな責任にチャレンジできるよい環境と言えるかもしれません。

今度のLab mtgでちょっとまた話しよっと。
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