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大学院進学と研究職への道

2009年02月17日 | 大学でのひとこま
最近「大学院進学」について考えることが多くなっています。うちの研究室の3年生が2人大学院進学を希望しているからということもあります。

私自身は獣医学科の出身ですが、当時は修士積み上げの6年制だったため、クラスの仲間は全員大学院に進学しました。修士を持っていなければ国家試験を受けられなかったのです。獣医学科は今は医学部と同様の6年制ですから、大学院入試はありませんが、私の頃は専門科目と英語の試験を他学科の学生同様に受けました。とくに私は英語が苦手でしたから、大学受験用の単語本から始めて、長文読解を大量にこなして準備し、何とか合格することができました。

しかしそういうわけですから、大学院に進んで「こんな研究がやりたい」みたいなことはあんまり明確ではなくて、大動物がやりたいから繁殖だ、という感じで研究室を決めたのでした。けれどもそういう流れでやってるうちに、だんだん研究がおもしろくなってきて、「臨床はいつでもできる」と思って(実はこれは大間違いなのですがその頃はそう思っていた)基礎研究の道に進みました。卒業後は大動物どころか、予想もしていなかった公衆衛生をやることになってしまったのですが、でも、結果的にはそれが功を奏して、その後の私の仕事が決定付けられました。

しかし研究職への道は昔も今も簡単ではありません。私のときも、大阪府の研究所にとってもらえなかったら、行くところはありませんでした。家庭の事情でその研究所を辞した後はずっと任期のある職で、成果がなければ首が飛ぶという世界でやってきました。ですから、これから大学院に進み、さらに研究職を目指す人たちには覚悟をもってのぞんでもらいたいと思っています。なまはんかなことでは生き残れません、、、。私も何度ももうだめかとおもいました。あきらめる寸前で残ってきた、という感じです。

研究というのは独創的なもので、アイデアが勝負です。しかし、そうはいっても、技術や理論の裏づけは必須です。だから、研究で生きていこうと思うなら、学部生のときからしゃかりきに勉強してほしいなと思うし、実験系であれば寝食忘れて実験に没頭するようでなければ、とてもやっていけないと私は思います。そこまでやったとしても、アイデアがなくて技術職で終わる、、、という人もいると思います。一生テックでいい、という生き方も、あります。しかしまあそういうのはもっと先に決断すればいいのであって、まずはやってみるしかないでしょう。やってみて「自分はこういうシビアな世界はつらいかも」とか「切磋琢磨のハードな世界は疲れるな」と思ったらなるべく早く軌道修正し、自分にあった道を見つけたほうがいいでしょう。そういう意味でも、まずはとことんやってみる。そうでないと好きか嫌いかもわかりません。イメージだけで「研究職」を考えないことです。

さてうちの大学院もいよいよ来週が入試。
受験するみなさんはがんばってくださいね。





コメント (4)
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