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フェルメール展と絵を見る日常

2008年11月24日 | その他もろもろ
東京に出張した帰り、上野によってフェルメール展に行ってきました(金曜日は8時まで開いているのです)。うわさどおり、入場制限で20分待ち。場内も大変な混雑でしたが、「絵に近寄れない」という悪評ほどではなく、きちんと、しっかり、見ることができました。というより、あまりにも人が多いので、そろそろこの絵の前から動きたい、と思ってもなかなか抜けられないという感じで、おかげで本当にじっくり見ました。

私はワシントンDC近郊に住んでいたので、ナショナルギャラリーでフェルメールを数点見ていますし、NYのメットでも数点見ています。今回の東京で7点でしたか、見ることができたわけで、地球上で見られる全フェルメールの約三分の一を見たことになるのでしょうか。これはなかなかすごいことです。世の中にはフェルメールを全部見るために行脚される方も大勢いらっしゃるのですから。

しかしやはり、あれだけの混雑の中では絵の余韻を楽しむのは難しいですね。先週仙台で行ったウィーン美術史美術館展でも書きましたが、美術展ではひたすらに静かな時間を堪能したいのです。それが全然かないません。ワシントンのナショナルギャラリーは数え切れないくらい行きましたが、いつも、好きな絵はいくらでもゆっくり見られて、静かでひたすら広い空間を楽しめました。絵を見ることが日常である環境が、うらやましいなあといつも思っていました。さらに、NYのメットはもっとすごい規模で、NYに住む人がうらやましいとよく思いました。

ウィーン美術史美術館の入館者数を調べると、第二位が日本人だそうです。日本人は絵を見るのが好きなのは間違いありません。しかし、これだけの人が同じところにいっせいに集う、というのはちょっと他の国ではないことかもしれません。フェルメールも、好きな人は好きだろうし、全然興味のない人もきっと大勢いるんです。でも、日本人はこれだけ話題のフェルメールなら、やっぱりみんな見に行ってしまうのかもしれない。TVでも大々的にやっていたそうですね、私は見ていないのですが。

さて、本論のフェルメール。
私は「マルタとマリアの家のキリスト」と「手紙を書く婦人と召使い」がもっともフェルメールらしくて(というのは変ですね、みんなフェルメールなんですから)、とてもよいと思いました。マリヤとマルタはもともとフェルメールの作とは認められていなかったという話もあるのですが、でも、美しいドレープの描き方が、まさにフェルメールで、やわらかくて本当にきれいでしたよ。

Vermeer-Lady_Writing_a_Letter-Dublin-G
手紙を書く婦人と召使い


マルタとマリアの家のキリスト





コメント
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