一瞬の風になれ

一瞬の風になれ　佐藤多佳子著　講談社　

２００７年本屋大賞、吉川英治文学新人賞を受賞した本です。

書評でもめちゃめちゃ評判がいいので、買ってみました。
３部構成で、まだ２部の途中までしか読んでいませんが、中学生から大学生くらいにお薦めの本ですね。陸上の話なんですが、人と自分を比べていろいろ悩む年代にとって、心の落としどころにすとんと落ちる本ではないかと思います。

主人公の兄は優れたサッカーの選手で、主人公は小さい頃から兄を目指してきたがどこまでいっても追いつけない、という前ふりがあるのですが、オトコ兄弟というのは（うちにもいますが）、どこまでもライバルなんですね。しかしこの本の兄はちょっと別格かな。優秀すぎるっていうか。こういう特別な兄のいる弟、はやっぱり苦労するでしょうね。自分は自分、と割り切れるようになるまでの成長が必要なんですね。そう、人と比べなくなると、生きるのがずいぶん楽になるんですが。