犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

辰巳ダム裁判>比流量は検証か

2015年06月26日 | 辰巳ダム裁判
 比流量も検証の意味がある(p.122)との判示がされたが、これは誤りである。

「基本高水の決定」のフローチャートに「流量確率、比流量による検証」との記載があるが、これは「流量確率、比流量による検証(とバランス考慮)」であり、(とバランス考慮)が省略されている。下段の解説を読めばわかる。

「流量観測データが十分蓄積されているような場合には、流量確率を用いたり、また、中小河川では合理式による値と比較を行う等により、基本高水のピーク流量を検証することや、比流量を用いて、本支川バランス、上下流バランスや流域の気候特性や計画規模が同規模の他河川とのバランスを考慮することが必要である。」(p.34)と記載されている。

 判示は、「基本高水ピーク流量に対する検証としての意味を持たないとは言い難い」(p.122)として、検証の意味を持つと判示しているが、新基準の解説(p.34)に明記されているとおり、バランス確認、類似河川で近似しているかを判断する指標であり、検証ではない。 

 検証は、解説に記載されているとおり、「流量確率評価、合理式による値との比較等」であり、比流量は含まれていない。

 比流量のバランス確認とともに、検証もしなければいけないのである。
 したがって、「新基準には、比流量を用いた同規模の他の河川との比較が基本高水ピーク流量の検証方法として明示されており」(p.121-122)と判示したのは誤りである。
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