読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

宮下清廣の『コロナバブルの衝撃!空前のバブル相場に備えよ』

2020年07月10日 | 読書

◇『コロナバブルの衝撃!空前のバブル相場に備えよ

           著者:宮下清廣  2020.6 実務教育出版 刊

  

    このところ新聞紙面や書籍広告では「コロナ恐慌」とか「コロナ大不況」といった
刺激的悲観的な文言が飛び交っている感がする。
 その点本書は切り口が株式投資であることもあってか「コロナバブル」という視点
でこの経済社会活動の大激震にどう対処すべきかを論じており前向きである。
 大局的相場観指南書でもあるし具体的ターゲットも示す投資助言書でもある。

 新型コロナのパンデミックは、地球規模で社会経済構造の変革を強いる。当然この経
済変動にどう対処すべきかを投資家が問われたときに行動の規範となるの相場観が問わ
れることになる。
 著者は長期にわたる相場研究の成果を踏まえ、空前となるコロナバブル相場について
一定の結論を示す。
 この本における総論を言えば、コロナという大災害は一過性大惨事ではあるが、必ず
終わりが来る。そこで株価はどう動くかを見極め行動することで資産防衛、資産形成を
勝ち取ることができるとする。
(以上第1章コロナショックで変わる世界)

 なぜ空前のバブル相場とみるのか
 著者の相場観測の大局観には理論的根拠がある。それはベースとしてコンドラチェフ
の40~50年周期の波動理論であり、これを下敷きにした糸川英夫博士の60年周期説(下
降期30年、上昇期30年)である。
 糸川説では4つの仮設を上げる(①戦争②技術革新③農業④通貨)。第1の特異点は
1960年のピーク(高度経済成長)。1990年が底(バブル崩壊)。2020年は第3の特異
点(トランプバブル)である。リスクが高まるターニングポイントはコンドラチェフの
波のピークと一致する。
 従って2021年は10年に一度の買いのチャンスであると結論するのである。
(以上第二章糸川英夫とコンドラチェフとの4つの仮説)

 そこで買いのタイミングはというと、3つのシナリオが考えられる。
 ① 先ずはコロナは数か月で収束し株価は上昇する。これが楽観シナリオ。
 ② 中立シナリオは感染が拡大し、株価は乱高下からボックス相場へ。 
 ③ 悲観シナリオは1年かそれ以上長い感染症の戦いが続き、株価は再度暴落、二番底、
  三番底をつける。

  結論を言えば著者は①の楽観シナリオ。今度のコロナショックは第2波第3波がある。
 そこで現在起こっている社会構造変化の兆しの中で、何が伸び何が退場していくのか
 を冷静に見極めることが肝心であるとする。
  
  新型コロナウィルスは歴史上特記すべき疫病パンデミックを引き起こし経済大変動
 をもたらしたが、既に底流にあった原油価格の暴落、米中貿易交渉の停滞、アメリカ
 大統領選挙の行方などがマーケットの短期的な変動要因として株価を左右する。

 なぜ投資活動にとって10年に一度の大チャンスと見るのか。
 2020.2.25アメリカはNYSEが天井を付けた。(日本は2020.1.17)セリング・クライマッ
 クス第1波が到来中である。
  株価の波動から見て下落は半値押しで18,591ドル(3/23一番底)、3分の一押しで
 23,000ドル。5・6月に二番底をつけて反騰、調整には少なくとも半年か1年かかると
 する。(大前提はトランプの再選)。

  アメリカFRBの制限なしの金融緩和、2兆ドルの財政出動、中国の25兆円規模の
 金融緩和・財政出動によってかつてないマネーの大バブルとなる。

  その後株価は短期的にはひたすら上昇し、7月8日時点ではNYSEにおいて$25,890、
 東証において¥22,438と上昇傾向にある。果たして二番底はいつ来るのか。 
        キャッシュリッチ(無借金で現金保有率が高い。)企業で割安感の高い銘柄を狙
 う、業種的には情報通信。
 (以上第3章コロナ後の「空前のバブル」に備えよ) 
  
  第4章は 2010ー2021の日本を占う3つのシナリオ
   ★  先ずは最悪の未来「悲観シナリオ」
  トランプ落選、安倍退陣デフレ大不況。日本プレゼンス衰退。
   ☆「楽観シナリオ」 トランプ再選。安倍四選。衆院選与党圧勝。アメリカ発大マネー
  バブル。 
   ☆「中立シナリオ」安倍退陣、日本のプレゼンス黄信号。株価悪材料は織り込み済み
  なるも不安定圏で推移。
  
  第5章「経済指標から見えてきたコロナショックの正体」においては、日経平均、
 NYSEダウ、原油相場、NY金相場などの長期サイクル、中期サイクルをチャートでも
 って解説する。

  第6章ではイメージを具体化し「資産を守り、殖やす、至極の黄金株24」を挙げる。
 第1セクター コロナ関連(フアーマフーズ、タカラバイオ、など)
 第2セクター 巣ごもり関連(インフォネット、メドレー、任天堂など)
 第3セクター 情報通信関連(サーバーワークス、サーバーセキュリティクラウドな
        ど)
 ☆バーゲンセールになっている黄金株(暴落相場で超安値になっている有望・成長株)
  *ベネフィットワン *AMBITION *Ubicom *エルテス *ZUU など

                            (以上この項終わり)
  

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 増尾城址公園の坂道を描く | トップ | 今年のカサブランカを描く »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事