JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

加藤周一「日本文化における時間と空間」・・・・「いま・ここ」思想

2011年07月25日 | Weblog
 「赤旗」学問・文化欄「朝の風」は、時々の文化芸術の動向を報道されており、私にとってはとってもためになる、場所です。
 1ヶ月ほど前「加藤周一氏のこの本の紹介が出ていました」2007年に出版されていたのを知らなかった。もっと早く読みたかった。
 「日本文学史序説」は、なにせ、紹介されている作品ほとんど読んだことのない私なので、分からないことが多すぎましたが、私にとって課題がたくさん生まれました。さらにこの本では日本思想史という形で解明されています。
 「日本文学史序説」は、明快な論理とその具体的な証明という点で、なにか、日本共産党各中央委員会総会の文章のようにさわやかでした。
 氏は日本の特殊性という視点を突き詰めています。マルクス主義は、世界史の法則性という点で社会変革の立場を明確にしています。
 全く相反するような立場ですが、私は加藤周一氏の考え方に惹かれます。
 それは、日本社会を貫いている「いま、ここ」という考え方を生み出した歴史的な背景も語っているからです。
 そして、日本共産党の「マルクス主義」=科学的社会主義と綱領路線は、日本の特殊性と現実に即した、具体的な発展として日本社会に根付いてきているからです。
 靖国史観や原発安全神話を根本的に打ち砕いた不破哲三さんの講演などは、こうした理論と運動の証明ではないでしょうか。
 加藤周一氏は、読む人それぞれの立場で、受け止めが様々だと思いますし、なにも語ってはいませんが、氏の問題提起に真正面から実践的に答えているのが、日本共産党だと思うのです。
 加藤周一氏の本は読めば読むほど、自らの問題意識を広げてくれます。それとともに、知識人の役割と日本共産党員としての私の生き方を励ましてくれているようにも感じるのですが。